写真:乾口 達司
地図を見る「蘇鉄山(そてつやま)」は大阪府堺市堺区にある山。大阪湾に面した大浜公園の一角に位置しています。
えっ!公園の敷地内に山があるの!?と驚く方も多いはず。なにしろ、この蘇鉄山の標高は6.97メートルしかないのです。しかも、自然に出来た山ですらなく、1879年(明治12)、大浜公園の開園時に築山として整備された人工の山なのです。
しかし、そうであるからといって、侮ってはいけません。山頂にはちゃんと一等三角点まで設置されています。蘇鉄山は「一等三角点のある山としては日本一低い山」なのです。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、登頂も可能。何しろ標高が6.97メートルしかありませんから、どこからどのように登っても登頂に差し支えはないのですが、山の北側と南側には木製の階段が設置された登山ルートがあるため、初心者はそのどちらかのルートから山頂を目指すのが、山登りの常道というものでしょう。
写真は北側からの登山ルート。すでに山頂が見えているのが蘇鉄山ならでは。あっという間の「なんちゃって山登り」なので、一歩ずつ踏みしめるように登りましょう。それでも所要時間は数十秒といったところでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見る蘇鉄山の全体像はご覧のとおり。南側の登山ルートから撮影したものです。南側のルートの方が、北側に比べて、傾斜がやや急。それでも所要時間に大差はありません。お好きな方からお登りください。
写真:乾口 達司
地図を見る頑張って登ると、山頂に到着します。山頂はちょっとした広場になっており、ベンチも据え付けられているため、ベンチに腰をおろして登山の疲れを癒やしてください。
写真:乾口 達司
地図を見る山頂には、蘇鉄山の名前の由来になった蘇鉄(ソテツ)も自生しています。
写真:乾口 達司
地図を見るもう一つ見逃せないのが、先ほど紹介した一等三角点。蘇鉄山が「一等三角点のある山としては日本一低い山」であることを証明する貴重なものです。
写真:乾口 達司
地図を見る山頂を満喫したら、今度は下山して山麓をめぐってみましょう。
写真は「擁護璽(ようごじ)」と刻まれた石碑。江戸時代末期の1854年(嘉永7)にたびたび発生した震災を記録した石碑で、地震の際は津波が発生するため、高い場所に避難するようにといった指南まで記されています。現代にも通じる貴重な指南ですが、もちろん、現代では標高6.97メートルしかない蘇鉄山よりも高い建物はたくさんあるため、地震発生の折は蘇鉄山にこだわらず、出来るだけ高いビルに避難しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは「堺台場跡(さかいだいばあと)」の石碑。江戸時代末期に築かれた台場の一つで、大きく分けて、北台場と南台場の2箇所がありました。蘇鉄山の周辺にあったのは、南台場。明治以降、大浜公園が整備されるにともない、南台場の一部が蘇鉄山へと変貌を遂げたことを、この石碑は示しています。
写真:乾口 達司
地図を見るこの建物はラジオ塔。1933年(昭和8)に建造されたもので、なかに設置されていた放送装置からラジオが流れていました。近代の貴重な遺構というべきものです。
<蘇鉄山の基本情報>
住所:大阪府堺市堺区大浜北町(大浜公園内)
アクセス:南海本線「堺駅」より徒歩約10分
写真:乾口 達司
地図を見るせっかく蘇鉄山に登ったのですから、何か記念になるものがあればいいな、と思う方もいらっしゃるでしょう。そんな方は、蘇鉄山から徒歩約10分のところにある神明神社に参拝しましょう。実は神明神社では、蘇鉄山に登ったことを示す登山証明書をいただくことが出来るのです。
登山証明書は、鳥居をくぐってすぐ右手の社務所の窓口に置かれています。証明書は軒先に置かれているので、神職の方が不在でも、お志を奉納すれば、証明書をいただくことが出来ますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る登山証明書は、ご覧のようなもの。蘇鉄山登山の良い記念となるため、興味のある方はいただきましょう。
<神明神社の基本情報>
住所:大阪府堺市堺区栄橋町
アクセス:南海本線「堺駅」より徒歩約3分
写真:乾口 達司
地図を見る蘇鉄山登山の際、あわせてめぐりたいのが「御蔭山(おかげやま)」の跡地。御蔭山は現在の南海本線「堺駅」の南方、その高架下付近にあった山で、蘇鉄山に設置されている一等三角点はもともと御蔭山にあったものを、御蔭山の削平にともない、1939年(昭和14)に蘇鉄山へと移設したものなのです。その意味で御蔭山は「一等三角点のある山としては日本一低い山」としての蘇鉄山の生みの親ということが出来ます。
<御蔭山の基本情報>
住所:大阪府堺市堺区大浜北町
アクセス:南海本線「堺駅」より徒歩約5分
いかがでしたか?大都会・大阪の一角に「日本一低い山」があったことに驚かれた方も多いのではないでしょうか。あっという間に登ってしまえるとはいえ、逆にいえば、山登りでそんな体験は滅多に出来ません。蘇鉄山に登り、「日本一低い山」の魅力をご堪能ください。
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/9/15更新)
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