門司港栄華の象徴 九州最大級の木造建築 北九州市「三宜楼」

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門司港栄華の象徴 九州最大級の木造建築 北九州市「三宜楼」

門司港栄華の象徴 九州最大級の木造建築 北九州市「三宜楼」

更新日:2019/04/10 15:23

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門

「海賊と呼ばれた男」出光佐三も贔屓にしていたという料亭「三宜楼(さんきろう)」は、現存する三階建ての木造建物としては九州最大級のもので、保存工事を終えて一般公開されています。各部屋にそれぞれ違った意匠を凝らした下地窓や欄間があり、芸妓が芸を競った大広間、高浜虚子らが俳句を詠んだ俳句の間などを持つ門司港栄華の象徴「三宜楼」を紹介します。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

提供元:北九州市産業経済局 観光にぎわい部 門司港レトロ課

JR門司港駅から徒歩5分ほどの高台に、2019年3月10日に6年を超える改修工事を終えた三宜楼(さんきろう)は建っています。昭和6年(1931年)に建てられ、現存する木造三階建ての建物としては九州最大級のもので、その風格はまさに空中に浮かぶ楼閣のようです。

建物は老朽化が進み取り壊される運命でしたが、「三宜楼を保存する会」の尽力によりそれを免れました。その後、北九州市に寄贈され保存工事が行なわれたあと、一般公開されるようになりました。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

写真:肥後 球磨門

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延べ床面積1000平方メートル以上、部屋数も20室以上ある木造3階建ての大きな建物を支えているのが、5メートルほどの高さがある石垣です。この石垣だけからでもその風格が伝わってきます。

九州最大級の木造三階建て建屋「三宜楼」

写真:肥後 球磨門

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階段を上った先にあるのが門。この門をくぐり、海賊と呼ばれた男で出光興産創業者の出光佐三や俳人の高浜虚子など、数々の著名人がこの三宜楼でさまざまな時間を過ごしたのです。

三宜楼の繁栄を物語る展示室

三宜楼の繁栄を物語る展示室

写真:肥後 球磨門

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玄関左側にある部屋が展示室です。当時の写真と共に照明器具や家具、各所に施された意匠の説明などがあるので、まずはここで三宜楼について学びましょう。展示されている資料から当時の文化を知ることができ、さらには門司港の繁栄ぶりを窺い知ることができます。

三宜楼の繁栄を物語る展示室

写真:肥後 球磨門

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写真は昭和初期ごろの革張りの「銀行手帳」です。年末になると銀行員が付け届けに持参したものです。これらの展示品からも当時の繁栄振りがうかがえます。

三宜楼の繁栄を物語る展示室

写真:肥後 球磨門

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三宜楼の骨組み模型です。使われた木材の量からも建物の大きさが伝わってくるのではないでしょうか。

ボランティアガイドの方が展示室にいる場合は気軽に声を掛けましょう。色々と詳しい説明を聴け、また館内を案内してくれるので、最初にここに立ち寄ることをおススメします。

部屋ごとに趣ある意匠に注目

部屋ごとに趣ある意匠に注目

写真:肥後 球磨門

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各部屋にそれぞれ違った下地窓や欄間の意匠を見つけるのも、三宜楼見学の楽しみの一つです。その数は何と40種。展示室には使われている意匠が掲示されているので、館内を見学しながら同じものを見つけていくのも見学の面白さの一つです。

部屋ごとに趣ある意匠に注目

写真:肥後 球磨門

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玄関を入ってすぐ左側にある下地窓には小さな穴があいています。訪れる著名人が鉢合わせにならないように来客をチェックしていた窓で、高級料亭ならではの気遣いです。

二階に上がる階段の意匠にも注目。下から順に、左に松、右に雲、左上に山、そして階段を上り切ると正面に月の下地窓があります。地上から月を目指して一段一段上っていくという、風流人にとっては心憎い演出になっています。

部屋ごとに趣ある意匠に注目

写真:肥後 球磨門

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どの部屋の意匠も惹かれますが、特に目を引くのが三階の俳句の部屋前室にあるものです。どの意匠よりも存在感があり、ある航空会社の機内誌の表紙を飾ったことがあるというのもうなずける造形美です。

芸妓さんが芸を競った百畳間

芸妓さんが芸を競った百畳間

写真:肥後 球磨門

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二階に「百畳間」と呼ばれる大広間があります。ここでは毎日のように宴会が催されていました。出光佐三は、芸妓たちのために「風師会」という組織を主催し、芸妓たちは月に1度、この大広間で三味線や踊りを競って芸を磨いたと伝わっています。

芸妓さんが芸を競った百畳間

写真:肥後 球磨門

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16畳もの広さがある能舞台に豪華な裾引きが展示されています。これは三宜楼で見習い時期を過ごし、この百畳間でお披露目をした後、門司港の売れっ子芸者となった「小りん」さんの衣装です。

芸妓さんが芸を競った百畳間

写真:肥後 球磨門

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百畳間(実際は能舞台16畳、広間64畳)ですが、この上に三階の部屋があるにもかかわらず柱が一本もないのは驚きです。当時の建築技術の高さを垣間見る空間となっています。

ここで宴会を開くことは当時の成功者だけが許された贅沢だったのかもしれませんが、現在は予約をすれば一般の方も利用することができます。仲間と集まってここで宴会をして、当時の著名人が過ごした時間に思いを馳せるのも旅行の醍醐味ではないでしょうか。

見晴らしがいい「俳句の間」

見晴らしがいい「俳句の間」

写真:肥後 球磨門

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三宜楼はまだ修復中で三階の部屋が全て見学できませんが、唯一入室できるのが「俳句の間」です。床の間に2幅の掛け軸が下げられています。左側は俳人・高浜虚子の句で「風師山 梅ありといふ 登らばや」と書かれています。右側は高浜虚子の弟子である杉田久女が詠んだ句で「谺して 山ほととぎす ほしいまま」と書かれています。

見晴らしがいい「俳句の間」

写真:肥後 球磨門

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部屋からは赤レンガの「九州鉄道記念館」や門司港レトロの玄関口「JR門司港駅」が見えます。まだ大きな建物がたっていなかった時代は、ここから関門海峡を行きかう船がよく見えたのではないでしょうか。ここから風景を眺め当時の門司港の繁栄に思いを馳せてはいかがでしょうか。

当時の成功者だけが利用できた三宜楼。現在、下関の老舗ふぐ料理店「春帆楼」がプロデュースした三宜楼茶寮が営業されています。出光佐三など当時の著名人達が宴を開いた同じ空間で、美味しい料理に舌鼓を打ってはいかがでしょうか。なお、三宜楼茶寮は2名からの予約となっています。
また玄関に募金箱があります。入場無料で運営されているので今後のより良い運営のためにも、できれば気持ちを募金箱へお願いします。

三宜楼(さんきろう)の基本情報

住所:福岡県北九州市門司区清滝3-6-8
電話番号:
093-321-2653(館内見学・百畳間利用受付)
093-321-2651(三宜楼茶寮)
アクセス:JR門司港駅から徒歩約8分(駐車場はありません。近隣のコインパーキングなどを利用)
開館時間:10:00〜17:00(三宜楼茶寮の営業日時は異なります)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日、12/28-1/4)

2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/03/21−2019/03/22 訪問

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