石畳の道に茅葺の家が残る北国街道の宿場町「板取宿」を歩く

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石畳の道に茅葺の家が残る北国街道の宿場町「板取宿」を歩く

石畳の道に茅葺の家が残る北国街道の宿場町「板取宿」を歩く

更新日:2019/03/26 11:35

常盤 兼成のプロフィール写真 常盤 兼成 酷道・険道・重伝建マニア

越前福井と京都を結ぶ北国街道の宿場町「板取宿」は、北国街道の入り口として重要な宿場町で、江戸時代には旅籠や茶屋などが連なり、大いににぎわいを見せた場所。石畳の敷き詰められた道の両側には、茅葺屋根の民家が残り、今でも実際に住まわれている家もあります。有名な宿場町ではないため、訪れる人はあまり多くありませんが、その分、江戸時代の旅人の気分がじっくり味わえます。

関所も設けられた北国街道「板取宿」の入り口

関所も設けられた北国街道「板取宿」の入り口

写真:常盤 兼成

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滋賀県長浜市と福井県南越前町との県境にある栃ノ木峠は、柴田勝家が物資の輸送のために開削させた難所。峠の近くには、県の天然記念物にも指定されている樹齢500年のトチノキが今も健在。

この栃ノ木峠を越えると、当時栄えていた北国街道の宿場町「板取宿」に到着です。

関所も設けられた北国街道「板取宿」の入り口

写真:常盤 兼成

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アスファルト舗装の道が石畳の道に変わると、そこからが「板取宿」です。石畳の北国街道の下には、現在の国道が整備されており、「板取宿」の南で、木之本方面と敦賀方面に分岐していきます。

関所も設けられた北国街道「板取宿」の入り口

写真:常盤 兼成

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「板取宿」の入り口からすぐのところに関所跡があります。ここ「板取宿」は、福井藩への玄関口として厳重に管理されていました。弓矢や刀、火縄銃などで武装し、入鉄砲、出女を厳しく取り締まりました。

石畳の道と茅葺の屋根 当時の雰囲気が残ります

石畳の道と茅葺の屋根 当時の雰囲気が残ります

写真:常盤 兼成

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関所跡から進むと、いよいよ宿場町の風景が色濃くなります。茅葺屋根の民家が軒を連ねますが、豪雪地域なのでどの家屋も雪の対策がしっかりされています。

石畳の道と茅葺の屋根 当時の雰囲気が残ります

写真:常盤 兼成

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茅葺屋根の民家を真横から見ると、屋根が非対称になっています。向かって左側が玄関側なのですが、入母屋造りの正面軒を切り上げたような形になっています。

木の板で家屋が覆い隠されていますが、雪の多い年にはこの板が隠れるほど雪に埋もれます。

かぶとのような形をした「甲造り」の茅葺民家

かぶとのような形をした「甲造り」の茅葺民家

写真:常盤 兼成

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正面から見ると屋根の形が左右対称になっていることがわかります。正面軒を切り上げた形になっており、その下には庇が見えます。庇の下の横張りの板は雪対策です。

滋賀県から福井県にかけての内陸地は、大変な豪雪地帯で、南越前町の今庄地区では平成23年に244センチの積雪を記録しました。

かぶとのような形をした「甲造り」の茅葺民家

写真:常盤 兼成

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宿場町全体が坂になっているので、雨水や雪解け水は、石畳の道の脇に作られた水路を伝って下へ勢いよく流れていきます。水路は各民家の敷地にも、一部が流れ込むように作られています。

かぶとのような形をした「甲造り」の茅葺民家

写真:常盤 兼成

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今はひっそりと民家が残されているだけですが、江戸時代末期には7軒の旅籠があり、大変にぎわったといいます。また、茶屋も3軒あり、栃ノ木峠にさしかかる手前で、多くの旅人がひとときの休息をしたことでしょう。

「ふくいの伝統的民家」に認定されている家屋

「ふくいの伝統的民家」に認定されている家屋

写真:常盤 兼成

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街道は電柱の地中化工事がされているので電柱はありません。建物の裏にプロパンガスのボンベが見えると、現代の生活感が伝わりますが、現在も実際にお住まいになっている方がわずかにいらっしゃいます。

福井県では伝統的民家に誇りを持って住み続けていただき、後の世代に継承してもらえるように伝統的民家認定制度を取り入れています。「板取宿」の茅葺民家は、その「ふくいの伝統的民家」に認定されています。

「ふくいの伝統的民家」に認定されている家屋

写真:常盤 兼成

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いっぽうで空き家も多く、住まなくなって何年も経つような建物も見られます。聞くところによると、昭和56年に福井県を襲った豪雪で、廃村状態になったと言われています。

なかには朽ち果てて倒壊寸前の建物もあり、行政からの立ち入り禁止看板が掲げられた民家を目にすると、寂寥感や時代の流れを感じます。

夕刻に風情が増す静寂なひととき

夕刻に風情が増す静寂なひととき

写真:常盤 兼成

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どっしりとした重厚な茅葺民家は、近くで見るとなかなかの迫力があります。雪の重みに長年耐え続けてきた建物が、このままの形で保存され続けることを願うのみです。

夕刻に風情が増す静寂なひととき

写真:常盤 兼成

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「ふくいの伝統的民家」に指定されているものの、その維持と管理は大変難しいのです。すでに無人となっている家屋や管理者がいない建物などを、どう保存していくかなど問題は山積です。

「板取宿」のある南越前町では、平成30年より空家対策計画を立て、地域の資源としての活用方法などを模索しています。

夕刻に風情が増す静寂なひととき

写真:常盤 兼成

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こちらの門から出て北上していくと、北国街道の「今庄宿」方面に進みます。

福井藩は参勤交代の際には、早朝に福井を出発し「今庄宿」にて宿泊し、翌日にこの「板取宿」の関所を通り、栃ノ木峠を越え近江の「木之本宿」に向かいました。

「板取宿」の風景は江戸時代の様子を思い出させるいっぽう、消えつつある集落として時代の波にのみこまれそうになっています。日が傾く夕刻に訪れると、いっそうさびしげな風景に静寂感が増していきます。

北国街道・板取宿の基本情報

住所:福井県南越前町板取
電話番号:0778-45-0074 (南越前町今庄観光協会)
アクセス:北陸自動車道今庄ICより車で20分

2019年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/03/02 訪問

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