写真:Chanos Maya
地図を見るアラスカの玄関口アンカレジから北に約400kmの内陸に位置するデナリ国立公園。全米でも最も美しい自然景観のひとつとされる「マッキンリー山(デナリ山)」をはじめとする山々、グリズリーベアからかわいい野ウサギまで野生の生きものたちに出会うことのできる公園です。
デナリが国立公園に指定される前から「人間は訪問者」で、野生の生きものたちが主役であるというポリシーがとられ、徹底した自然保護がされています。公園内には入り口から全長150qの自然道が1本あるのみ。また許可のある車以外の通行は禁止されています。
デナリ国立公園は祝日などを除いて1年を通してオープンしています。雪が公園すべてを覆いつくす冬も、犬ぞりやオーロラ鑑賞など冬ならではの楽しみがありますが、北米最高峰6190mのマッキンリー山を背景に、針葉樹の森や湿地帯が広がり野生動物たちの楽園となるデナリ国立公園の夏は、公園全体がなんとも言えない高揚感に包まれます。アラスカの人も毎年わくわくしながら待つデナリ国立公園の夏は特別です。
写真:Chanos Maya
地図を見るアラスカ州へのゲートとなるアンカレッジ。アンカレッジからデナリ国立公園のあるデナリまではアラスカ鉄道の「デナリスター号」で。アンカレジ発デナリ国立公園経由フェアバンクスまでの北行きとその逆の南行きのそれぞれ1本ずつが、5月中旬から9月中旬まで毎日運行されています。
ビルが立ち並ぶアンカレッジを抜け、深い緑の中、橋を渡り・・・アラスカのダイナミックな自然が車窓に広がる約7時間の列車の旅です。アドベンチャークラスとゴールドスタークラスの2クラス制。ゴールドスタークラスは天井までガラス張りの展望車両になっており、その大自然は手に届きそうなくらい。スピードをとるならバスでの移動もありですが、車が行き交うフリーウェイよりも断然列車の旅がおすすめ。
列車が雪をかぶる山々に囲まれるようになってきたら、デナリももうすぐ。移りゆく絶景を眺めていたら長いように思えた時間もあっという間。アラスカ鉄道に乗っていくデナリも旅のハイライトになるはずです。
写真:Chanos Maya
地図を見るデナリ国立公園では自然保護のため、特別な許可のない個人の車での入園や観光はできません。デナリ国立公園の自然、動物、景観を楽しむなら、バスツアーに参加するのがおすすめです。
カンティシュナウィルダネスツアーは公園内バスツアーのうち、最も長い約12時間をかけて、デナリ国立公園を走る150qの「デナリパークロード」の終点にほど近い「カンティシュナ地区」へ向かいます。カンティシュナは一般的に人がアクセスすることができるデナリ国立公園の最深部。同乗するレンジャーさんが鋭い観察力で見つける動物や植物を車窓から、時に下車をしながら楽しみます。デナリの一番の奥地まで行くから、グリズリーベアなどを発見するチャンスが高いのも魅力。途中、絶景ポイント「ストーニーヒル」にも立ち寄ります。ここはお天気のいい日にはダイナミックなマッキンリー山が見えることで有名な場所。晴天を祈りましょう!
いつまでも暮れない太陽の下、足元にリスや野うさぎが走り回り、キツネがひょっこり現れ、短い夏を満喫する動物たち。穏やかな自然と、タイガ(針葉樹の深い森)とツンドラ(低温で植物が生存できない地域)が続く荒々しい自然が共存するデナリ国立公園。カンティシュナウィルダネスツアーではそんなアラスカの大地を踏みしめていることを実感します。
写真:Chanos Maya
地図を見るデナリ国立公園のあるデナリには小さなダウンタウンもあり、ホテルやショップなどが並んでいます。旅行者は日中、ウィルダネスツアーなどでデナリ国立公園を散策し、夜は市内で過ごすのが一般的です。
せっかくなら太陽の位置によって刻々と景観を変えるデナリ国立公園の大自然の中で1日を過ごしてみたいと思いませんか?公園内にある4つのロッジならそんな体験も可能です。すべてのロッジはデナリパークロードの終点のカンティシュナ地区にあります。
デナリ国立公園内にはいくつかのキャンプサイトがありますが、しっかりとした準備と装備が必要になります。デナリ国立公園を初めて訪れるなら3食付き、アクティビティの費用も含まれたロッジに滞在するのがおすすめです。
日中はハイキングしたり、近くの湖で釣りをしたり、自分の足でその大自然を感じることができます。言葉にならないほどの迫力の大自然、絶景の大自然、荒々しい本物の大自然がすぐそばに。吸い込まれそうなほどに力強い大自然の中で24時間過ごすことができるのがデナリ国立公園内に滞在する魅力です。
写真:Chanos Maya
地図を見る大自然の真っただ中でシェフの作る手の込んだアラスカの味覚が味わえるロッジ、ナチュラリストとバードウォッチングができるロッジなど、4つのロッジにはそれぞれユニークな特徴があります。
そのうちの一つキャンプデナリは、公園内で唯一キャビン(ゲストルーム)からマッキンリー山の眺望を楽しめる絶好のロケーションにあります。キャビンはすべてオーナーによる手作り。朝食のクロワッサンはロッジの歴史と同じ50年間、変わらぬレシピで毎朝ベーカリーチームが焼いています。アラスカの人も泊まりにやってくる、いつも予約でいっぱいの大人気のロッジです。
これらの公園内ロッジはホテル予約サイトなどでは予約を受け付けていません(2019年5月現在)。ロッジのホームページや旅行会社を通して予約しましょう。
アラスカ鉄道のデナリスター号、そしてカンティシュナウィルダネスツアー、デナリ国立公園内ロッジ、すべて6月から9月上旬までのたった4か月だけの営業です。(デナリスター号は5月中旬より運行しています)
5、6月はまだまだダウンジャケットが必要なほどに肌寒く、9月に入ると木々の紅葉が始まり、秋の足音が聞こえてきます。夏らしい夏はほんの一瞬。野生の生きものたちもその短い夏を精一杯楽しんでいます。いつもの旅行よりも少し早めに計画を立てて、次の夏はデナリ国立公園の生きものたちの住処にお邪魔してみませんか?
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この記事を書いたナビゲーター
Chanos Maya
お金のなかった学生時代は航空券だけを買い、特に目的もなく海外をふらふら。日程表のない旅、サイコー!だったあの頃から15年。海外旅行専門の旅行会社に勤務し、以来世界の辺境秘境を訪ねてきました。学生の頃の…
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