写真:もんT
地図を見る肥薩(ひさつ)線は、熊本県八代(やつしろ)市から人吉(ひとよし)市を経て、鹿児島県霧島市までを結ぶ、全長124.2kmの路線。このうち、途中の人吉駅までの51.8kmの区間は、観光シーズンの週末を中心に、SL列車「SL人吉」が運行されています。牽引する蒸気機関車は、1922年(大正11年)製造の8620形。“ハチロク”の愛称で知られるこのタイプの機関車は、国産技術で初めて大量製造された機関車です。現在、各地でSL列車が運行されていますが、現在でも旅客営業をしているSLとしては最古…。ぜひ、SL人吉号で肥薩線を旅してみましょう。
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地図を見るSL人吉号は、鹿児島本線の熊本駅が始発駅。九州新幹線の熊本駅、あるいは新八代駅にて、この列車に乗り継ぐことができます。熊本駅からだと、終点の人吉駅までは、およそ2時間半の旅になります。客車はレトロな3両編成で、座席は全席指定。快速列車という扱いなので、乗車区間の乗車券+SL指定席料金¥820で乗れます。列車の最前部と最後部は展望ラウンジとなっていて、最前部は迫力ある機関車の雄姿を、最後部は沿線風景を、180度のパノラマで楽しめます。(ただし、SLの調子が悪い時は、最後部にサポート役のディーゼル機関車が連結されます。)真ん中の2号車には売店があって、お弁当や飲み物、それに、お土産や限定グッズもあり。快適な旅が楽しめます。
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地図を見る列車は八代駅を出ると、球磨川に沿って山間部に入っていきます。途中の鎌瀬駅までは進行方向右側、その先は進行方向左側で、球磨川の車窓を楽しめます。
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地図を見る肥薩線は100年以上の歴史を有するだけあり、路線そのものが文化遺産の宝庫。鉄橋や駅舎など、開業当時のままのものも数多く残っています。写真は、鎌瀬駅近くにかかる「球磨川第一橋梁」を渡るSL人吉号。重厚な鉄橋は、国の近代化産業遺産に指定されています。ここは、鎌瀬駅のすぐそばで、帰りの熊本行きSL人吉号のおススメ撮影スポットでもあります。
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地図を見る途中停車する駅にも注目です。明治末から大正時代の雰囲気を醸した歴史ある木造の駅舎が、今も残ります。白石(しろいし)駅や、一勝地(いっしょうち)駅では、数分の停車時間もあり、ホームに降り立ち、記念写真を撮る時間があります。
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地図を見る球磨川の流れが離れ、盆地に入ると、間もなく終点の人吉駅です。列車は12時過ぎに到着した後、折り返し運転の準備に入りますが、その様子も必見です。そして、この駅構内にも貴重な産業遺産が…。SLの入れ替え作業の動きにあわせて、こちらも要チェック!
まず注目したいのが、人吉駅到着の際に左手にちらっと見えた石造りの重厚な建物。1911年(明治44年)建築の「人吉機関車庫」です。石造りの車庫として現役なのは、今やここだけ!近代化産業遺産です。駅からは5分ほど歩けば、すぐ近くにて観察できます。12時半頃、SL人吉は駅ホームから引き上げて、この機関庫に入ります。そして13時前に、機関車だけが機関庫の前に出てきます。
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地図を見る続いて、機関庫の隣、やや奥まったところにある転車台。これで蒸気機関車は運転台の向きを変えます。SL運転日には、転車台近くまで行くことができ、じっくりと観察できます。機関車は13:40頃に機関庫の前から移動を始め、13:45頃に転車台に乗ります。半回転で向きが変わるのですが、1回転半まわります。ちょっとしたショータイム、ぜひお見逃しなく!
向きを変えた後は、再び機関庫に戻り、客車を連結。駅ホームには14:20頃に入線します。帰りのSL人吉号は、14:38発車です。乗車予定の方はお乗り遅れのないように!撮影や市内観光をたっぷりと楽しんで、帰りは観光特急「かわせみ やませみ」で帰るのも良いでしょう。歴史ある肥薩線の旅を、いろいろなかたちで楽しんでくださいね。
運転区間:熊本〜人吉(87.5km)
運転日:3月下旬〜11月の週末。春・夏休み期間中は平日運転もあり。
運転時刻(主要駅のみ):
行き…熊本9:45→新八代10:25→八代10:36→人吉12:09着
帰り…人吉14:38→八代16:25→新八代16:30→熊本17:14着
運賃+指定席料金(片道):
熊本→人吉は乗車券¥1820+SL指定席券¥820=¥2640(小人¥1320)
青春18きっぷでも、SL指定席券購入で乗車可能。
指定席券の入手方法:
乗車日1か月前の10時から、全国のJRみどりの窓口にて発売。
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/17更新)
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