西域料理も魅力!モスクまである北京最大のイスラム街「牛街」

西域料理も魅力!モスクまである北京最大のイスラム街「牛街」

更新日:2019/03/26 15:11

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
政府の公認数だけでも55の少数民族が暮らしているとされる多民族国家・中国には、それぞれの民族性を反映した文化が各地に根付いています。とりわけイスラム文化を生活基盤とする西域出身の回族によって作られているコミュニティは、中国=漢民族というイメージを覆すほどの規模を誇っています。そんな彼らが暮らす街が北京市にあります。「牛街」です。今回はイスラム文化が根付く北京市の「牛街」をご紹介しましょう。

ここは中国!?イスラム文化が根付く「牛街」

ここは中国!?イスラム文化が根付く「牛街」

写真:乾口 達司

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「牛街(ぎゅうがい)」は北京市にある街。イスラム文化を生活基盤とする少数民族・回族がおもに居住する地区で、北京市内では最大の規模を誇っています。

といっても、牛街は決して市の中心部から遠く離れたところに位置しているわけではありません。牛街は天安門広場などの市の中心部から南西数キロメートルのところに位置しており、地下鉄7号線「広安門内駅」からだと、徒歩10分足らずで牛街の北側の入り口までたどりつけます。アクセスも良好なので、北京観光の折に気軽に訪ねてみましょう。

ここは中国!?イスラム文化が根付く「牛街」

写真:乾口 達司

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牛街のシンボルというべき施設としては、ご覧の「牛街清真寺(ぎゅうがいせいしんじ)」をあげることが出来ます。牛街清真寺はイスラム教を信じる回族にとっての信仰の寄りどころ。北京市内において現存する最古のモスクで、その創建は遼代の996年にまでさかのぼります。

境内にはイスラム教の信者でなくても入れるので、中国風の建築様式を取り入れたモスクというものがどのようなものか、ご自身の目でお確かめください。

ここは中国!?イスラム文化が根付く「牛街」

写真:乾口 達司

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牛街をめぐると、全体的にグリーンっぽいという印象を受けるはず。こちらは牛街清真寺に隣接するビルを撮影したものですが、お店の軒先の塗装が確かにグリーンですよね。それもそのはず、グリーンはイスラム教のシンボルカラーなのです。牛街散策の参考にしてみてください。

<牛街清真寺の基本情報>
住所:北京市牛街18号
アクセス:地下鉄7号線「広安門内駅」より徒歩約15分

記念にいかが?イスラム文化を伝える生活用品

記念にいかが?イスラム文化を伝える生活用品

写真:乾口 達司

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たくさんの回族が暮らす牛街。当然、イスラムの文化に根差した生活用品を販売するお店もあります。牛街清真牛羊肉市場に隣接したこちらの雑貨店では、彼らが被るムスリム帽が重ねられています。

記念にいかが?イスラム文化を伝える生活用品

写真:乾口 達司

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イスラムの女性たちが頭や身体を覆うヒジャブをはじめ、彼らの民族衣装も販売されています。

記念にいかが?イスラム文化を伝える生活用品

写真:乾口 達司

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掛軸にもアラビア文字が記されています。珍しいものがあれば、記念に買い求めてみてはいかがでしょうか。

イスラムならではの食文化を堪能!牛羊肉市場の食料品売り場

イスラムならではの食文化を堪能!牛羊肉市場の食料品売り場

写真:乾口 達司

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イスラム教徒が豚肉を食べないことをご存知の方も多いのではないでしょうか。実際、牛街を歩いても、豚肉を販売する店舗は皆無です。その代わり、各所で目にとまるのは羊肉(ラム)を販売するお店です。店内には、ご覧のように処理された羊肉が吊り下げられているところも多く、日本ではなかなかお目にかかれない光景が広がっています。

イスラムならではの食文化を堪能!牛羊肉市場の食料品売り場

写真:乾口 達司

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食料品売り場では、こんなカラフルな串も販売されています。

イスラムならではの食文化を堪能!牛羊肉市場の食料品売り場

写真:乾口 達司

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さまざまな種類の木の実も販売されており、量り売りで買い求めることが出来ますよ。

<牛街清真牛羊肉市場の基本情報>
住所:北京市牛街
アクセス:地下鉄7号線「広安門内駅」より徒歩約15分

回族の食文化に親しもう!西域にルーツを持つ羊肉料理の数々

回族の食文化に親しもう!西域にルーツを持つ羊肉料理の数々

写真:乾口 達司

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もちろん、牛街をめぐった後は、牛街ならではの食を楽しみましょう。こちらのお店は「聚宝源牛羊肉店」。火鍋を出すお店です。火鍋を出すお店は北京市内に数え切れないほどありますが、「聚宝源」では、牛街らしく、羊肉の火鍋を楽しむことが出来ます。

<聚宝源牛羊肉店の基本情報>
住所:北京市牛街西里商並1号楼5-2号
電話番号:+086-10-83545602
アクセス:地下鉄7号線「広安門内駅」より徒歩約15分

回族の食文化に親しもう!西域にルーツを持つ羊肉料理の数々

写真:乾口 達司

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こちらは「吐魯番餐庁」の羊肉料理。「吐魯番餐庁」は、その名のとおり、新疆ウイグル自治区のトルファンにちなんだ郷土料理を出してくれるお店。

写真の料理では、香辛料で辛く炒めた羊肉や野菜類をナンのような生地のものに挟んで食べます。トルファン版ハンバーガーといったところでしょうか。

回族の食文化に親しもう!西域にルーツを持つ羊肉料理の数々

写真:乾口 達司

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こちらは羊肉のホルモンを煮た一品。歯ごたえがあってお酒も進みますよ。

<吐魯番餐庁の基本情報>
住所:北京市牛街北口6号楼
電話番号:+086-10-83164691
アクセス:地下鉄7号線「広安門内駅」より徒歩約15分

テイクアウトも充実!その他の販売店

テイクアウトも充実!その他の販売店

写真:乾口 達司

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ほかにも、「小吃」(おやつ程度の軽食)を販売するテイクアウト専門のお店も軒を連ねています。お店を覗き、気に入った小吃があれば、気軽に買い求めてみましょう。

テイクアウトも充実!その他の販売店

写真:乾口 達司

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こちらは北京でも有名なヨーグルト販売店の「奶酪魏」。創業が清代後期の1888年という老舗で、北京っ子で「奶酪魏」のヨーグルトを知らないものはいないといわれるほど。テイクアウトのほか、店内で食べることも出来るので、散策に疲れたら、ヨーグルトを食べながら一息ついてみてはいかがでしょうか。

<奶酪魏の基本情報>
住所:北京市広内大街202号107室
電話番号:+86-10-63522402
アクセス:地下鉄7号線「広安門内駅」より徒歩約10分

牛街を散策しよう!

牛街が北京市内でもいかに独特な街であるか、おわかりいただけたでしょうか。漢民族の文化だけが中国ではないということを知るためにも格好のスポットなので、牛街を散策して、さまざまな民族が共存する中国社会の広がりを実感してみてください。

2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/07 訪問

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