写真:松縄 正彦
地図を見る関西の奥座敷、神戸の有馬温泉。ここは太閤秀吉が正室のねねを連れ、度々湯治に来た場所です。この関係で、温泉街には太閤にまつわる見どころが沢山あります。
バスや電車で温泉街に到着すると直ぐに眼に入るのが「太閤橋」です。橋のたもとには豊臣家の家紋が刻んであります。この近くには秀吉の銅像もあり、この湯が太閤と深い関係にある事がまず印象に残ります。少し散策して関連する場所を見てみましょう。
写真:松縄 正彦
地図を見る太閤橋の斜め上、左手方向に赤い橋があります。これが「ねね橋」で、秀吉の正室のねねの像が橋のたもとに建てられています。
写真:松縄 正彦
地図を見る実は、有馬温泉に秀吉とねね(北政所)の別亭があったと言われる場所があります。これが「念仏寺」です。この念仏寺の直ぐ近くに「太閤湯殿館」(写真)があります。この館では、太閤秀吉が造らせた御殿の一部と見られる湯船の遺構(蒸し風呂と岩風呂)や御殿跡からの出土品が展示されています(但し、2019年2月現在、施設の点検・整備のため休館しております。訪問時にはホームページなどで開館状況をご確認下さい)。
有馬温泉は子宝の湯として有名で、奈良時代、36代天皇の皇子、その名も“有馬皇子”がここの温泉の効用で誕生したと伝わっています。秀吉とねね夫婦が何度となくこの地を訪れていたのもこの伝説と無関係ではないでしょう。
写真:松縄 正彦
地図を見るここ有馬温泉は1,400年の歴史をもつと言われていますが、この温泉を発見したのは、オオナムチノミコト(大黒様)とスクナヒコナノミコト(医薬の神様)の二神といわれ、「湯泉(とうせん)神社」にこの二神も祀られています。またこの神社は子授けの神といわれ、全国から多数の方々がお参りに来られました。
この神社は太閤湯殿館の横手にある階段(少し急です)を登った所にあります。ちょっと面白いのは、二神がこの温泉を発見するきっかけになったのはカラス(カラスが傷をこの温泉水で直した)といわれ、この神社の正面上にカラスと思われる彫り物も飾られています。お参りされた時、頭上を注意深くご覧下さい。
写真:松縄 正彦
地図を見るこの湯には舒明天皇も3ヶ月滞在したと日本書紀に記されていますが、有馬温泉が有名になったのは奈良時代に温泉の医療効果を認めた僧の“行基”が「温泉寺」を建立した事によります。奈良の大仏様を建立するのに尽力した事で有名な行基ですが、奈良と遠く離れた場所でも活躍していました。
この行基の像が温泉寺の横手にあります(写真)。また像に向かって右手方向、少し離れた所にカラス像が3羽おかれています。これは温泉発見に関わったとされるカラスと思われます。行基とカラスの像、ちょっとユーモラスですが、それとなく有馬温泉の歴史をアピールしている様です。
写真:松縄 正彦
地図を見る有馬温泉の湯は活断層の割れ目を通り、地中深くから湧き出した湯です。この湯には褐色の鉄分を多く含む湯、また無色透明ですが、炭酸成分を含む湯とラジウムを多く含む放射能泉の3種類があります。温泉街の中にはこれらの湯を湧出する泉源が7ヶ所あります。写真は鉄分を多く含む「御所泉源」です。
写真:松縄 正彦
地図を見る温泉宿に宿泊して温泉をゆっくり楽しむのが一番ですが、有馬温泉には日帰りでも温泉を楽しむことができる外湯もあります。その代表が、お湯の名前が付けられた外湯「金の湯」と「銀の湯」です。
鉄分を多く含む褐色の湯を“金の湯”と言いますが、この褐色の湯は保温や保湿効果があるとされ、皮膚疾患や傷、冷え性などに効くとされます。子宝の湯と言われるのもこの効果といわれますが、長湯は禁物です。湯あたり防止のため、連続して10分以内の入浴にし、入浴後は身体を洗い流すようにして下さい。またタオルに湯の色がつきますのでご注意下さい。
一方、無色透明の炭酸泉を“銀の湯”といいます。こちらの湯は毛細血管を拡張し、血流を増加する事で高血圧症や循環器障害などに効くとされています。ちなみに、これら外湯は有料です。
なお宿泊施設では日帰りで入浴できるサービスもあります。詳しくは各施設にお問い合わせ下さい。
写真:松縄 正彦
地図を見る一方、無料で楽しめるのが足湯です。上記の「金の湯」の横にあります。独特の褐色の湯を楽しんで下さい。但し、タオルは着色しても良いものにして下さいね。
写真:松縄 正彦
地図を見るさて、この有馬温泉ですが、この地ならではのお湯にちなんだお土産があります。
まずは自宅でも有馬の湯が楽しめる入浴剤、“金の湯”の素(写真:右端)と“銀の湯”の素(写真:真ん中)です。これはこの地だけで販売されている入浴剤です。
また炭酸泉にちなんだお土産として“サイダー”や“炭酸せんべい”(写真:左端)が有名です。炭酸せんべいは薄焼きでパリッとした歯触りが楽しめます。
この他、太閤秀吉に由来する“千成漬”もお勧めです。これは、ひとくち茄子やひょうたんを灘のお酒で付けたものです。観光案内所近くの「太閤通り」に多くのお店がありますので覗いてみて下さい。
住所:兵庫県神戸市北区有馬町
電話番号:078-904-0708(有馬温泉観光総合案内所)
アクセス:三宮駅から阪急バス、JRバスにて有馬温泉行きに乗車し45分。あるいは、三宮から地下鉄にて谷上駅で神戸電鉄有馬線乗り換え、有馬温泉駅下車。所要時間約30分
車の場合、三宮からは新神戸トンネル有料道路を経由し阪神高速北神戸線有馬口ICから有馬温泉へ、所要時間約20分
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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