写真:沢木 慎太郎
地図を見るバンコクからの半日・1日オプショナルツアーで人気の世界遺産「古都アユタヤ」。“木の根に覆われた仏頭”で知られる「ワット・マハタート」や、3つの仏塔が並ぶ王室専用寺院「ワット・プラ・シーサンペット」、巨大な涅槃仏(ねはんぶつ)の「ワット・ロカヤ・スターラーム」は、定番の観光スポットとなっています。
しかし、アユタヤ遺跡の中心から、やや外れた位置にある寺院が「ワット・チャイワタナラーム」。最近は観光モデルコースに組み込まれ、6寺院共通の割引き券が使えるアユタヤ遺跡のひとつ。アンコール・ワットに似た、美しい穴場の寺院です。ツアーだけでなく、個人旅行で巡るのもおすすめ。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るアユタヤ王朝の第24代プラサート・トーン王が1630年、亡くなった母親を偲んで建てた寺院が「ワット・チャイワタナラーム」。もともとは、王の母親の宮殿があった場所とされる地。寺院建設には20年の歳月を費やしたとされています。細やかで美しい建築は、亡くなった母親への思慕が感じられます。
この「ワット・チャイワタナラーム」が、いまタイ人女性の間で超人気。というのも、2018年にタイで放送され、多くのタイ国民が熱中したテレビドラマ『ブッペーサンニワート(Love Destiny〜愛の運命〜)』のロケ地となったことで、聖地巡礼の旅に出かけるタイ人女性が急増しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る『ブッペーサンニワート』というドラマは、現代に生きる考古学者のタイ人女性がアユタヤで交通事故に遭い、生死をさまよっている時にアユタヤ王朝時代の君主の娘の幽霊に導かれ、17世紀に生きる彼女への身体へとタイムスリップする話し。
仏教徒の多いタイでは、「生まれ変わり」「幽霊」「霊魂」「心霊現象」を信じる人が多く、恋する乙女たちはタイの伝統衣装を着てロケ地のアユタヤ遺跡や廃墟を巡り、良縁や縁結びなど、ドラマティックな恋愛成就を祈願しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る世界遺産の街、アユタヤ。バンコクから北へ約76キロメートルの場所に位置しています。この場所に築かれた、タイの王朝が「アユタヤ王朝」。1351年から、ビルマ(現ミャンマー)軍に破壊される1767年まで、約400年間にわたり、33代の王がアユタヤ王朝を築きました。
内陸にあるものの、水運に恵まれ、タイ内陸部の交易拠点として繁栄したのがアユタヤ王朝。水運を利用し、アユタヤ島と対岸を結ぶ渡し船が今も見られ、通勤や通学に使う市民の足として活躍。アユタヤでは静かな水辺空間が広がり、のどかで素朴な風景が多く見られます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るユネスコの世界遺産(文化遺産)に、「古都アユタヤ(Historic City of Ayutthaya)」で登録されているアユタヤ遺跡。その中心は、チャオプラヤー川などに囲まれた中州。“アユタヤ島”と呼ばれる、川に囲まれた島のような中州(東西約7キロメートル、南北約4キロメートル)に、定番の人気観光スポットが集まっています。
これに対してアユタヤ島の南西、川を隔てた対岸、つまり島から出た場所にある寺院が「ワット・チャイワタナラーム」。
※場所は、写真の下に貼り付けた地図でご確認下さい。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るアユタヤで有名な遺跡といえば、“木の根に覆われた仏頭”で知られる「ワット・マハタート」や、3つの仏塔が並ぶ王室専用寺院「ワット・プラ・シーサンペット」。これに比べて、日本人観光客にはあまり知られていないアユタヤ遺跡が「ワット・チャイワタナラーム」。
「ワット・チャイワタナラーム」も、ほかの遺跡と同様に1767年のビルマ軍の侵攻で破壊されました。しかし、修復作業がかなり進み、アユタヤ遺跡では珍しく、建設当時に近い姿を目にすることができます。ここも、「ワット・チャイワタナラーム」をおすすめするポイント。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・チャイワタナラーム」の見どころは、敷地の中心にそびえる高さ35メートルの大仏塔。
仏塔は、もともとは仏舎利(ブッダの遺骨)を納めるための建築物。重要な仏法を祀り、仏教信仰のシンボルになっています。
仏教では、祖先の位牌(いはい)を祀る堂のことを、「祠堂」(しどう)と呼んでいますが、“高塔状の祠堂”が、仏塔です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るタイの仏塔には、円すい形で先がとがった「チェディ」と、先端が丸みを帯びてトウモロコシ型をした「プラーン」の2種類があります。
「チェディ」は、古代インドに起源を持つ塔のことで、西洋では「ストゥーパ(stupa)」などと呼ばれています。ストゥーパを漢字に置き換えたものが、日本の「卒塔婆(そとば)」です。
チェディは各地で独自に進化し、「スリランカ様式」「ミャンマー様式」「スコータイ様式」「タイ様式」など、さまざまな建築様式が見られます。ちなみに、アユタヤの王室専用寺院「ワット・プラ・シーサンペット」の3つの仏塔(写真)は、スリランカ様式のチェディ。釣鐘型で、塔の先端がとがっています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・チャイワタナラーム」の大仏塔は、トウモロコシ型の建築スタイルとなる「プラーン」。クメール王朝が築かれたカンボジアに起源を持ち、アンコールワット遺跡などの仏教建築に見られます。
仏塔の先端が丸みを帯びた建築スタイルは、「カンボジア様式」「クメール様式」とも呼ばれます。
「ワット・チャイワタナラーム」のプラーンには、蓮のつぼみの形をした装飾があり、クメール様式の流れを取り入れてタイ独自で進化した「スコータイ様式」の姿も見られます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・チャイワタナラーム」では、寺院内でも最も主要な部分に大仏塔を置き、これを中心に4つの小仏塔を四方に配置しています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る4つの小仏塔(写真左)にはそれぞれ回廊が取り巻き、“アンコール・ワット様式”と呼ばれる建築スタイル。
これは当時、アユタヤ王朝がカンボジアとの戦争に勝利し、これを記念してアンコール・ワットに似た寺院をアユタヤに建設したという説もあります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔と、4つの小仏塔が置かれた中心部分。このまわりには、仏塔がさらに八方に設けられています。これらは、仏教の世界観の中心にそびえる聖なる山、つまり「須弥山(しゅみせん)」を表しています。
仏教の世界観では、須弥山を中心に、七つの金の山と鉄囲山(てっちさん)があり、この間に8つの海があると考えられ、“九山八海”と呼ばれています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・チャイワタナラーム」でも、戦争で頭を切り落とされた仏像が数多く並んでいます。華やかな文明を築いたアユタヤ王朝。その栄枯盛衰が感じられます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る敷地の東側にある礼拝堂も見どころの一つ。ここには、2つの仏像が安置されています。破壊されていますが、静かな情感が漂います。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る廃墟には、思い出の中でしか会えない、昔の恋人の面影にも似た美しい世界観があり、はかなく散ってゆく桜に哀愁と美しさを感じる心に似ています。
かつてのアユタヤ王朝の栄華が偲ばれ、時代を超えた恋愛ドラマのロケ地に選ばれた、美しい廃墟寺院「ワット・チャイワタナラーム」。夕日やライトアップのスポットしても人気があり、アユタヤクルーズツアーでも定番コースになっています。
なお、バンコクからアユタヤへの行き方や、おすすめのアユタヤ遺跡、バンコクからの日帰り・半日モデルコースなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
住所:Tambon Baanpom, Amphur Pra Nakorn Sri Ayutthaya, Ayutthaya
アクセス:アユタヤのバスターミナルからタクシーで約20分
拝観時間:8時〜18時、ライトアップ19時〜21時
拝観料:50バーツ(「ワット・ラチャブラナ」「ワット・マハタート」「ワット・プラ・ラーム」「ワット・プラ・シーサンペット」「ワット・チャイワタナラーム」「ワット・マヘーヨン」の6遺跡共通割引券220バーツあり)
2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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