和歌山県の那智勝浦から南へ約9キロ。「いさなの宿 白鯨」は、紀伊半島のほぼ南端に位置する太地町の温泉ホテルです。以前は「国民宿舎白鯨」でしたが、2015年4月から現在の形態になりました。ちょっとした丘の上に建ち、白い外観が南紀の空に映えます。
写真:麻生 のりこ
地図を見る太地町は国内での古式捕鯨発祥の地。熊野水軍の戦闘技術を応用し、江戸時代初期に銛を使った大掛かりな組織捕鯨を確立させました。
ホテルの名前についている「いさな」とは鯨の古称「勇魚」のこと。フロントの鍵入れや1Fレストランの壁など、館内のいたるところで鯨をモチーフとした飾りが見られます。
写真:麻生 のりこ
地図を見る客室は、和室+ベッドを備えた洋室+広縁からなる特別室のほか、和室と洋室があります。
こちらは広縁つき10畳の和室。掃除が行き届き落ち着いた雰囲気です。冷蔵庫の中には何も入っていないので、宿泊中に飲みたいドリンクは各自ご用意を(1Fロビーラウンジにドリンクの自動販売機あり)。
写真:麻生 のりこ
地図を見る広縁のカーテンを開けると、窓の外に広がるのは熊野灘!「いさなの宿 白鯨」は全室オーシャンビューなので、早起きして朝日が昇る様子をぜひ!
なお、客室内の蒲団敷きはセルフサービスです。自分の好きなタイミングで蒲団を敷くことができますよ。
アメニティは、浴衣・バスタオル・フェイスタオル・歯ブラシ・ヘアブラシ・ドライヤーなど主なものは客室に揃っていますが、綿棒やコットン・ボディスポンジ・カミソリなどはフロントでアメニティバイキングとして配布しています。
太地温泉の泉質はナトリウム・マグネシウム-塩化物泉で、リウマチや神経痛、疲労回復などに効能があります。大浴場はそれほど広くありませんが、のんびりと浸かるには十分な広さです。
大浴場の窓から見えるのは熊野灘。日中は紺碧の海を、夜には漁火を見ることも。一日の疲れを癒してリラックスできますね。
写真:麻生 のりこ
地図を見る夕食では鯨肉料理を。「いさなの宿 白鯨」の夕食基本メニューは「標準懐石」ですが、別途メニューとしてくじらの各部位を様々な調理法で提供する「くじらフルコース」をご用意。
太地町ではIWC(国際捕鯨委員会)の管轄外となるゴンドウクジラを、政府が取り決めた範囲内で捕獲しています。また、それとは別に調査捕鯨による鯨肉を入荷するため、町内の施設で鯨肉料理が味わえるんです。
「くじらの料理を食べてみたいけど、フルコースだと食べ切れるか心配」という方には、こちらの「くじらミニコース」がお勧め。
ミニコースとはいえ、前菜(南蛮漬け・胡麻和え)・酢の物(鯨ベーコン・てっぱ)・お造り(赤身と皮の刺身)・揚げ物(竜田揚げ)に小鍋(ハリハリ鍋)まで、すべてくじら料理! 部位と調理法が違うことから、見て食べて満足できる内容です。
写真:麻生 のりこ
地図を見る気になる味は、大海原を泳いでいることから魚っぽさを想像しがちですが、そこは哺乳類。馬肉や鹿肉に近い味わいで、特に赤身は「上等な牛肉のよう」と称されます。
「くじらフルコース」ではもちろん、「くじらミニコース」でもその赤身と皮の刺身を食べることが。馬肉のように感じるか牛肉のように感じるかは人それぞれ。国内ではなかなか食べることができない鯨肉料理をご賞味あれ!
鯨肉料理の王道・くじらの竜田揚げは、ビールのお供に大人気です。
写真:麻生 のりこ
地図を見る朝食は和食膳でカラフルな小鉢や魚の干物が並びます。きちんと食べて、その日の元気を蓄えましょう。
同館のレストランはランチタイムの利用もできるので、チェックイン後に太地やその周辺観光をし、昼食でふたたび鯨肉料理を食べるのはいかがでしょうか。
太地町に来たら一度は食べてみたい鯨肉料理。給食で食べて以来の方も、まだ食べたことがない方も「いさなの宿 白鯨」で舌鼓を打ってみませんか?
くじら浜海水浴場へは同館から徒歩約4分、くじらの博物館までは徒歩約10分。くじらがデザインされている太地町のマンホールの蓋もチェックしてみては。温泉は日帰り入浴もできるので、周辺施設で遊び帰宅前に汗を流すことも可能です。
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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