写真:かのえ かな
地図を見る川尻駅から歴史散策を始めるときは、まずは駅舎をじっくり楽しみましょう!熊本駅から電車で約7分の場所にある川尻駅。真っ白な木造駅舎は、100年以上昔の大正6年(1917年)に改築されたもの。くすんだ茶色の瓦屋根が、長い年月使い込まれてきたという歴史を感じさせてくれます。
パッと見は平べったい印象のある駅舎ですが、実際に中へ入ってみると天井の高さに驚かされます。これも当時の建物ならではの構造です。
写真:かのえ かな
地図を見る駅舎の中でもとりわけ美しいのが、玄関口と改札口にあるアーチを描く柱。そして、改築当時から使われているという、駅長事務室の看板です。看板を掛ける柱の装飾が華やかですね。
駅舎の天井の高さや、こうした細やかな装飾部分に当時の建物の流行が反映されています。
<川尻駅の基本情報>
住所:熊本市南区川尻二丁目
アクセス:JR熊本駅から約10分、JR三角駅から約45分
写真:かのえ かな
地図を見る川尻駅を出たら、徒歩約10分の場所にある河尻神宮(若宮さん)へ‥。河尻神宮は、河尻三郎源実明(みなもとのさねあき)が建久8年(1197年)に鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請したのが始まりと言い伝えられています。
川尻の歴史は、河尻三郎源実明がこの地に館を築いたのが始まりとされているので、河尻神宮は町のシンボルと言っても過言ではありません。境内には、日本一と推定されている大柊の御神木があります。
<河尻神宮の基本情報>
住所:熊本県熊本市南区八幡5丁目1-50
アクセス:JR川尻駅から徒歩約10分
写真:かのえ かな
地図を見る河尻神宮を参拝したら、駅前にある大通り(旧3号)沿いを歩きましょう。
川尻は 熊本城を築城したことで知られる加藤清正が治水事業で港町として発展させた町。肥後の国の五ヶ町のひとつに数えられており、刃物や染物、桶などの伝統的工芸が栄えました。旧3号沿いには今も刃物屋が数多く残り、当時の名残を感じられます。
写真:かのえ かな
地図を見る川尻で栄えたもので忘れてはいけないのが、もうひとつ。それが工芸菓子です。川尻に伝わる和菓子作りの伝統的技術を残すため、次の老舗6軒によって開懐世利六菓匠(かわせりろっかしょう)が作られました。
・御菓子処 天明堂
・お菓子のいしはら
・菓匠 たてやま(立山菓舗)
・菓舗 梅園
・菓舗 かずさ屋
・いわもと
開懐世利というのは、中国の明の時代の川尻の呼び名です。6軒のほとんどは旧3号沿いにあり、そのうち3件は駅からも比較的近くにあるので、散策でも気軽に立ち寄れます。まずは写真の天明堂に入ってみましょう。
写真:かのえ かな
地図を見る川尻駅を出発し、旧3号沿いを歩いたら最初に見えるのが「御菓子処 天明堂」です。天明堂は天明年間にあたる1781〜1788年に創業したことからその名がついた、200年以上の歴史を持つ老舗。店内には、和菓子のほか洋菓子も並びます。
さらに奥には喫茶店も。喫茶店では上生菓子と抹茶が食べられるセットやドリンク付きのケーキセットなどがいただけます。
写真:かのえ かな
地図を見る天明堂の上生菓子は、桜やかすみ草をイメージしたもののほか、可愛らしいキャラクターをイメージしたものもたくさんあります。あまりの可愛らしさに食べるのがもったいなく感じられるかもしれません。お子様には特に喜ばれそうな和菓子です。
写真:かのえ かな
地図を見るこちらは天明饅頭と酒かすてらです。お店の名前を冠した天明饅頭は、天明堂の代表銘
菓。サクッとしたザラメ付きの生地の中には、優しい甘味の黄身餡がつまっています。
酒かすてらは、地元酒造である“ずいよう酒造”の大吟醸の風味を楽しめる一品。1つ1つのカステラに丁寧に大吟醸をふくませており、贅沢な仕上がりとなっています。
<御菓子処 天明堂の基本情報>
住所:熊本県熊本市南区川尻1丁目3-39-2
アクセス:JR川尻駅から徒歩約8分
営業時間:9:00〜20:00
定休日:元旦のみ
写真:かのえ かな
地図を見る天明堂から2〜3分歩いた場所にあるのは、「お菓子のいしはら」。昭和37年(1962年)から続くお店で、上質な和菓子が1個100円以下〜200円台というお手頃価格で買えることから地元の方にも深く愛されています。出張販売などはほとんど行われないため、お菓子のいしはらの和菓子を買えるのはここだけです。
写真:かのえ かな
地図を見るお菓子のいしはらの名物のひとつが、喜久最中です。花をかたどった最中皮の中には、しっとり濃厚な餡がたっぷり!女性の手の平サイズの大きさで、厚みもあり食べ応えがあります。白あんの最中もありますよ。1個100円です。
写真:かのえ かな
地図を見る美しい断面でインスタ映えしそうなのは、花かすみ。3色のカステラ生地に栗や豆が良いアクセントになっています。こちら、なんと1個80円です。
ほかにも、カステラの中に餡が入ったかすてら饅頭や懐かしい味がする丸ぼうろなども売られています。来店したら日本茶と試食用の和菓子がいただけるので、ゆっくり味わいながら何を買うか決めると良いでしょう。
<お菓子のいしはらの基本情報>
住所:熊本県熊本市南区川尻1丁目5-50
アクセス:JR川尻駅から徒歩約10分
営業時間:8:00〜19:00(日祝祭日は17:00まで)
定休日:第3日曜
写真:かのえ かな
地図を見るお菓子のいしはらから歩いて5分ほどの場所にあるのは、「菓匠 たてやま(立山菓舗)」。70年以上の歴史を持ち、学校行事で配る和菓子を作ることもあることから、地元の方にとっては思い出の味の店となっています。
写真:かのえ かな
地図を見るたてやまの名物は、花おぐら。寒天で小豆を包んだこちらの和菓子は、生の小豆から製品を作り上げるまで8日間もかけるという珠玉の一品です。表面は半透明ですりガラスのようになっていますが、一口食べると透き通った寒天がキラキラと光り、見た目も味も見事な和菓子です。
写真:かのえ かな
地図を見るたてやまが特におすすめする、もうひとつの和菓子が栗ようかん。通常のようかんより淡い色で、甘さ控えめなので、ついつい食べ過ぎてしまう一品です。
このほか要予約制ですが、白豆とあずきの練り切りを使って鮎の塩焼きを再現するユニークな工芸菓子もあります。
<菓匠 たてやまの基本情報>
住所:熊本県熊本市南区川尻4丁目1-43
アクセス:JR川尻駅から徒歩約15分
営業時間:9:00〜19:00(日曜は18:00まで)
定休日:元旦、1月2日のみ
どの店も和菓子をひとつひとつ丁寧に手作りして、伝統的技術を感じさせてくれる川尻の和菓子。今回は開懐世利六菓匠の3店を代表して紹介しましたが、さらに先へ進めばほかの和菓子屋もあります。
また、年に数回ほど旧3号沿いにあるくまもと工芸会館で開懐世利六菓匠の実演販売も行われるので、こちらも必見です。熊本駅から好アクセスの川尻駅から、美味しい楽しい歴史散策をしてみてくださいね。
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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