京都の古刹・十輪寺に咲く、たった一本の“なりひら桜”

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京都の古刹・十輪寺に咲く、たった一本の“なりひら桜”

京都の古刹・十輪寺に咲く、たった一本の“なりひら桜”

更新日:2015/03/23 10:29

MASALA Chaiのプロフィール写真 MASALA Chai トラベラー

たった1本の桜の木が境内にそびえ立つ、京都洛西にある十輪寺。「なりひら桜」と呼ばれるこの1本桜をさまざまな角度からを眺め、境内に響く住職の「朗詠」に耳を澄ます。洛中の喧噪から離れて風情を味わうことのできる、たった一本の桜に会いに出かけませんか?

「三方普感の庭」に咲く樹齢200年の枝垂れ桜

「三方普感の庭」に咲く樹齢200年の枝垂れ桜

写真:MASALA Chai

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阪急電車の「東向日」駅からバスで約20分。住宅地を抜け、菜の花が咲く大原野の豊かな田園地帯を過ぎ、山道に差しかかる当たりの右手、少し小高い丘に聳える古刹。それが十輪寺です。平安のイケメン歌人・在原業平が晩年暮らした場所でもあります。通りからは桜はまったく見えません。それだけに期待感が高まります。小道を歩いて山門へ。緑の字で十輪寺と刻印された門をくぐるとなり業平御殿の入り口です。入って左手の和室に足を踏み入れると桜が・・。

これが通称「なりひら桜」です。桜が植えられている庭が「三方普感の庭」。立って見る・座って見る・寝て見る、三つの見方で感じ方が変わることから名付けられました。その通り、3通りのお花見をしてみましょう。一番お行儀の悪い“寝て見る”が迫力満点!在原業平もこうして庭を眺めたのでしょうか? 

いえいえ実はこの御殿、応仁の乱の際に焼失し、再建されたもの。その際に「三方普感の庭」が造られました。庭と桜を楽しんだのは、業平よりずっと後の人々です。それでも通称「なりひら桜」に会うためにたくさんの人が訪れます。ちなみに桜の満開時に下から眺める桜を「天蓋の桜」と呼びます。

桜が教えくれる生命力のすごさ

桜が教えくれる生命力のすごさ

写真:MASALA Chai

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業平御殿から高廊下を歩いて本堂へ。「三方普感の庭」は別名「心の庭」と言われ、見る人の心を映し出します。庭には現在・過去・未来の石も配置。廊下に散った枝垂れ桜の花びら。樹齢200年の間には桜の勢いが衰えた時期もありますが、現在は勢いよく、そして力強く花を咲かせいます。

「何度でも人は生きる意欲をかき立てられる」。本堂で聞いた昭和5年生まれの住職の言葉です。十輪寺は天台宗のお寺。お話上手なご住職は老人ホームなどでも法話をされています。桜を見ながら住職のお話を聴くのも、十輪寺を訪れる魅力の一つです。

住職の朗詠を聞きながら見る桜のはかなさと業平の想い出

住職の朗詠を聞きながら見る桜のはかなさと業平の想い出

写真:MASALA Chai

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本堂を出て裏山へ。ここから眺める、こんまりとした形が特徴的な本堂の屋根、業平御殿に囲まれて咲くなりひら桜の美しいこと! わび、さびの雰囲気を持つ境内に響き渡る、住職の歌うような「朗詠」が、桜のはかなさと相まって心に沁みます。ここでは、こんな哀愁のある一本の桜を、さまざまな角度から堪能することができます。

桜を見下ろす裏山には、恋多き歌人業平が塩を焼いて藤原高子への思いを紫の煙にして伝えたという塩釜の跡、そして業平のお墓があります。ひっそりと残された業平の想い出です。

小さな古刹で感じる時間の流れ

「新緑の季節が素晴らしい」。桜の季節だけでなく、生命力あふれる新緑の十輪寺の素晴らしさを伝える住職の言葉です。空間と時間、時の流れを身体で味わえるお寺です。まずは桜の季節に、ぜひお訪ねください。おすすめです。

※見頃は例年4月中旬まで

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/01 訪問

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