写真:野口 まさゆき
地図を見る南房総の東京湾沿いを南北に走る国道127号線。館山方面に向かって富津市内を南下し、「城山隧道」手前、左側の大きな赤い鳥居をくぐります。山に囲まれ、国道の喧騒から急に隔離されたような静かな空間。なんと野生の猿も出現するんです!
駐車スペースの目の前には高さ2メートルくらいの小さな手掘りのトンネル。「燈籠坂大師入口」という石碑が立っています。ここからは大師堂へ続く参道なんですよ。ちょっと頼りなげな第一のトンネルの上にはJR内房線が走っているのも驚きです!
さあ、ここからが秘境トンネルへの旅のスタートです。
写真:野口 まさゆき
地図を見る第一のトンネルをゆっくりと抜けてT字路を右に曲がると、参道の先に「燈籠坂切通しトンネル」が現れます。歩いて近づくにつれ、両側から高い壁がどんどんと迫ってきます。
手前部分は天空に抜けた切り通しで、見上げると緑の木々が陽射しを受けて輝いています。両側の壁は10メートルくらいの高さにそそり立ち、斜めに走る地層の縞模様が過去の地球の活動を思い起こさせます。
写真:野口 まさゆき
地図を見る切り通し部分とトンネル部分の合計で約100メートルの長さ。中を歩いて行くとヒンヤリした空気が漂ってきます。そして、陽が傾いてくるとトンネルの出口が逆光となって神秘的な雰囲気も増してきます。SNS映えするワンショットが撮れますよ!
このトンネルの歴史は、上部の山の尾根道の上り下りが急であったため、明治から大正にかけて掘られました。その後昭和初期に、さらに平坦な道にするために地元住民の作業で切り下げ工事が行われ、現在の形になったと言われています。
このように比較的簡単にトンネルを掘ることができるのは、房総半島の地質が柔らかいからなんですよ。
写真:野口 まさゆき
地図を見るトンネルを抜けたら燈籠坂大師に参りしましょう。この大師は、同じ富津市竹岡地区にあって、弘法大師が行脚中に腰を休めたという言い伝えのある「東善寺」の飛び地境内となっているんです。ここから男坂の階段か女坂の坂道を上っていくとすぐ本堂に到着します。
写真:野口 まさゆき
地図を見る本堂の建物はいたって簡素なものですが、ここの見どころは遠くに臨む東京湾の青い海!山の斜面を心地よい風が通り抜けて行きます。
この一帯は城山といって、戦国時代の1461年に真理谷信興氏によって「造海城(つくろみじょう)」という山城が築城され、約130年間存在していました。今でも遺構として空堀や石垣などが残っています。
写真:野口 まさゆき
地図を見る本堂の向かい側の湾曲した崖には、ダイナミックな縞模様の地層が表れています。この一帯は砂岩と泥岩が交互に積み重なる地層で、柔らかい泥岩の部分だけが浸食され窪んでいます。この地層が海底で堆積されたであろう数十万年前の世界にタイムスリップしてしまいそうな気分になりますよ!
切通しトンネルを満喫したら、周辺の見どころにも立ち寄ってみましょう。
国道127号沿いにある「黄金井戸」は、洞窟内の小さな池のヒカリ藻が天然記念物に指定されていて、毎年2月から5月にかけて金色に輝く珍しいスポットです。また、勝浦タンタンメンなどとともに房総三大ラーメンの一つである「竹岡式ラーメン」もおススメで、「梅乃家」や「鈴屋」でその味を体験してみましょう。
住所:千葉県富津市竹岡萩生8-2
駐車場:5台くらい
アクセス:
館山道「富津竹岡IC」から国道127号経由で約10分
JR内房線竹岡駅から徒歩20分(路線バスあり)
営業期間および時間:年中
2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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