富士山信仰と巨樹の聖地へ参拝〜河口浅間神社と七本杉

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富士山信仰と巨樹の聖地へ参拝〜河口浅間神社と七本杉

富士山信仰と巨樹の聖地へ参拝〜河口浅間神社と七本杉

更新日:2019/04/19 15:50

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山者

富士山の北麓にある山梨県の富士河口湖町。富士五湖に代表する富士山の景勝地が豊富な地域です。河口湖の湖畔には、富士山を中心とした世界遺産にも含まれる、格式高い古社があります。それが河口浅間神社。富士山の噴火に纏わる創建の歴史。荘厳な社叢の巨樹、杉並木と御神木の七本杉。眺望の富士山の遥拝所。神秘的な霊場の母の白滝。富士山信仰と巨樹の聖地、河口浅間神社の参拝をご案内します。

河口浅間神社は巨樹に包まれた富士山信仰の聖地

河口浅間神社は巨樹に包まれた富士山信仰の聖地

写真:大木 幹郎

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河口湖の東湖畔に鎮座する河口浅間神社は平安時代の創建。境内地から見える富士山の神様、浅間大神を奉斎する古社です。往時は大勢の修験者や富士講の巡礼者が集まり、宿坊の数は120軒を超えたという富士山信仰の拠点。現在は世界遺産「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」の構成遺産でもあります。

富士山信仰の聖地として守られてきた広い境内には、素晴らしい威容の巨樹が数多く残されています。参拝者をはじめに迎えてくれる巨樹は、高さ40メートルを超える参道の杉並木。先頭の2本は幹周が約7メートルもの太さ。足を止めて見入ってしまう杉並木の先では、荘厳な社殿と七本の御神木との拝観が待っています。

河口浅間神社は巨樹に包まれた富士山信仰の聖地

写真:大木 幹郎

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河口浅間神社の本殿は江戸初期に再建された古建築。参拝の際は本殿前にある小さな石祠、美麗(ひいら)石にもご注目を。これは創建時に浅間大神を祀った石祠の一部とされます。

河口浅間神社の創建は貞観7年(865)。前年から発生していた富士山の貞観大噴火により、甲斐国は甚大な被害を受けていました。このため勅命により、浅間大神(木花咲耶姫命)を奉斎して鎮火を祈願。これが創建の由緒です。

創建時の神事は「稚児の舞」としても継承されています。緋色の衣装を纏った美しい少女たちによる舞で、国の重要無形民俗文化財。4月25日の例大祭と、7月28日の鎮火奉謝祭で奉納されます。

河口浅間神社は巨樹に包まれた富士山信仰の聖地

写真:大木 幹郎

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河口浅間神社の御神木、山梨県の天然記念物でもある七本杉。本殿を中心にして、半時計回りの順番に番号がつけられています。この本殿の正面に立つのは1号杉で、御爾(みしるし)杉とも呼ばれます。幹周は約6.85メートル、樹高は約46メートル。第一の御神木は整った美しい立姿。社殿と重なる姿も神々しく映ります。

御神木の七本杉(234号杉)

御神木の七本杉(234号杉)

写真:大木 幹郎

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七本杉のうち2〜4号杉は、3本の巨樹が間近に並ぶ壮観な立姿。西側(左)の2号杉は、幹周が約7.1メートル、樹高が約46メートル。中央の3号杉は、幹周が約6.82メートル、樹高が約46.5メートル。境内の南側からは本殿の前に立つ1号杉も合わせ、4本の御神木が一堂に会する姿を拝むことができます。

御神木の七本杉(234号杉)

写真:大木 幹郎

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東西に並ぶ2〜4号杉。3本のうちで最大なのは東側(手前)の4号杉。幹周は約7.5メートル、樹高は約47メートル。素晴らしく背の高い3本の巨樹は、見上げた姿も壮観です。

御神木の七本杉(234号杉)

写真:大木 幹郎

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東西に並ぶ2〜4号杉の姿は、本殿の前から1号杉の姿と重ねることもできます。本殿の前で拝礼される際にはご注目を。また、1号杉の近くには泉もあり、水面に映る御神木の姿も神々しいものです。

御神木の七本杉(56号杉)

御神木の七本杉(56号杉)

写真:大木 幹郎

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本殿の南側に立つ2本の巨樹が5号杉と6号杉です。二柱杉または両柱杉と呼ばれ、根本が連理して繋がった状態。南側(右)の5号杉が七本杉のうち最大。幹周は約8.56メートル、樹高は約47.5メートル。1本でも大迫力の巨樹ですが、隣り合う6号杉と併せた威容には胸を打つものがあります。

御神木の七本杉(56号杉)

写真:大木 幹郎

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七本杉の中でも特に神秘的な姿に映る5号杉(左)と6号杉。根元が繋がり寄り添う二柱は男女杉(5号が男杉)とも呼ばれ、良縁の信仰がある御神木。二柱を結ぶ注連縄の意匠も美しいものです。

御神木の七本杉(56号杉)

写真:大木 幹郎

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5号杉と6号杉の南側からは、奥に立つ7号杉の姿も重ねることが。境内奥地の社叢に聳える、七本杉の中でも最大となる巨樹たちの姿は荘厳なもの。

御神木の七本杉(7号杉)

御神木の七本杉(7号杉)

写真:大木 幹郎

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境内の奥、本殿の背後に立つ7号杉。幹周は約8.1メートル、樹高は約43メートル。1本で聳える太い幹は神々しく、天壌杉または御柱杉とも呼ばれる御神木。この巨樹は太い根元に、七本杉の中でも特に強い個性を宿しています。

御神木の七本杉(7号杉)

写真:大木 幹郎

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全ての七本杉の立姿は、一本の幹が40メートル以上に真っ直ぐに高く聳える端正な樹形。7号杉も同様な姿ですが根本が異質。激しく隆起した巨大なもので、根周りは約30メートルにも達します。間近に見上げた姿は、七本杉の中でも特に迫力があるものでしょう。

御神木の七本杉(7号杉)

写真:大木 幹郎

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大迫力の7号杉の根元。その姿は巨大なだけでなく、緩やかな曲線を描く円錐形に整ったもの。富士山に似た雄大な山のような姿。富士山信仰の聖地に立つ、霊峰の大いなる生命力を宿した御神木です。

富士山の遥拝所と母の白滝

富士山の遥拝所と母の白滝

写真:大木 幹郎

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河口浅間神社の少し離れた境内地にある霊場、山の中腹にある富士山の遥拝所と母の白滝をご案内します。

遥拝所への道中は、まず山宮社まで続く参道を登ります。ここは随身門の北側にある参道の入口。見事な樅の巨木が2本。この先で道路を挟んで鳥居のある階段を登れば山宮社。創建時に社が建てられた場所と云われます。

山宮社から先は背後の山道を登り、道路に出てから道なりに進めば、右手に遥拝所が見えてきます。ここまでの移動は約25分ほど。

富士山の遥拝所と母の白滝

写真:大木 幹郎

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河口浅間神社の遥拝所。富士山の眺望は素晴らしく、眼下に河口湖を見下ろすことも。北山麓に貞観大噴火の火口群、長尾山の周辺も遠望できます。富士山と正対するこの地に、大噴火を鎮めるべく河口浅間神社は創建されました。

貞観大噴火(864年)について。膨大な溶岩が噴出し、剗ノ海と呼ばれた巨大な湖を埋め、東西の端が現在の精進湖と西湖に。焦土となった山麓には、後に青木ヶ原樹海が形成。当時の文献(日本三代実録)によれば、噴火の勢いは10日以上も衰えず大地震も発生。噴火活動は発生から2年間は継続し、多くの集落が壊滅。火の手は河口湖まで向かう勢いであったそうです。

富士山の遥拝所と母の白滝

写真:大木 幹郎

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河口浅間神社の奥ノ院、母の白滝。遥拝所の前から約15分。主祭神である木花咲耶姫命の姑神、𣑥幡千々姫命を祀る白滝神社があります。古くから修験者や富士山の登拝者が禊を行ってきた、神秘的な水の聖地です。

以上、河口浅間神社のご案内でした。平安時代に富士山の噴火を鎮めるべく創建された古社で、世界遺産の構成遺産。社叢は七本杉をはじめとした、素晴らしい威容の巨樹が立ち並ぶ荘厳なもの。そして眺望の遥拝所と霊場の滝。河口浅間神社は詣でれば心身が浄化される、富士山信仰と巨樹の聖地です。

河口浅間神社の基本情報

所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町河口1番地
連絡先:0555-76-7186
アクセス:あさま広場駐車場まで河口湖ICから約6.7km

■補足・路線バス
河口駅から利用できる3本の路線と最寄り停留所について。富士山世界遺産ループ線は河口浅間神社の入口(あさま広場)まで運行。天下茶屋線と甲府線・下黒駒線は河口局前(近くの郵便局)。

■補足・母の白滝へのアクセス
山宮社と遥拝所を経由するコースでは約40分。その他、境内の奥から寺川沿いに登るコースでは約25分。また林道を通って車でのアクセスも可能(滝の手前に駐車場)。

2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/06/26−2019/04/09 訪問

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