世界自然遺産屋久島 縄文杉トレッキング徹底ガイド

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世界自然遺産屋久島 縄文杉トレッキング徹底ガイド

世界自然遺産屋久島 縄文杉トレッキング徹底ガイド

更新日:2019/05/13 16:40

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師

日本で最初に世界自然遺産に登録された屋久島。その屋久島で最も有名で屋久島と聞けば誰もが思い浮かべるのが縄文杉かと思います。
しかし屋久島最大の威容を誇る縄文杉は簡単には会わせてくれません。片道11キロの長い道のりを辿ってやっと巡り会え、それだけの苦労をしても行く価値のある素晴らしい杉でもあります。
気の遠くなる程の長い風雪に耐え、屋久島の山中に雄々しく聳える縄文杉への道のりについてご紹介します。

トレッキングスタートは荒川登山口から

トレッキングスタートは荒川登山口から

写真:大竹 進

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トレッキングのスタート地点は標高約600mの荒川登山口です。標準的な時間でも標高約1300mの縄文杉まで往復10時間は掛かるので、遅くとも午前7時頃には出発しましょう。余裕をみて6時頃にスタートするのがお薦めです。

毎年3月〜11月まではマイカー規制があり、荒川登山口まで自家用車で来る事は出来ませんから、タクシーまたはシャトルバスをご利用下さい。トイレは約3時間先の大株歩道入口までありませんので、必ずここでトイレを済ませてから出発しましょう。

縄文杉まで片道11キロの内トロッコ道が約4分3の8.5キロあり、距離の割に難易度は高いものではありません。トロッコ道は屋久島最長の安房(あんぼう)川沿いに延びていますが、屋久島は花崗岩で出来た島なので川は大きな花崗岩の岩だらけです。

トレッキングスタートは荒川登山口から

写真:大竹 進

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トロッコ道をスタートして暫く行くと、行程中唯一のトンネルがあります。トロッコ道は以前は枕木の上を歩いており、歩幅と枕木の間隔が上手く合わない為歩き辛かったのですが、現在は全区間線路内に板が敷かれ、木道になっているため歩き易くなっています。

トレッキングスタートは荒川登山口から

写真:大竹 進

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トロッコ道の途中には多くの橋が架けられていますが、欄干の無い橋も多く、枕木は滑り易くて危険なので、橋を渡る時は線路内の木道を止まらずに渡り切る様にしましょう。特に濡れた枕木の上に足を載せると確実に滑り非常に危険ですから、安全の為にも線路内の木道だけを歩いて下さい。

小杉谷

小杉谷

写真:大竹 進

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荒川登山口から2.6キロ程行くと立派な橋が現れますが、これが小杉谷橋です。この橋は欄干がありますが、前述した通り枕木の上は滑り易く、欄干の下は隙間があって落下の心配もありますから、木道の上だけを通る様にして下さい。

小杉谷

写真:大竹 進

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小杉谷橋を渡ると小杉谷小・中学校跡があります。
1923年木材搬出のため森林軌道が敷設され、ここに小杉谷集落が誕生し、最盛期の1960年には住民540人、小中学校の児童数は108人を数えましたが、1970年事業所の閉鎖と共に半世紀にわたる歴史の幕を閉じました。

小杉谷

写真:大竹 進

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小杉谷小・中学校跡の看板の横には、かつて子供達の賑やかな声が聞こえた学校の入口とグランドが、今は静寂の中に広がっています。

トロッコ道

トロッコ道

写真:大竹 進

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荒川登山口から8.5キロのトロッコ道をひたすら歩いて行きますが、登山道のスタート地点である大株歩道入口までは標高差約300mです。
屋久島は年間降水量約4500mmという日本一雨の多い所で、東京都の約3倍も降りますが、そんな雨の日は綺麗な木々の緑が楽しめます。

トロッコ道

写真:大竹 進

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トロッコ道の沿道には江戸時代に伐採された巨大な切株が随所に残っていて、それらを眺めながら歩くのもトレッキングの楽しさです。

トロッコ道

写真:大竹 進

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歩みを進めるに従ってトロッコ道からの景色も次第に苔むした木々、岩々が広がり、「もののけ姫」の世界へと入って行きます。

トロッコ道から大株歩道へ

トロッコ道から大株歩道へ

写真:大竹 進

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荒川登山口から8.5kmのトロッコ道を歩いて約3時間で標高約900mの大株歩道入口に到着します。ここから山道の開始で、急な階段や岩がゴロゴロしている所など、難易度中級の道が2.5キロ続きますが、縄文杉までの往復には約4時間程度掛かり、大株歩道にはトイレが一切無い為、ここでも必ずトイレを済ませておきましょう。

尚携帯用簡易トイレ持参者には、そのためのテントが途中に設けられていますから、トイレが心配な方は予めご用意頂くと安心かと思いますが、登山では結構汗をかいて体内の水分が奪われるので、実際には簡易トイレのお世話になる人はあまりいない様です。

大株歩道には数字を書いた標識が1番から順に50mごとに木の枝や幹などに括り付けられています。50番目が縄文杉ですが、小さなものなので見落とさない様にして、歩く目安にして下さい。

トロッコ道から大株歩道へ

写真:大竹 進

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トロッコ道を終えて本格的な登山道の大株歩道へ入り600m程行くと、胸高周囲 13.8mのウイルソン株があります。1586年豊臣秀吉の命令により大坂城築城(京都の方広寺建立とも)の為に切られたと言われています。

アメリカの植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士により調査されて1914年欧米に紹介され、後にこの株の名前の由来となりました。

トロッコ道から大株歩道へ

写真:大竹 進

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樹齢3000年のこの切株は中が空洞になっていて、その中から見上げるとこんな素敵なハートマークが見えるポイントがあります。ハートマークの向こうの木々の緑と優しく差し込む光が疲れを癒してくれる事間違い無し!

ウイルソン株はこの様にハート型に見える事から、恋愛運がアップするパワースポットとしても人気が高い所で、空洞の中には小さな祠も置かれています。

縄文杉到着

縄文杉到着

写真:大竹 進

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屋久杉というのは樹齢1000年以上の杉を言いますが、屋久島にはそんな気の遠くなる様な長い年月の風雪に耐えた屋久杉が3000本もあり、縄文杉以外にも多くの歴史を感じさせる杉が島内各所にあります。

縄文杉に行く途中には夫婦杉(樹齢1200年と1500年)、2010年に倒れるまで縄文杉に次ぐ胸高周囲12.6mだった翁杉(樹齢2000年)、縄文杉が発見されるまで最大の屋久杉とされていた大王杉(樹齢3000年、樹高24.7m、胸高周囲11.1m )など、名前が付けられた屋久杉も多く見られます。

縄文杉到着

写真:大竹 進

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荒川登山口から約5時間、大株歩道に入って約2時間で遂に縄文杉に到着。その圧倒的な存在感に思わず息を呑む、パワー溢れる縄文杉。これまでの疲れが一瞬で吹き飛ぶ瞬間です!

縄文杉は樹高25.3m、胸高周囲16.4m、樹齢7200年とも4000年とも言われる1966年に発見された最大の屋久杉です。当初は杉のそばまで行けたものの、現在は保護のためやや離れたテラスから眺める形になっているため、その大きさが実感し難いかも知れませんが、幹の直径が5.2mと聞くとその巨大さが判ります。

縄文杉到着

写真:大竹 進

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数千年の歴史を体現する幹、幾多の風雪に耐えた樹皮、正面のテラスから神々しいまでの縄文杉を眺めてまだ元気がある方は、少し階段を上りますが縄文杉の右側斜面に新しくテラスが設けられ、普段写真などで見慣れた姿とは違った縄文杉を見る事が出来ますのでどうぞご覧下さい。

縄文杉からたっぷりパワーを貰った後は、元来た道を辿って荒川登山口へ戻りますが、遅くとも午後1時には縄文杉から引き返す様にして下さい。無事に帰着して全行程22km、約10時間のトレッキング終了です。

苦労しても見に行く価値のある縄文杉

ご紹介した様に縄文杉と対面するには多少体力が必要ですが、それだけ苦労してもその苦労に報いてくれるのが縄文杉です。ルートの途中にはハートマークの見られるウイルソン株などもあり、苔むす古木や岩に「もののけ姫」の世界を感じる事も出来ます。ヤクシカに会えるチャンスも十分。あなたも縄文杉トレッキングにチャレンジしてみませんか。

屋久島では屋久島の美しい自然環境と清らかな水環境を守り、登山者に安心で安全な自然体験を提供するための「世界自然遺産屋久島山岳部環境保全協力金」(日帰り入山1000円)の納入が条例で制定されていますので、荒川登山バス券(往復1380円)の購入に併せて納入して下さい。
またトレッキングに当たっては十分な装備で登山し、ゴミは必ず持ち帰る様にしましょう。

2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/04/17 訪問

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