残雪の山々とコラボして咲き誇る!山梨・北杜の桜を巡る

残雪の山々とコラボして咲き誇る!山梨・北杜の桜を巡る

更新日:2019/03/25 12:45

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー
日本の名峰富士山、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳に代表される南アルプス、奥秩父の山々など、残雪が美しくも峻烈な山々に囲まれて、春の山梨は桜に彩られます。なかでも北杜市は2000m級の山々が立ち並び、白い残雪の南アルプスを彩る桜、アートスポットに咲く桜、天然記念物の桜など印象的な桜が点在。4月上旬から4月の下旬まであちらこちらで満開の姿が楽しめます。春の週末、桜の山梨・北杜市へ出かけてみませんか。

日本三大桜「山高神代桜」から始まる桜色

日本三大桜「山高神代桜」から始まる桜色

写真:和山 光一

地図を見る

山梨県北杜市武川町山高にある日蓮宗大津山実相寺。このお寺の境内南側に位置し、残雪の甲斐駒ケ岳を背に雄大に咲き誇る桜こそ新日本名木百選・日本三大桜のひとつ「山高神代桜」 です。名の由来は小高い山高地区にあるためといいます。

日本三大桜「山高神代桜」から始まる桜色

写真:和山 光一

地図を見る

二千年もの永い間咲き誇るこの神代桜は、『古事記』などで知られる日本武尊が、東方遠征の際、山高の地に逗留した記念に植えたといわれています。その後、この地を通りかかった日蓮上人がこの木の衰えを見て、蘇生を祈ったところ樹勢が回復したとも伝えられ、日蓮上人が広めた経にちなみ「妙法桜」という別名があります。

推定樹齢1800年以上とされ、樹高約10m幹周りは約11mで、日本で最古・最大級のエドヒガンザクラです。太い幹は空洞化し、根元は岩のようにこぶになり、枝は支柱に支えられていますが健在です。開花時には淡紅色ですが、満開時には白っぽく見えることからシロヒガンとも呼ばれています。

日本三大桜「山高神代桜」から始まる桜色

写真:和山 光一

地図を見る

境内には日本三大桜の子桜や約30本の桜、その周りには15万株のスイセンも咲き、残雪の南アルプスの山々を背景に色彩豊かな春の景色を見せてくれます。

<山高神代桜の基本情報>
住所:山梨県北杜市武川町山高2763
電話番号:0551-26-2740(実相寺)
アクセス:中央道須玉ICから車で約15分
駐車場:境内のすぐ南側、境内まで徒歩1分(普通車500円)

甲斐駒ケ岳をバックに続く「眞原(さねはら)桜並木」

甲斐駒ケ岳をバックに続く「眞原(さねはら)桜並木」

写真:和山 光一

地図を見る

北杜市武川町眞原地区にあるソメイヨシノの桜並木が「眞原桜並木」です。眞原の桜並木は、のどかな牧草地に道路が桜のトンネルになり、その背景に甲斐駒ケ岳が控えます。

桜並木と雪を頂いた甲斐駒ケ岳のコントラストがため息がでるほど美しく、八ヶ岳を遠望する景色も素晴らしいです。写真撮影のメッカでもあり、週末には全国から訪れる観光客で賑わいます。数年前のサントリー南アルプス天然水のミネラルウォーターのCMロケ地になったことで著名な地となりました。

甲斐駒ケ岳をバックに続く「眞原(さねはら)桜並木」

写真:和山 光一

地図を見る

この桜は昭和20年代にこの地に転住した人々が植えたもので、約200本のソメイヨシノが約750mにわたるトンネルを作っています。並木の中程に駐車場(無料)があり、桜トンネルならではの桜吹雪の中を散策するのも素敵です。

<眞原桜並木の基本情報>
住所:山梨県北杜市武川町眞原3567-212
電話番号:0551-26-3880(アグリーブルむかわ)
アクセス:中央道須玉ICから車で約20分

アートコロニー「清春芸術村」に咲き誇る桜

アートコロニー「清春芸術村」に咲き誇る桜

写真:和山 光一

地図を見る

廃校となった清春小学校の跡地に芸術の拠点を目指して創設されたのが「清春芸術村」です。武者小路実篤や梅原龍三郎ら白樺派の作家や20世紀最高の宗教画家、ジョルジュ・ルオーとの出会いがあった吉井画廊(東京)の吉井長三氏が実現したもので、「清春白樺美術館」をはじめ、レストラン、アトリエなどが点在するアート村です。石の門柱には画家・梅原龍三郎の書が。「清春芸術村」と見事な文字が目を引きます。

アートコロニー「清春芸術村」に咲き誇る桜

写真:和山 光一

地図を見る

鉄扉をくぐると桜の名所でもあり、大正14年3月、旧清春小学校の落成を記念して生徒が植樹した約30本のソメイヨシノが1万7000平方mの敷地を囲むように植えられています。樹齢80年以上の風格ある桜並木が見事です。

アートコロニー「清春芸術村」に咲き誇る桜

写真:和山 光一

地図を見る

道をはさんだ向かいにある北杜市郷土資料館(観覧料200円)の2階テラスから見下ろす景色も必見。清春芸術村のシンボルであるとんがり屋根と16角形の形がユニークな会員制貸アトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」と桜群が一望できます。

<清春芸術村の桜の基本情報>
住所:山梨県北杜市長坂町中丸2072
電話番号:0551-32-6498(北杜市郷土資料館)
アクセス:中央道長坂ICから車で約15分
駐車場:有料1000円(美術館利用は無料)

長坂IC付近の南アルプスとコラボする桜の名所

長坂IC付近の南アルプスとコラボする桜の名所

写真:和山 光一

地図を見る

長坂駅から徒歩15分のところにある「長坂牛池の桜」は町中にある小さな溜め池です。灌漑用に整備された池は道路から少し入ったところにあるので静かにゆったりと桜を楽しめます。

「長坂湖」とも呼ばれる池の周りに整備された散策路やウッドデッキを散歩してみましょう。池を取り囲むように植えられたソメイヨシノと南アルプス甲斐駒ケ岳や八ヶ岳を眺めることができますよ。

<長坂牛池の桜の基本情報>
住所:山梨県北杜市長坂町長坂上条
アクセス:中央道長坂ICから車で約10分
駐車場:長坂駅近くのコインパーキング利用

長坂IC付近の南アルプスとコラボする桜の名所

写真:和山 光一

地図を見る

「神田(しんでん)の大イトザクラ」は、エドヒガンザクラの変種で枝がだらりと垂れさがるのが特色です。樹齢400年、幹回7.5m、樹高9m、枝張り東西南北ともに20mとその名の通り山梨県内でも稀に見る大きさと樹形を誇る桜で、県の天然記念物に指定されています。

また田んぼの真ん中にあることから、周囲を遮るものは何もなく(現在は樹勢回復の為防風ネットがあります)見晴らしが良いので、残雪の南アルプスとの景観が魅力的です。

<神田の大糸桜の基本情報>
住所:山梨県北杜市小淵沢町松向2767
アクセス:中央道長坂ICから車で約15分
駐車場:臨時駐車場から徒歩5分

長坂IC付近の南アルプスとコラボする桜の名所

写真:和山 光一

地図を見る

平安時代末期に武田氏の祖、逸見黒源太清光が築いたといわれる国指定の遺跡が「谷戸城跡」です。

春、流れ山と呼ばれる小山全体に約400本のソメイヨシノや八重桜が咲き誇り、見事な景観を作ります。外苑を回る遊歩道があり、木々の間から八ヶ岳や富士山、甲斐駒ケ岳といった絶景のパノラマを眺めることができます。

<谷戸城址の桜の基本情報>
住所:山梨県北杜市大泉町谷戸2414
電話:0551-20-5505(北杜市考古資料館)
アクセス:中央道長坂ICから車で約10分
駐車場:無料駐車場あり

山里に流れる100年の時間と三代校舎の春

山里に流れる100年の時間と三代校舎の春

写真:和山 光一

地図を見る

八ヶ岳の雄大な山懐に抱かれ、南アルプスや甲斐駒ケ岳を望む須玉町津金地区にある施設が「三代校舎ふれあいの里」です。ここには明治・大正・昭和と三代にわたる校舎が立ち並んでいます。懐かしさを覚える校庭には、ソメイヨシノが約30本、満開の花びらを散らせます。

現在は新たな観光スポットとして注目されていて、写真の昭和校舎 「おいしい学校」は、昭和28年(1953)に完成した建物を外観を模して平成12年に総合観光施設に生まれ変わりました。パスタやピザのおいしい香りが漂う行列のできるイタリアン「ぼのボーノ」、手作りパン工房、宿泊棟が集まった観光施設です。

山里に流れる100年の時間と三代校舎の春

写真:和山 光一

地図を見る

大正校舎 「農業体験施設 大正館」は平成15年文科省「廃校リニューアル50選」にも選ばれたように、大正13年(1924)に建てられた木造校舎をほぼ忠実に復元した建物で、施設ではほうとう作り、そば打ち、陶工芸、田植えから野菜作りといった農業体験など、1年を通じて多彩な体験ができます。

山里に流れる100年の時間と三代校舎の春

写真:和山 光一

地図を見る

明治校舎 「津金学校」は明治8年(1875)に落成された、建設当時の県令・藤村紫朗の名から藤村式と呼ばれる山梨に現存する5つの擬洋風建築の学校のひとつです。現在は水色に塗られた窓や欄干がポップなハイカラ外観と木造が特徴の須玉歴史資料館になっています。1階のカフェ「めーじかふぇ」では自慢のコーヒーでゆっくり過ごすことができますよ。

<三代校舎ふれあいの里の基本情報>
住所:山梨県北杜市須玉町下津金3058
電話番号:0551-20-7100(おいしい学校)
アクセス:中央道須玉ICから車で約20分
駐車場:無料駐車場(校庭)

甲斐駒ケ岳と八ヶ岳山麓をドライブする桜めぐり

中央道須玉ICを降りて「山高神代桜」から北杜市の桜めぐりはスタートしますが、おすすめは北杜市の隣、韮崎ICで降りて車で15分程のところにあり、山高神代桜と同時期に咲くことからセットでみることができる「王仁塚の桜」から始めます。樹齢300年のエドヒガンの巨木で、青空と残雪の八ヶ岳を背景に田園の中にポツンと天に伸びる樹高17mの一本桜です。

続いて駒ケ岳広域農道(恵のミネラルライン)を走り山高神代桜-眞原桜並木と見、長坂駅方面へ県道606号で向かい、「清春芸術村」-「長坂牛池」県道609号で「神田の大イトザクラ」「谷戸城址」とめぐり最後に国道141号(清里ライン)を通り「三代校舎ふれあいの里}を見て須玉ICに向かうというルートはいかがですか。

残雪の山々とさまざまな桜と出会える北杜市の春にでかけてみてください。

2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/03−2018/04/08 訪問

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -