「小田原文化財団 江之浦測候所」で自分とアートに向き合う旅

| 神奈川県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

「小田原文化財団 江之浦測候所」で自分とアートに向き合う旅

「小田原文化財団 江之浦測候所」で自分とアートに向き合う旅

更新日:2019/04/02 19:05

浦 カオリのプロフィール写真 浦 カオリ 旅する陶芸作家

現代美術作家・杉本博司が設立した「小田原文化財団 江之浦測候所」。2017年秋に「人類とアートの起源に立ち返る」をコンセプトとしてオープンし、国内外のアートファンが訪れる小田原の新名所だ。測候所内はギャラリー棟、光学硝子舞台、茶室、庭園などから構成されており、日本伝統の建築史を通観できるようになっている。敷地内からは相模湾を一望でき、自然と建築が見事に融合した唯一無二のアートスポットだ。

JR根府川駅よりアートな旅が始まる

JR根府川駅よりアートな旅が始まる

写真:浦 カオリ

地図を見る

小田原文化財団の江之浦測候所は、何かを観察している機関ではない。「国内外への文化芸術の発信地を目指す場所」として、海外でも活躍する現代美術作家・杉本博司により構想された文化施設だ。ギャラリー棟、光学硝子舞台、茶室、庭園などの建築と、小田原の自然が一体となった唯一無二のアート空間と言える。

小田原駅より2駅目の根府川駅が江之浦測候所の最寄り駅だ。JR東海道線内で最も利用客数が少ないと言われる無人駅で、目の前に広がる相模湾とブルーの駅舎が観光客の目を引く。
駅の改札を出たロータリーより、無料の送迎バスに乗車して約10分ほどで江之浦測候所に到着する。なお施設には駐車場もあるので、マイカーで行くことも可能だ。

JR根府川駅よりアートな旅が始まる

写真:浦 カオリ

地図を見る

バスで入り口に到着したらまずは待合棟へ向かおう。
完全予約制のため、事前予約をしていないと入場は不可。事前に発券したチケットを用意して受付を済ませ、待合棟でガイダンスを受ける。敷地内は広く鑑賞時の注意事項の説明もあるのでしっかり聞こう。

待合棟のインテリアも侮れない。中央に置かれたテーブルは樹齢1000年を超える屋久杉が使用されており、ガラスで覆われた室内からは自然豊かな小田原エリアを見渡すことができる。

ガイダンスを受けたらあとは自由。好きな場所から見学をスタートしよう。

JR根府川駅よりアートな旅が始まる

写真:浦 カオリ

地図を見る

駐車場から続く坂を上がってすぐの場所にある明月門。実はこの門、室町時代に建てられた歴史ある門なのだ。以前は根津美術館の正門として使用されていたが美術館の建て替えのため、小田原文化財団に寄贈された。

測候所内には明月門のように、近世から古墳時代までの考古遺物や古材が多く使われている。新しい施設にも関わらず、歴史を感じられる空間だ。

夏至の太陽光を拝むギャラリーと冬至の陽光を通すトンネル

夏至の太陽光を拝むギャラリーと冬至の陽光を通すトンネル

写真:浦 カオリ

地図を見る

待合棟の目の前にあるギャラリーは測候所内でも人気の場所だ。
海抜100mの場所にあり、長さも100mというギャラリー内部には杉本博司が撮影した作品が展示されている。
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」と名付けられたこのギャラリーは、夏至の朝、海から昇る太陽光が空間内を数分間に渡って駆け抜けるように設計されている。

夏至の太陽光を拝むギャラリーと冬至の陽光を通すトンネル

写真:浦 カオリ

地図を見る

ギャラリー先端部には、相模湾や敷地内の光学硝子舞台などを見渡せる展望台がある。春には菜の花が咲き乱れ、海の青と菜の花の黄色のコントラストがとても美しい。

このギャラリーは待合棟の目の前とあって、見学者が最初に殺到する場所。敷地内を一通り見学した後に行くと、人も少なく静かに見学できる。

夏至の太陽光を拝むギャラリーと冬至の陽光を通すトンネル

写真:浦 カオリ

地図を見る

夏至の太陽光を拝むギャラリーの下には、冬至の太陽光を拝むトンネル「冬至光遥拝隧道」がある。冬至の朝、相模湾から昇る陽光が長さ70mの隧道を貫くように設計されている。
「天空の動きを観察することで自身の場所を確認する作業こそがアートの起源」という杉本氏の考えが表れている場所だ。

夏至の日と冬至の日には、ギャラリーやトンネルを貫く太陽光を拝むイベントが行われる。ホームページ上に詳細がアップされるので、気になる方はチェックしよう。

光学硝子舞台は絶景ビューポイント

光学硝子舞台は絶景ビューポイント

写真:浦 カオリ

地図を見る

江之浦測候所でハイライトとも言える「光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席」。
相模湾の海と硝子の舞台が一体となっているように見え、フォトジェニックな場所でもある。

見晴らしもよく、右手に伊豆大島、左には房総半島が見える。冬の空気が澄んだ日には横浜のランドマークタワーも見える絶景ポイントだ。

光学硝子舞台は絶景ビューポイント

写真:浦 カオリ

地図を見る

どこかで見たことがあるような、硝子舞台の土台。
実はこの土台は「縣造り(かけづくり)」といい、京都の清水寺の舞台と同じ工法が採用されている。釘が1本も使われていない、日本伝統の建築方法だ。

光学硝子舞台は絶景ビューポイント

写真:浦 カオリ

地図を見る

舞台の手前は観客席となっている。席にはちゃんと番号も振られている。目の前に広がる大海を、みかん畑の上空を飛び交う鳥を、ぼーっと眺めるのにオススメ。携帯画面を見ることをやめて、この目の前にある景色を楽しみたい。

敷地内にカフェはなく周辺に飲食店も少ないので、ここでサンドイッチを持ってランチというのもおすすめ。食べ物を持ち込んでこの観客席でご飯を食べて帰るだけ、というリピーターのお客さんも多い。

2018年秋にオープンした竹林エリア

2018年秋にオープンした竹林エリア

写真:浦 カオリ

地図を見る

敷地内には大きく分けて2つのエリアがある。待合棟やギャラリーのある明月門エリアと2018年秋にオープンしたばかりの竹林エリアだ。

竹林とみかん畑に囲まれた緑豊かなエリアには、みかん畑の道具小屋を整備して作られた化石窟がある。アンモナイトや海サソリといった珍しい化石が見られるだけでなく、季節限定で無農薬のみかんも購入できる。

2018年秋にオープンした竹林エリア

写真:浦 カオリ

地図を見る

静かな竹林の中には、数理模型と題したオブジェや殺生を禁ずるとする江戸時代の結界石などが展示されている。
写真にある宝塔は、広島原爆投下時に爆心地近くにあった石造宝塔の塔身部分。屋根の部分は熱線と放射線によって瞬時に破砕されたらしく、原爆の威力を今に伝えている。

2018年秋にオープンした竹林エリア

写真:浦 カオリ

地図を見る

竹林エリアには柑橘畑をぐるりと囲うようにみかん道がある。景色を楽しみながら、ゆるゆる散歩をしてほしい。下から見上げるギャラリーと光学硝子舞台も絵になる光景だ。

なお竹林エリアは道があまり舗装されていないので、足元に注意。

江之浦測候所は完全予約制!

江之浦測候所は完全予約制!

写真:浦 カオリ

地図を見る

茶室の前には山形県にある石鳥居の形式に準じて組み立てられた石造鳥居がある。踏込石は古墳石棺蓋石が使われている。
この鳥居だけでなく、あらゆるところに石が配置されている江之浦測候所。どの石も近世から古墳時代までと歴史を刻んだものばかりで、鑑賞ポイントの一つだ。

江之浦測候所は完全予約制!

写真:浦 カオリ

地図を見る

どこを切り取っても絵になる「小田原文化財団 江之浦測候所」。
ここに紹介しきれないほど見所がたくさん。滞在時間の目安は竹林エリアで1時間、明月門エリアでも1時間は見ておきたい。なお時間入れ替え制のため、見学時間は最長2〜3時間だ(時期により異なる)。

江之浦測候所は日時指定の予約・入れ替え制で、1日の入場者数に制限がある。普通の美術館などと異なり、急に訪れても入場できないのでHPより事前に予約をしよう。
空きがあれば当日の電話予約も可能。

また夏至や冬至の日のイベント以外にも、敷地内の野外舞台で能の公演など様々な公演プログラムも開催され、何度も通いたくなるアートスポットだ。
アートファンでなくても一度訪れてみては?

小田原文化財団 江之浦測候所の基本情報

住所:神奈川県小田原市江之浦362-1
電話番号:0465-42-9170(代表)
アクセス:JR根府川駅より無料送迎バスで約10分
定休日:火曜日・水曜日、年末年始および臨時休館日
※完全予約制

2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/03/24 訪問

- PR -

条件を指定して検索

LINEトラベルjpで一緒に働きませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ

- PR -