世界遺産・平泉の「源流」を辿る岩手・江刺の旅

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世界遺産・平泉の「源流」を辿る岩手・江刺の旅

世界遺産・平泉の「源流」を辿る岩手・江刺の旅

更新日:2019/03/01 09:14

大友 浩平のプロフィール写真 大友 浩平 東北案内人

岩手の平泉と言えば、「仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」が世界文化遺産に登録されたことで有名で、国内外から観光客も多く訪れています。この平泉の「源流」とも言える地域があります。それが奥州市江刺区です。今回は、ここ奥州市江刺区の旅をご案内します。

奥州藤原氏初代清衡が前半生を過ごした地

奥州藤原氏初代清衡が前半生を過ごした地

写真:大友 浩平

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江刺は平泉に百年の都を築いた奥州藤原氏初代清衡が、平泉に本拠を移す前に前半生を過ごした地です。餅田地区には清衡が住んでいた豊田館(とよだのたち)の跡があります。元は清衡の父の藤原経清が建てたと伝えられています。

経清は、平将門の乱を平定した藤原秀郷の子孫で、多賀城に出仕する役人でしたが、今の岩手県南部を支配していた安倍氏と、朝廷の命を受けた源氏とが戦った前九年の役と呼ばれる戦いで妻の実家であった安倍氏に味方したために、乱の平定後斬首されました。
経清の妻が源氏に味方した秋田県南部の在地勢力清原氏に再嫁させられたため、当時7歳だった清衡も命を助けられ、清原氏の一員として育てられます。

奥州藤原氏初代清衡が前半生を過ごした地

写真:大友 浩平

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その後、清原氏の内紛をきっかけに起こった後三年の役で、父の仇でもある源氏の力を借りて勝利した清衡は、父の姓の藤原に戻し、東北全域を戦のない平和な地とするために、東北のちょうど真ん中である平泉に仏都を築くわけですが、それまで住んでいたのがこの豊田館となります。

人首川を見下ろすちょっとした高台にあり、現在では史跡公園として整備されています。江戸時代に彫られた「豊田城趾碑」や、「藤原清衡公生誕の地」の碑があります。
近くには清衡が誕生した時に産湯に使ったという「清衡産湯の泉」もあります。

<豊田館跡の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺区岩谷堂字下苗代沢
アクセス:江刺バスセンターから奥州市営バス「糀谷・口沢」行き、「根木町」行き(土日祝運休)、「醍醐」行き(土日祝運休)乗車、「餅田」下車徒歩2分

奥州藤原氏初代清衡が前半生を過ごした地

写真:大友 浩平

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また、近くには鎮岡神社(しづめがおかじんじゃ、じんがおかじんじゃとも)があります。清衡はこの神社を篤く尊崇し、豊田館に居を構えた際に社殿を修築して、天下泰平武運長久を祈願したと伝わっています。

<鎮岡神社の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺岩谷堂五位塚179
電話番号:0197-35-3992
アクセス:江刺バスセンターから奥州市営バス「根木町」行き(土日祝運休)乗車、「五位塚」下車徒歩1分

地元産のそばを使った美味しい手打ちそば店

地元産のそばを使った美味しい手打ちそば店

写真:大友 浩平

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豊田館跡から、後で紹介する「そば処 もちた屋」の前を通って山の手の方に上っていくと、五位塚墳丘群と呼ばれる史跡があります。ここは清原の父経清とその一族一党の墓所と伝えられる場所です。五位というのは経清の官位を表しており、墳丘という言葉から分かるように、土を盛った丘が複数存在しています。

地元産のそばを使った美味しい手打ちそば店

写真:大友 浩平

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ここからは江刺平野が展望できます。

<五位塚墳丘群の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺区岩谷堂字五位塚
アクセス:江刺バスセンターから「糀谷・口沢」行き乗車、「苗代沢」下車徒歩15分

地元産のそばを使った美味しい手打ちそば店

写真:大友 浩平

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餅田地区と言えば、地元で取れたそばを使った手打ちそばが食べられる「そば処 もちた屋」があります。写真は「デカもりそば」で、普通のもりそばの倍の値段で三人前のそばが出てくるのでお得です。細打ちのツルツルモチモチのそばに、甘みのあるつゆ、美味しいです。

<そば処 もちた屋の基本情報>
住所: 岩手県奥州市江刺岩谷堂五位塚697-1
電話番号:0197-35-3535
アクセス:江刺バスセンターから「糀谷・口沢行き」乗車、「苗代沢」下車徒歩6分

もう一つの館跡、そして国宝が生まれた寺院跡

もう一つの館跡、そして国宝が生まれた寺院跡

写真:大友 浩平

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江刺の中心部からほど近い館山史跡公園には、「藤原御館(みたち)跡」という碑があります。ここは古来「御館山(みたちやま)」と呼ばれていたとのことです。「御館」というのは奥州藤原氏の当主の尊称で、先ほど紹介した「豊田館跡」とは別に、ここにも経清と清衡父子が居住した砦館の跡だったとの伝承があります。実際、大規模な土塁や城砦の遺構や掘の一部が現存しています。

もう一つの館跡、そして国宝が生まれた寺院跡

写真:大友 浩平

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また、ここには現在、「二清院」という、経清、清衡父子を顕彰するために地元の人たちが造ったお堂があります。二清院には藤原経清、清衡父子の木像が安置されていますが、その木像は毎年1月1日、5月3日〜5日、8月13日〜16日に限り、公開されています。

<館山史跡公園の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺岩谷堂字舘下231-5
アクセス:奥州市営バス「六日町」バス停から徒歩15分

もう一つの館跡、そして国宝が生まれた寺院跡

写真:大友 浩平

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館山史跡公園からさらに北東に足を延ばすと、増沢地区に益沢院(ますざわいん、益澤院とも)跡があります。益沢院は清衡が発願した、紺色に染めた紙に仏教の全ての経典が一行ごとに金字と銀字で交互に記されている、我が国で唯一の「紺紙金銀字交書一切経」が書写された場所です。
今も中尊寺に残る「紺紙金銀字交書一切経」は、国宝に指定されています。
その国宝はここで生まれたものだったのですね。

<益沢院跡の基本情報>
アクセス:江刺バスセンターから奥州市営バス「学間沢・重王堂」行き、「赤部・大岳」行き(土日祝運休)乗車、「増沢」下車徒歩13分

卵を練り込んだ珍しいご当地麺と炭火で焼いたご当地煎餅

卵を練り込んだ珍しいご当地麺と炭火で焼いたご当地煎餅

写真:大友 浩平

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江刺と言えば、卵(らん)麺という、卵を練り込んだ、他ではあまり見られないご当地麺があります。乾麺としてお土産でも購入できますが、「お食事処 ひろ亭」では、地元でも珍しい、こだわりの手打ち生卵麺が食べられます。平打ちのモチモチした食感の麺はここだけの味わいです。

<お食事処 ひろ亭の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺区川原町4-8
電話番号:0197-35-7118
アクセス:奥州市営バス「川原町」バス停から徒歩2分

卵を練り込んだ珍しいご当地麺と炭火で焼いたご当地煎餅

写真:大友 浩平

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江刺のお土産と言えば、何と言っても「八重吉煎餅店」の「亀の子せんべい」がおススメです。亀の子せんべいというのは、岩手の県南地域で食べられている、亀の甲羅に似た形のゴマがけのお煎餅ですが、「八重吉煎餅店」の亀の子せんべいは、今も昔ながらの作り方を守って、炭火で一枚一枚丁寧に手焼きされます。できるまでに1日半も掛かるため、1日に作れる枚数も限られていて、夕方に行くと品切れのこともあるので、欲しい場合は早いうちに購入するのがポイントです。「えさし夢プラザ」の観光物産センターやホテルニュー江刺の売店でも購入できることがあります。

<八重吉煎餅店の基本情報>
住所:岩手県奥州市江刺中町3-12
電話番号:0197-35-2708
アクセス:奥州市営バス「中町」バス停から徒歩1分

平泉の世界遺産を見た方はぜひ江刺の旅を

これまで見てきたように、江刺は平泉に比べるとあまり目立ちませんが、平泉の源流とも言える場所であることが分かります。
なお、江刺区内にある歴史公園「えさし藤原の郷」に行けば、清衡館(豊田館)や経清館(旧豊田館)を復元した建物を見ることができます。

いろいろと見どころのある江刺の旅、特に平泉の世界遺産をご覧になった方にはぜひおススメしたいと思います。

2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/02/02−2019/02/03 訪問

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