写真:美里 茉奈
地図を見る沖縄本島・うるま市の海中道路でつながった離島の一つ「浜比嘉島」(はまひがじま)。琉球開闢神話においては、沖縄本島を作ったという女神「アマミキヨ」(アマミチュー)が、その夫となった「シネリキヨ」(シルミチュー)と過ごした場所とも言われています。
島内にはそれぞれの神様の名前を冠した場所があり、島全体がパワースポットともいえる浜比嘉島。現在では橋でつながっているので、この神秘的な島にも、那覇から1時間ちょっとでアクセスできます。
写真:美里 茉奈
地図を見る塩工房「高江洲(たかえす)製塩所」があるのは、浜比嘉島の比嘉地区。島に入って左の道路をシルミチュー方面に進み、途中で分岐する道を、さらに海側に向かって進みます。細い道ですが、ところどころに看板が出ているので、それらを頼りに向かいましょう。
写真:美里 茉奈
地図を見る海の手前にある高江洲製塩所。味のあるシーサーたちがお出迎えしてくれます。高江洲製塩所の営業時間は、平日が10:00〜16:00・土曜日は10:00〜15:00となっており、日曜・祝祭日は基本的にお休みです。閉館時間が早いので、観光ルートに組み入れる場合は気を付けてくださいね。
写真:美里 茉奈
地図を見る国内でも珍しい、「流下式塩田」による塩づくりをしている高江洲製塩所。ここでの塩の作り方については、見学時に無料で解説してくれます。見学については予約は不要です。
さて、流下式塩田ですが、隣接する海岸からくみ上げた海水を、棚の上から滴下するところから始まります。棚にかけられているのは竹のカーテン。そこからしたたり落ちる時、そして下の傾斜をつけた流下盤を流れる時に、太陽と風の力で水分が蒸発するので、海水の濃度が濃くなっていくのです。
自然の力で海水の水分を徐々に蒸発させていくので、雨水は大敵。そのため、雨天時には塩工房が臨時休業となります。雨が降ると、循環させている海水が薄まってしまうからです。雨が降る前に海水の循環をストップさせることもあります。
写真:美里 茉奈
地図を見る濃縮された海水は、塩工房内の平釜で焚き上げられます。焚き上げの様子は残念ながら見ることができないのですが、焚き上げ以外の時間の場合は、工房内を見学可能です。
写真:美里 茉奈
地図を見る平釜で4時間かけて焚いた塩を、窯から出して容器に移し、さらに2日かけて、にがりを取り除きます。そして乾燥させると「浜比嘉塩」の出来上がり。出来立てを試食させてもらえますよ。
写真:美里 茉奈
地図を見る焚き上げた塩から抜いたにがり。これは豆腐を作る時に使う「にがり」と同じものです。このにがりにも塩分が含まれているため、時間がたつと結晶化します。
写真:美里 茉奈
地図を見るこちらがその結晶「にがり塩」です。にがりのミネラル分が凝縮された味なので、通常の塩とはまた異なるまろやかな味わいが特徴。大変な時間と手間がかかり、出来上がるのはちょっぴりという、超貴重な塩です。
さらに、通常の塩工場では、この「にがり」のまま豆腐工場などに出荷してしまうので、「にがり塩」を作っているのは、なんと全国でこの高江洲製塩所だけ。TV番組で紹介されたこともあり、工房内だけの限定販売にもかからわず、店頭に出すとすぐ売れてしまうという幻の塩なんですよ。
「にがり塩」の販売時期のお知らせについては、記事最後の「関連MEMO」の高江洲製塩所のWEBサイトをご確認くださいね。
写真:美里 茉奈
地図を見るにがり塩のほかにも、製塩所の売店では、県内の売店よりもお得な価格で工房の塩が手に入りますので、ぜひチェックすることをおすすめします。
写真:美里 茉奈
地図を見る流下式塩田にて濃縮した海水を使って、塩を焚き上げる体験ができる「塩作り体験」は、製塩所を訪れたらぜひ体験したい楽しいメニュー(前日までに要予約)。まずは塩水の濃度の測り方のレクチャーから始まります。
写真:美里 茉奈
地図を見る濃縮した海水を、石窯に注いで火にかけ、煮詰めていきます。熱気が伝わってきてとても熱いので軍手着用。水分が蒸発するにつれ、ミネラル分が石窯にくっついてきてしまうので、壁面をこそげ取るようにかき混ぜます。
写真:美里 茉奈
地図を見る不思議なもので、同じ材料のはずなのに、熱しているときのかき混ぜ方や、どこまで水分を飛ばすかによって、見た目も、食感も、さらに味も異なる、人それぞれの塩ができあがります。ご家族やカップル、友人同士で塩作りをしてみると、違いがわかって楽しいですよ。
写真:美里 茉奈
地図を見る出来上がった塩は、高江洲製塩所で作っている塩壺に入れてお持ち帰りできます。様々な色や形のポットとふたが用意されていますので、組み合わせることで自分だけの塩壺が出来上がり!塩体験をする時間がない方は、あらかじめ塩ポット入りの浜比嘉島の塩を買うこともできます。
写真:美里 茉奈
地図を見る塩壺に作った塩を詰め、紅型模様のラッピングを施したら、塩工房のシーサー台で「ハイシーサー!」と記念撮影!並んだシーサーも塩工房のオリジナルの焼き物で、工房内の売店で購入可能ですよ。
写真:美里 茉奈
地図を見る隣接する海岸は、高江洲製塩所のプライベートビーチ。この美しい海から塩を作る海水を採取しているのですね。この海岸に入ることができるのは、製塩所の営業時間内のみです。
海水のみを使用した、昔ながらの塩づくり。その一連の流れを見ることができる、浜比嘉島の塩工房は、私たちの生活に欠かせない塩について、楽しく学べる場所です。沖縄観光の一端として、ぜひ訪れてみませんか。
住所:沖縄県うるま市勝連比嘉1597
電話番号:098-977-8667
アクセス:那覇空港から沖縄自動車道を経由して約70分
営業時間:月〜金 10:00〜16:00、土曜 10:00〜15:00
定休日:日曜日及び祝祭日、および雨天時
塩作り体験:大人1,500円、高校生まで1,200円(前日までに要予約)
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
美里 茉奈
東京生まれ・いろいろ育ち。現在は、沖縄本島の海が見える家で、愛猫2匹と暮らしています。ライターネームは猫の名前から。旅行とグルメについて、あちこちのサイトに寄稿したり、某ホテルグループや観光施設のSN…
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