写真:Kaycom D
地図を見るジャブリン城は、オマーン北部のバハラ※郊外にあるお城。17世紀に宮殿として建てられ、イマーム(指導者)の住居の他、教育の場としても使われていました。城内には、書斎や客室、図書室、貯蔵庫など25の部屋があります。
※バハラについては、関連MEMOに記載の別記事『オマーンの謎に包まれた世界遺産「バハラ・フォート」』も参考にしてください。
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地図を見るイマームは、イスラム法、アラビア語、歴史、医学、天文学をはじめとする様々な学問を学ぶ学校を城の隣に建設。教師には給与を支払い、生徒には生活費を支給するなど惜しみない支援をしてきました。
その結果、この学校からは多くの有名な学者や思想家が誕生したそうです。
城内には、学生たちの学習の場でもあり、彼の執務室でもあった部屋も残されています。
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地図を見る城内の天井は、フラット型、アーチ型、かまぼこ型の三タイプがあり、最も多いのがフラット型の木の天井。装飾のレベルは、その部屋の用途や目的によって異なります。
ジャブリン城の見所のひとつとして、最高品質のペルシャ絨毯にも匹敵する柄が描かれた木製天井が挙げられますが、このクオリティは、オマーンで最も芸術的に優れた天井と称されるほど素晴らしいものです。
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地図を見る「太陽と月の間(Sun & Moon Room)」は、天井の装飾の美しさからジャブリン城の中でも一番有名な部屋。
天井には、神の目の形を表したデザインが施され、部屋に入った訪問者に、神の保護と己の自立を促す眼差しを投げかけているそう。
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地図を見る部屋の上部と下部にはそれぞれ七つの窓があり、上部の窓は月の光をうつすように、下部の窓は日中の強い日差しを遮るようにつくられています。
「7」という数字はイスラム世界において特別で、「天国は七つあり地球は七層からなる」という意味を持っています。
また、壁の上部には暑い空気を外に出すための格子窓が設置され、床には涼しい空気を取り入れる隙間が開けられるなど、快適さも考えた様々な工夫がされています。
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地図を見るイマームの寝室に通じる階段は、4段目の横木がゆるく設置されていて、そこを踏むと音がするようになっています。
これはイマームに客の訪問を報せるためですが、夜間になると、侵入者が簡単に上れないようにはずすこともできました。
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地図を見るまた、アーチ型の天井と階段の上の壁にはアラビア文字で神の唱えが刻まれていて、イスラム教徒たちが就寝前に唱えていました。
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地図を見る砂漠の中にポツンと建つジャブリン城の屋上は、遠くの山々まで一望できる絶景ポイントです。
この眺望の良さは、遠くの旅人を簡単に発見することができたため、前もって城への来訪者を迎える準備ができたり、逆に、歓迎できない人物の場合は、空砲を打ってその意思を伝えるなど、昔からとても都合がいいものでした。
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地図を見るまた、屋上にある部屋は風通しが良く居心地が良かったため、勉強したり考え事をしたりするのに最適でした。そのため、アラビア語で「学校」を意味する「バドラッサ」と呼ばれ、コーランを学ぶ場としても使われていました。
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地図を見るジャブリン城の観光は、オマーン北部の主要都市ニズワ※を拠点にして、周辺の見どころも一緒に周るのがおすすめです。そのため、現地発着ツアーやタクシーを利用すると便利。
有料ですが日本語対応のガイディングレシーバーが用意されているので、ぜひこれを借りて見学してみてください。各ポイントで詳細な説明を聞くことができます。
※ニズワについては、関連MEMOに記載の別記事『古き良きオマーンを巡る!ニズワとミスファット・アル・アブリーン村観光』も参考にしてください。
住所:A’Dakhiliyah Region, Jabrin 612
営業時間:
9:00〜16:00(日曜日〜木曜日)
8:00〜11:00(金曜日)
2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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