ユネスコ世界無形文化遺産にも登録された「米川の水かぶり」は宮城県登米市東和町米川(旧狼河原)の五日町地区に伝わる火伏行事で、毎年2月の初午に行われています。
行事は街道沿い、及び“水かぶりの宿(菅原家)”と“大慈寺”を中心に行われます。
早朝に街中を訪れると、家々の前には行事で使われる水を満たした桶をたくさん見ることができます。
※写真は水を満たした桶
「米川の水かぶり」の衣装は行事当日の朝8:00より“水かぶりの宿”で製作されます。
前日まで被り物に用意しておいた藁で、行事に参加する者全員分を一気に作り上げます。藁で編む物は腰や上半身に身につけるしめ縄を3本、“アタマ”と呼ばれる角のような被り物、そして“ワッカ”と呼ばれる丸いモノです。
藁をあっという間に編み上げる技術は見事としかいいようがありません。
集落内の参加者が一編み一編みに火伏の願いを込めて、楽しそうに衣装を編み上げます。
目の前で編み上がる水かぶりの衣装に圧倒されることでしょう。
当日、大慈寺ではたくさんの出店が登場します。ご当地グルメはもちろんのこと、水かぶりの衣装試着や、水かぶりグッズの販売など…。
出走までの時間を楽しみましょう!
出店では火伏祈願の為の“水かぶり人形”や“水かぶりストラップ”等が購入できます。訪れたらぜひ購入したい逸品ですね。
水かぶりが出走する前に9:30頃から大慈寺の境内では、津山創作太鼓・佐沼鹿踊・横山火伏獅子舞等の披露もあります。
ここ一カ所で、登米市の伝統芸能を満喫することができます。
※写真は佐沼鹿踊
10:00頃から“水かぶりの宿”で出走前の準備が始まります。
参加者は編み上げられた藁の衣装を褌一丁の体に巻き付けていきます。
人間がどんどん神の姿になっていきますのでよく見ておきましょう。
体に藁の衣装を身にまとうと、最後にお椀の中に入った竈のススを顔に塗りたくります。そして、完全に神の姿となり出走を待ちます。
出走前の少し前から、鐘を鳴らす黒染僧衣のひょっとこと、天秤を担いだおかめに遭遇することができます。
これは、水かぶりの一団とは別に家々を回りながらご祝儀を集めているとのことです。祭り内で遭遇したらかなりレアですので写真を撮るのを忘れずに。
10:30になるといよいよ出走です。「水かぶりの宿」を出た一団は大慈寺に入場してきます。
一団は参道を経て階段を上がり、大慈寺境内にある秋葉大権現に火防祈願をします。
火防祈願を終えた一団は一度階段に整列し、出走します。
いよいよ「登米の水かぶり」の始まりです。
水かぶりは出走後、藤原秀衡が嘉応2年(1170)に建立したという諏訪森大慈寺跡へ祈願した後、街道沿いに設置されている水で満たされた桶に火防の思いを込めて家へぶちまけていきます。
水は本当に冷たいのである程度は覚悟して楽しんでください。
男達は甲高い奇声を発しながら街道を練り歩き、本隊・西隊・東隊・南隊・支隊に分かれます。
参道にいる見学者は一団の藁を引っこ抜いて火防のお守りとするため、時間を経るごとに一団は藁をまとった姿からどんどん褌一丁の男衆の集団へと変貌していきます。
引き抜いた藁は祭りの後に家の屋根に乗せておくと一年火災にならないという事で、行事の終了後は屋根の上に藁を投げる人の姿も見えます。
もし運良く藁を取ることができたら家に帰ってから屋根の上にのせてみましょう
いかがでしたか?
ユネスコ無形文化遺産の「米川の水かぶり」。
2月に宮城県登米市を訪れたら、地域のダイナミックな奇祭を楽しむことができます。
そして見学すると感じる地元の方々の祭りに対する熱い思い。こんな祭りが世界遺産になるんだなとあらためて感じることができる良いお祭りです。
あなたも一度「米川のみずかぶり」を見に宮城県登米市へ訪れてみませんか?
2019年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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