新「きたかみ(写真)」は三菱重工下関造船所で建造され、2019年1月に就航した大型カーフェリーです。旧「きたかみ」と同様、主に仙台(宮城県)−苫小牧(北海道)間に就航しており、冬季は名古屋まで運航されることがあります。
太平洋フェリーの他の船「いしかり」「きそ」と比べて大きく異なるのは、客室が6階と7階と2層しかないことです。「いしかり」「きそ」は5階、6階、7階が客室で3層なので、新「きたかみ」はコンパクトになりました。なお「いしかり」「きそ」にあるシアターラウンジ、軽食を味わえるスタンド、カラオケルーム、客室ではロイヤルスイート、スイート、セミスイートが新「きたかみ」にはありません。
新「きたかみ」はスペーストラベルという概念で客室階が設計されています。代表的な箇所として、海を見ながらくつろぐ7階プロムナードは写真の様に星雲・星団の写真パネルが船内側にあります。なお夜になると海側の壁にプロジェクションマッピングが行われるので、プロジェクションマッピングと夜の太平洋を一緒に見る事が可能です。
プロジェクションマッピングはプロムナードだけでなく、船内案内所付近(写真)やエントランスホールにある階段、階段下にあるキッズコーナーでも楽しめます。何気なく通っても変化するプロジェクションマッピングに驚くかもしれません。
新「きたかみ」の客室は、特等洋室、1等フォース、エコノミーシングル、B寝台、C寝台など8種類。特筆すべき点は、1人旅の増加にあわせ、太平洋フェリーでは初めて1人用の簡易個室「エコノミーシングル(写真)」が導入されたことです。
またプライバシー確保のため、1番リーズナブルに利用出来るC寝台が登場。C寝台は足元に荷物が置けるカプセルタイプの寝台で、B寝台とはブラインドのカーテンか通常のカーテン、ベッド横に鏡があるかないかの違いです。
このほか船首に窓がある特等、1等の船首側カーテンは、夜間には船長の指示で自動的に閉まります。夜間に船首の窓から明かりが漏れると、安全運航に支障があるためです。
新「きたかみ」は最近建造された長距離フェリーで多くみられる、ペットと一緒に過ごせる客室を太平洋フェリーで初めて導入しました。2段ベッドの個室である1等客室の中で、ペットケージを下段の1か所に設置。通常の1等に追加料金が必要で、食事などの外出時や就寝時は必ずケージに入れて使用します。
なおウィズペットルームが満室の場合は、ペットハウス(有料)を予約して下さい。こちらは各ペットがゲージに入った状態で預けられる部屋です。
ペットテラス(写真)も太平洋フェリーでは初めて、新「きたかみ」で導入された設備です。ペットの運動が可能な区画で、ウィズペットルームやペットハウス利用客が使用可能。ペットの汚物などを処理出来る様、水洗場があります。なお船内消灯時間(22:00〜翌朝7:15)は利用出来ません。
大型フェリーの旅の楽しみと言えば入浴でしょう。6階にある展望大浴場(写真)は海を眺めながら入浴が可能。洗い場にはリンスインシャンプーとボディソープがあるので、浴場は衣類とタオル、貴重品が最低限あれば利用できます。なお悪天候時などを除き、乗船から入港30分前まで利用可能。
脱衣所にはコインなしで鍵をかけられるロッカーが設置されていますので安心です。またドライヤーや綿棒、紙コップ、おむつ交換台もあります。
新「きたかみ」の船内は大半が宇宙をイメージしたデザインですが、7階にあるレストランは雰囲気を変え、地球をイメージしています。内部には写真のように海の景色を眺めながら食事が出来るテーブルもあるほか、食事中という番号札を机上に置いて利用できるので、自分が席を外している時に誤って片付けられる心配がありません。
また「きたかみ」のみレストランで入れたコーヒーは、食事後に7階のエントランスのみ持ち出しが可能です。飲み終わったカップはレストラン出口横の返却口に戻します。
夕食は和食、洋食、中華のメニューのほか、サラダ、アイスクリーム、ドリンクを選べるバイキング方式。メニューは乗船する区間やシーズンによって変更されますので、リピーターが全て同じメニューでの航海にはならないよう工夫されています。
朝食も栄養バランスのとれた飲食が可能なメニューが揃ったバイキング。どちらかといえば夕食よりパン食のメニューが充実しています。
船内案内所横にある売店(写真)は、北海道や東北の土産、太平洋フェリーオリジナルグッズ、そして船内で必要な日用品が多く販売されています。
売店には他にお菓子やドリンク(写真)、アイスクリームも販売中。太平洋フェリーオリジナルワインもあります。
売店で販売中の太平洋フェリーオリジナルグッズには、マグネット、ストラップ、ボールペン、クッキー、アポロキャップなどがあります。また変わった販売品としては、ふね検といって船の知識を問う検定の問題集や、主に甲板部の船員が業務で必要なロープワークの基本が学べるDVDもあります。船の世界に興味を持った旅行者は手に取ってみてはいかがでしょうか。
住所:北海道苫小牧市入船町1丁目2-34
電話番号:0144-34-5185
アクセス:
JR苫小牧駅よりタクシーで約10分。バスで約17分
道央自動車道苫小牧東ICより車で約15分
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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