写真:沢木 慎太郎
地図を見るマチュピチュ遺跡やペトラ遺跡、チチェン・イッツァ遺跡、アンコール遺跡など、世界には多くの有名な遺跡がありますが、タイのアユタヤ遺跡のその一つ。「行ってみたい」世界遺産の遺跡ランキングでも人気の高い観光スポットになっています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るアユタヤ遺跡は、ひと昔前までは訪れる人も少なく、遺跡に登ったり、中に入ることもできたりしたのですが、最近は観光旅行者が多くなり、遺跡を保護するために登れなくなりました。
そんな中で、アユタヤ遺跡では珍しく、大仏塔の中段まで登ることができ、さらに仏塔内にも入れる遺跡が「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン(Wat Yai Chai Mongkon)」です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」は、アユタヤ遺跡の中心地からやや外れた場所にありますが、人気の遺跡スポット。バンコクからの日帰り観光ツアーでも、モデルコースに組み込まれていることが多いです。
その人気の理由は、遠くからでもひときわ目立つ高さ72メートルの大仏塔。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る写真は、「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」を正面から見た写真。左右に大きな仏像が安置されています。真ん中にそびえているのが大仏塔。中段まで階段が続いています。
大仏塔は、円すい型で、先がとがったデザイン。これは、古代インドのストゥーパに起源を持ち、スリランカ(セイロン)で発展したスリランカ建築様式の流れをくむもの。釣鐘型の仏塔で、タイでは先がとがった仏塔のことを、すべて「チェディ」と呼んでいます。ブッダの遺骨を納め、仏教のシンボルとなる建物。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」が建てられたのは、アユタヤ王朝初期の1357年。初代のウートン王が僧侶たちの瞑想寺院として建てたことが始まりです。
アユタヤ王朝は、隣国のスコータイを併合し、クメール王国にも侵攻。1431年には王都アンコールを陥落。17世紀ごろにはシャム国(当時のタイの呼び名)の首都として栄華を極めました。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらは、大仏塔の左右に安置された仏像のひとつ。仏像の背後にそびえる大仏塔は、高さが72メートル。これは後の時代に建てられたもの。大仏塔を建てたのは、アユタヤ王朝19代のナレスアン(ナレースワン)王。
ナレスアン王は、タイ発祥の格闘技「ムエタイ」の創設者という伝承があり、タイでは人気の高い英雄。
アユタヤ王朝は、1767年に滅亡する以前に、隣国のビルマとの戦争に敗れ、一時は属国となった時代もありました。しかし、ナレスアン王は1592年にゾウに乗って、一騎打ちでビルマ王子を破り、ビルマ軍との戦いに勝利し、アユタヤ王朝の独立を回復。これを祝って、建てられたのが大仏塔です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔には、アユタヤ王朝の独立を回復した勝利にちなみ、「プラ・チェーディー・チャイ・モンコン」(“吉祥なる勝利の仏塔”という意味)と名づけられ、現在の寺院名称はこれに由来しています。
大仏塔は中段まで登ることができるので、ぜひ登ってみましょう。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔の中段まで登ると、仏塔の内部に入ることができます。洞窟のような塔内。瞑想寺院ならではの神秘的な雰囲気が漂い、神聖な空気が張りつめています。大仏塔の内部には、8体の仏像が安置され、厳かな雰囲気が漂っています。
8体の仏像は、丸い円を描くように等間隔で安置。8体の仏像が見つめているのは、井戸のように掘られた穴。大仏塔の中心となっている場所で、ここがパワースポット。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る井戸は思った以上に深く、のぞきこんでみると、穴の下には壺のようなものが。壺の中にコインを落とすことができれば願いがかなうそう。勝利を記念して建てられたパワースポットなので、勝運などの運勢・運気を上げたいと願う人が多い。運試しにいかがでしょうか?
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔のまわりには、たくさんの座仏像の姿が見られます。アユタヤ遺跡の仏像は、戦争で頭部を切り落とされた仏像が多いのですが、「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」は、中心部から外れている場所にあるため、比較的に破壊が少なく、復元された仏像も多く並んでいます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る鮮やかな黄色の衣をまとった座仏像の姿は美しく、アユタヤ王朝の栄華が肌で感じられます。敷地内には、大きな白い涅槃仏(ねはんぶつ)の姿もあり、仏像の足の裏にコインを貼ると、願いがかなうとされるパワースポット。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔の正面から、後ろへとまわった場所に、大きな白い仏像が並んでいます。真ん中の大きな仏像がブッダ。そのまわりは弟子たち。こちらの仏像の姿も美しい。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る大仏塔だけでなく、正面に位置した礼拝堂(ウィーハン)もおすすめ。戦争で破壊されていますが、修復作業が進み、多くのタイ人たちが祈りをささげています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る礼拝堂内は、厳かで神聖な雰囲気。タイ人たちと一緒に、静かな祈りを捧げてみてはいかがでしょうか?
写真:沢木 慎太郎
地図を見るアユタヤ王朝は、1351年にウートン王によって建都。1767年にビルマ(現ミャンマー)軍の攻撃によって破壊されるまで、33代の王がアユタヤ王国の歴史を築きました。
戦争で破壊された遺跡が多いアユタヤで、比較的に破壊が少なく、往時の美しさに直接ふれることができるのが「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン遺跡」。アユタヤ観光で、おすすめの美しい寺院です。
なお、アユタヤへの行き方や、おすすめのアユタヤ遺跡、バンコクからの日帰り・半日モデルコースなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
住所:Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya
アクセス:アユタヤのバスターミナルからタクシーで約15分
拝観時間:8:00〜17:00
拝観料:20バーツ
2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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