ハウパーヴィラの歴史は古く、かつて香港に存在した「タイガーバームガーデン」を造った胡兄弟がシンガポール版「タイガーバームガーデン」として1937年に開園させたのがハウパーヴィラの始まりです。
途中経営母体が何度か変わり、現在のハウパーヴィラの姿になりましたが、一貫して変わらないのがその世界観。一見、いやかなり風変わりなジオラマとコンクリート製の1000体以上の像がアジアの文化、歴史、哲学、そして宗教をドラマ仕立てで私達に教えてくれます。
そんな見どころ満載のハウパーヴィラですが、入場料はなんと無料。開園当初はタイガーバームの宣伝も兼ねていたとあって、さっそく入り口で虎の男女が出迎えてくれます。所々汚れや剥がれのあるオブジェはシュールで、これから始まるハウパーヴィラワールドへの期待が否が応にも高まることでしょう。
仏教や儒教、道教の教えや中国の様々な伝説や説話をジオラマ形式で人々に伝えるために開園された「タイガーバームガーデン」。「西遊記」や中国四大民間伝説のひとつの「白蛇伝」などがジオラマの中で展開されており、その数は150以上。登場する1000体以上の人形が生き生きと物語りを表現しており、その表情は豊かで今にも動き出しそうです。
ジオラマには日本語の解説もあり、「情けは人の為ならず」的な善行の教えを説いているものもありますが、擬人化された虫や動物が多数登場することでハウパーヴィラの斜め上感は更にアップします!
園内の各所にあるジオラマは何らかのメッセージを発している事は分かっても、一体何を表現しているのか理解に苦しむものも多数。そんな時はキッチュで本来の姿とは似ても似つかぬ珍獣たちが何を我々に伝えたいのか考えてみるのも一興。
人気ジオラマ、中国の古代神話に出てくる神秘的な生き物の人魚。「人魚の涙が真珠になった」という物語りを表現しているのですが、ハウパーヴィラの手にかかればこの通り。我々が想像する「人魚姫」のような美しい姿とは全くかけ離れた、妙に生々しい人魚たちの容姿に度肝を抜かれることでしょう。
園内のオブジェは中国の古典を由来とする精神世界を表現しているものが大多数ですが、なぜその彫像がそこにあるのか分からないものも紛れ込んでいます。
ニューヨークの自由の女神とは似ても似つかぬアジアンチックな表情の「自由の女神」が微笑んいたり、タイガーバームを中心に力士が土俵入りをしていたり。束の間のシュールな世界旅行をハウパーヴィラでは楽しむこともできます。
こちらはハウパーヴィラで一番人気のカニ女。カニの甲羅からニョキッと顔を突き出し微笑みを浮かべる女性。中国の宗教観や世界観とは無関係な異様な光景にきっとあなたの頭は混乱することでしょう。そう、ここハウパーヴィラは「なんでもアリ」のカオスな世界なのです。
クライマックスはハウパーヴィラの中で最も衝撃的な中国の民間伝承「十大地獄」(Ten Courts of Hell・地獄の10の法廷)です。地獄に吸い込まれるような、真っ暗な入り口にさっそく足を踏み入れてみましょう。しかしこの地獄世界はあまりにも生々しすぎるため、お子さんや心臓の弱い方の入場は十分お気をつけくださいね。
地獄の入り口で閻魔大王に裁かれる人々。ここから先は見るもおぞましい地獄の責め苦の様子が次々と目に飛び込んできます。「こんな恐ろしい地獄に落ちる事にならないよう、悪行をはたらかず、清く正しく生きましょう!」という教訓を伝えるためのジオラマですが、それにしても阿鼻叫喚の図はあまりにも強烈です。
閻魔大王の裁きを受けた後に待っている地獄の苦しみ。そんな直視できない10の地獄の最後には天女が救いの手を差し伸べています。絶望の先に差す一筋の光、おどろおどろしいハウパーヴィラの地獄世界ではありますが、ほんの少し安堵感を抱いて地獄見学を終えることができるでしょう。
テーマパークがたくさんあり見どころいっぱいのシンガポールですが、目新しい場所を探しているシンガポールリピーターの方や、SNS映えする面白スポットを探している方にもハウパーヴィラはおすすめです!
アクセス方法はシンガポール中心部からMRT(地下鉄)で約40分。その名も「ハウパーヴィラ」駅を降りると、もう目の前にはシュールで異様な世界への門戸が開かれています。
住所:262 Pasir Panjang Road, Singapore 118 628
電話番号:+65-6773-0103
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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