神奈川県横須賀市の浦賀港は山に囲まれ、海岸が奥まで入り込み、底が深くて船が入りやすい良港として知られています。京急浦賀駅を降りると長い壁に囲まれた浦賀ドック跡地が見えます。この壁に沿って県道208線を右に進みましょう。
通称「浦賀ドック」は1899（明治32）年に建造され、日本最初の洋式軍艦をはじめ1000もの艦船、帆船の日本丸も建造し、咸臨丸の修理をしたことでも知られています。船を設置して建造・修理するドライドックは全長148ｍ、幅20ｍ、深さ8.4ｍ。浦賀ドックは2003年に閉鎖されましたが、イベント時に見学会が開かれることもあります。写真は遊歩道からドックを見たところです。
この周辺で「咸臨丸フェスティバル」が行われ、コンサートやイベントなどが開催されます。2019年は5月25日(土)に行われます。
＜浦賀ドックの基本情報＞
名称：住友重機械工業株式会社浦賀工場 旧浦賀工場
住所：神奈川県横須賀市浦賀4-7
アクセス：京急浦賀駅から徒歩10分
バス停「ドック前」を過ぎて少し行くと、幅5ｍの遊歩道が「渡船乗り場」まで400ｍ続いています。遊歩道にはベンチや屋根、街灯もあり、海を見ながら気持ちよく歩くことができます。遊歩道の先には渡船が見えています。
渡船乗り場を過ぎると、「西浦賀みなと緑地公園」が続きます。東屋の右にあるL字型の「陸軍桟橋」は太平洋戦争終了後に引き揚げた人たちを迎えた場所で記念碑が建っています。
小高い愛宕山公園から浦賀港を見渡しましょう。この公園は1891年に開園した橫須賀市最古の公園で、ペリー来航時に交渉に当たった浦賀奉行・中島三郎助の招魂碑を建てた時に整備されました。
開けた場所にはベンチでひと一休みできます。ベンチの向かいの「咸臨丸出港の碑」は日米修好通商条約締結100年を記念して1960年に建てたもの。この条約の批准書交換のため、日本使節団はアメリカの軍艦に乗り、咸臨丸が随伴艦として航海しました。石碑裏には艦長勝海舟ら乗組員名が刻まれています。
山頂から浦賀港を眺めると、左の山裾に緑の屋根の東叶神社、中央には千葉県・房総半島の山並みが望めます。手前の西海岸には西浦賀みなと緑地とL字型の桟橋も見えます。
＜愛宕山公園の基本情報＞
住所：神奈川県横須賀市西浦賀1丁目23番地
アクセス：京急浦賀駅から久里浜行き京急バス「紺屋町」下車、徒歩10分
もっと歴史を知りたくなったら「浦賀コミュニティセンター分館」に寄ってください。浦賀奉行所、ペリー艦隊などの模型や資料が展示され、時には特別展示もあります。
＜浦賀コミュニティセンター分館の基本情報＞
住所：神奈川県横須賀市浦賀7-2-1
電話番号：046-842-4121
アクセス：京急浦賀駅から徒歩7分
開館時間：8時30分～21時（展示は17時まで）
休館日：12月29日から1月3日
臨時休館日あり、詳しくはお問い合わせください。
愛宕山公園から近い西浦賀みなと緑地の周辺では、8月に「浦賀みなと祭」が盛大に行われます。提灯がたくさんつり下げられ、模擬店がびっしりと並んで、大勢の人で賑わいます。
関東大震災慰霊塔、浦賀港引揚者記念の碑などで、祈りを捧げる法要に始まり、頭に宝冠をのせて優雅に踊る奉納舞などが行われます。
提供元：浦賀行政センター
地図を見る暗くなる頃には、お囃子が響き、大灯籠に灯りが灯り、花火が沖から打ち上げられます。幕末にペリーの黒船がやってきたことに思いを馳せてみましょう。2019は年8月17日(土)に開催。
会場近くにはかつて「船番所」がありました。船番所は江戸時代に東京湾に出入りする船を検査する重要なところでした。
このような案内板が街のあちこちに置かれ、ガイドブックを持たなくても、まさにそこで歴史の現場を知ることができます。
＜浦賀みなと祭の基本情報＞
2019年8月17日(土)12時～20時
花火大会(19時30分～20時、約500発)
電話番号：046-841-4155（浦賀観光協会）
住所：神奈川県横須賀市西浦賀町1（西浦賀みなと緑地）
アクセス：京急浦賀駅から京急バス久里浜駅行き「紺屋町」下車、徒歩2分
本部周辺には交通規制(19時20分～20時20分予定)
西叶神社は1181年に神護寺の文覚上人が源氏再興を祈願して京都・石清水八幡から勧請し、平家滅亡の願いがかなって「叶明神」の称号が与えられたと伝えられています。現在の社殿は1842年に再建され、2018年に176年振りの大規模な銅板屋根の葺替えなどが行われました。
社殿や境内には、江戸の名工・後藤利兵衛が施した見事な彫刻が230点以上もあります。参拝時に、迫力ある龍の姿をご覧ください。社務所の壁には漆喰を鏝（こて）で仕上げた浮き彫りの「鏝絵（こてえ）」もお見逃しなく。
近くの神社や寺にも素晴らしい彫刻や鏝絵があり、干鰯（ほしか）と回船問屋で栄えた浦賀の繁栄を伝えています。
＜西叶神社の基本情報＞
住所：神奈川県横須賀市西浦賀1-1-13
電話番号: 046-841-0179
アクセス：京急浦賀駅から久里浜駅行き京急バス「紺屋町」下車、徒歩１分
海を挟んで向かい合う東西の叶神社で、縁結びのお守りを授かることができます。西叶神社で勾玉を受けて、東叶神社のお守り袋に入れて身につけてください。
渡船で対岸の東叶神社をめざしましょう。渡船は海上の橫須賀市道を3分ほどで結びます。浦賀奉行所が置かれた5年後の1725年から地域で親しまれています。乗り場に船がいない時には、待合所のブザーを押すとすぐに来てくれます。
＜渡船乗場の基本情報＞
西渡船場
住所：神奈川県橫須賀市西浦賀1-2-19先
アクセス：京急浦賀駅から久里浜駅行京急バス「紺屋町」下車すぐ
東渡船場
住所：神奈川県横須賀市東浦賀2－19-10先
アクセス：京急浦賀駅から鴨居方面行き京急バス「新町」下車、徒歩3分
料金：大人200円、小・中学生 100円、その他（自転車等）50円
営業時間：7～18時ごろ（12～13時は昼休）
定休日：12月31日～1月3日、※荒天時、船の点検時には休航
電話番号：046-822-8346（横須賀市土木部土木総務課）
東叶神社は海岸のすぐそばに鳥居が建ち、後ろの明神山には戦国時代に砦が築かれたといいます。拝殿から奥院への200段以上の石段、恵仁志坂（えにしざか）・産霊坂（むすびざか）は縁結びにご利益があるとされています。
咸臨丸の艦長勝海舟が太平洋を渡る前に無事を祈って井戸で水垢離をし、山頂で断食をしたと伝えられています。
社務所には勝海舟が航海安全を祈った場所として刺繍の案内を掲げています。
9月中旬には、西叶神社と東叶神社の祭礼が行われ、町ごとの神輿や山車がおよそ20基繰り出します。
2019年は9月14日（土）、15日（日）が祭礼で、3年に一度の宮神輿の巡行があり、大勢の人が集まります。
＜東叶神社の基本情報＞
住所：神奈川県横須賀市東浦賀2-21-25
電話番号：046-841-5300
アクセス：京急浦賀駅から鴨居方面行き京急バス「新町」下車、徒歩5分
アクセスではおもにバスを紹介しましたが、京急浦賀駅からバス停「紺屋町」までは歩いて15分程度、各所までも徒歩20分程度です。ほとんどが平地ですが、歩きやすい靴での散歩をお勧めします。
また、「NPO法人よこすかシティガイド協会」では、橫須賀の歴史と自然の魅力を伝えるガイドツアーを行っています。関連MEMOをご参照ください。
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
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(2024/4/19更新)
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