桜の絶景に静かに浸る 京都府井手町「玉川堤」の桜並木

桜の絶景に静かに浸る 京都府井手町「玉川堤」の桜並木

更新日:2019/03/28 15:04

やた 香歩里のプロフィール写真 やた 香歩里 鈍足の旅人、地域の魅力発掘人、花火鑑賞士
井手町は京都府の中でも南にあり、JR奈良線では京都駅よりも奈良駅の方が近いという奈良寄りの地。ここにある「玉川堤」は、知る人ぞ知る桜の名所です。玉川の両岸から川面に枝を伸ばす500本ものソメイヨシノは圧巻。京都や奈良の中心部の桜の名所は人でごった返していますが、ここでは穏やかに桜を愛でることができます。

宴会はいらない、ただただ綺麗な桜が見たいんだ、そんな人にお勧めしたい桜の絶景です。

玉川を覆いつくすような500本のソメイヨシノ

玉川を覆いつくすような500本のソメイヨシノ

写真:やた 香歩里

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京都府井手町の桜の名所「玉川堤」には、1500mに及び、玉川の両岸に約500本のソメイヨシノが植えられています。満開になると、重なり合う桜と河原の緑が美しいコントラストを描きます。

玉川を覆いつくすような500本のソメイヨシノ

写真:やた 香歩里

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玉川堤に行くには、JR奈良線玉水駅で下車します。玉水駅から玉川堤までは徒歩約3分の近さ。ぶらぶら歩いていけば、すぐに堤が見えてきます。

玉川を覆いつくすような500本のソメイヨシノ

写真:やた 香歩里

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堤防の左右どちらを歩いても、桜はきれいに見ることができます。桜並木のうち数百メートルは堤防上の道の両側に桜が植えられていて、満開時は桜のトンネルになります。

飲み込まれそうな桜の世界

飲み込まれそうな桜の世界

写真:やた 香歩里

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玉川は川幅の広い川ではありません。大きく伸びた桜の木は川に向かって枝を伸ばし、川がやや蛇行していることもあり、少し遠くを見ると桜が重なり合って川面を覆いつくしているようにさえ見えます。

淡いピンクの桜並木と緑の河原に青い空の取り合わせが、優しいパステル画のよう。いつまでも見飽きない、美しい春の景色が広がります。

飲み込まれそうな桜の世界

写真:やた 香歩里

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河原に降りることもできます。堤防から見る桜も美しいですが、ぜひ河原にも降りてみてください。いろんな角度からの桜がゆったり楽しめるのが、玉川堤のすばらしいところです。ただ、水が溜まっている所があったりもするので、足元には気をつけて。ところどころ草が大きく茂っていたり、河原が途切れていたりするので、上流までずっと歩くことはできません。

飲み込まれそうな桜の世界

写真:やた 香歩里

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今はこんなに美しく穏やかな玉川堤ですが、かつては悲しい歴史がありました。1953年8月の集中豪雨により玉川は決壊し、地域一帯は大きな被害を受けました。いわゆる「南山城水害」といわれる災害です。大きな痛手を受けながらも、地元の方々の尽力により堤は再び整えられ、後に桜が植樹され、現在の美しい桜並木に成長しました。

玉川堤は、堤の両側がすぐに住宅街になっています。素晴らしい桜についテンションが上がってしまいますが、地元の方の日常の暮らしを乱さないよう、静かに楽しみましょう。玉川堤の桜は、ただただその美しさを堪能するのが似合います。

さくらまつりでのどかな賑わいのひとときを

さくらまつりでのどかな賑わいのひとときを

写真:やた 香歩里

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玉川堤の桜の良さは、その美しさももちろんですが、大勢の人でごったがえしていないこと。もちろん花見客も集まりますが、場所取りや酔客の喧騒は聞こえず、少しにぎやかだなと感じるくらい。皆さんのんびりと桜を楽しんでおられます。

ちなみに、写真右手の黄色い花はヤマブキ。ヤマブキは井手町の町の花でもあります。ヤマブキと桜の花は少し開花時期がずれており、ヤマブキの方が遅いのですが、気の早いヤマブキが桜と同じころに咲くことも。桜とヤマブキのコラボが見られるところは珍しいのではないでしょうか。

さくらまつりでのどかな賑わいのひとときを

写真:やた 香歩里

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玉川堤では、桜のピークの頃にさくらまつりが行われ、ところどころに出店も出て、観桜客を出迎えてくれます。派手なイベントではありませんが、その分雰囲気を壊すこともありません。地元の農産品や、手作りのお菓子なども並びます。

さくらまつりでのどかな賑わいのひとときを

写真:やた 香歩里

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堤防の途中に、JR奈良線の線路を見下ろせるポイントも。このポイントは上流に向かって右側の堤防にあります。タイミングが良ければ、列車と桜を一緒にフレームに収めることができるかも。

上流までゆっくりお散歩するのがおすすめ

上流までゆっくりお散歩するのがおすすめ

写真:やた 香歩里

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下流から上流へ、山の方に向かってゆっくり歩きながらお花見をするのがおすすめです。上の写真は、蛙橋から撮ったもの。桜並木全体がフォトジェニックな玉川堤ですが、蛙橋からの風景は小高い山を背景に重なり合う桜が美しく、おススメ撮影スポットです。蛙橋は、桜並木全体の中間より少し上流寄りにあります。駅からだと、ゆっくり歩いて15分ほどでしょうか。

上流までゆっくりお散歩するのがおすすめ

写真:やた 香歩里

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こちらは蛙橋から下流側を撮ったもの。ため息の出るような美しさで、この先にはどこまでも桜回廊が続くような錯覚さえ覚えます。

ちなみに、玉川は東から西に向かって流れているので、朝は上流側に、夕方は下流側にカメラを向けると逆光になります。撮影の際はご留意ください。

夜は幽玄なライトアップも

夜は幽玄なライトアップも

写真:やた 香歩里

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さくらまつりの期間は、ライトアップも行われます。煌々と桜を照らすような派手なものではありませんが、桜並木にめぐらされた提灯に灯りがともります。

夜は幽玄なライトアップも

写真:やた 香歩里

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提灯に照らされて、暗闇にぼんやりと浮かび上がる桜並木はなんとも幽玄。

玉水駅までは、京都駅からは奈良線みやこ路快速で約30分。普通電車なら50分かかることもあります。奈良駅からなら約15〜20分です。京都から向かう場合は少し時間がかかりますが、駅からはほんの3分ほど。トータルで考えれば、それほど時間はかかりません。

喧騒を避けて、桜の美しさを堪能できる玉川堤。満開の桜の中に静かに身を置きたい、そんな人にお勧めします。

井手町玉川堤の基本情報

所在地:京都府綴喜郡井手町井手
電話番号:0774-82-6168(井手町産業環境課)
さくらまつり:2019年3月30日(土)〜4月7日(日)
アクセス:JR奈良線玉水駅から徒歩約3分

2019年3月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/03/31 訪問

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