上野で隠れた名品を探そう!「藝大コレクション展2019」

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上野で隠れた名品を探そう!「藝大コレクション展2019」

上野で隠れた名品を探そう!「藝大コレクション展2019」

更新日:2019/05/13 17:13

望月 彩史のプロフィール写真 望月 彩史 美術・西洋文化史ライター

東京藝術大学のコレクションの一部を、年に一度纏めて見ることができる機会、それが「藝大コレクション展」です。開校以来、日本の美術界をリードしてきた東京藝術大学。古美術から、黒田清輝や高橋由一といった卒業生の作品まで、約3万点を収蔵していますが、常設展示室がないためコレクションを見る機会は実は限られています。「藝大コレクション展」は数少ないチャンス!今回の展覧会の楽しみ方をご紹介します。

これは見逃せない!「藝大コレクション展2019」の目玉作品

これは見逃せない!「藝大コレクション展2019」の目玉作品

写真:望月 彩史

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まずは「藝大コレクション展2019」で注目となる、目玉作品をご紹介しましょう。

右は、明治時代の洋画家黒田清輝による、フランス留学中の代表作の一つ《婦人像(厨房)》。光の当たる農家の入口に腰かけた若い女性を、落ち着いた色合いで捉えています。

左は、本展の広告画像にもなっているフランスの画家ラファエル・コランによる、ギリシア神話の一場面《田園恋愛詩》。コランの名前を知っている人は少ないかも知れませんが、彼の下では、黒田清輝をはじめとする多くの日本人画家が学び、大きな影響を受けたという重要な画家。今回は、師弟の作品が並んで展示されるという貴重な機会です。

画像
右:黒田清輝《婦人像(厨房)》明治25年
左:ラファエル・コラン《田園恋愛詩》1882年

これは見逃せない!「藝大コレクション展2019」の目玉作品

写真:望月 彩史

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学校の教科書にも掲載してある有名な作品、高橋由一《鮭》も見ることができます。赤身から鱗、皮や鰭までも、真に迫った表現は必見。写真や印刷物では伝わらない魅力をぜひご覧ください。

写真
高橋由一《鮭》明治10年頃

こんな作品も!イギリスに学んだ近代日本人画家たちの魅力

こんな作品も!イギリスに学んだ近代日本人画家たちの魅力

写真:望月 彩史

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「藝大コレクション展2019」では、今まであまり展示する機会がなかった作品を纏めて紹介しています。広く知られていない名品に出会うチャンスでもあります。

こちらは「イギリスに学んだ画家たち」コーナー。先ほどご紹介した黒田清輝をはじめ、近代の日本人画家たちの多くがフランスで学んだことはよく知られていますが、実は留学先にイギリスを選んだ画家たちも少なくありませんでした。

右の絵の作者・原撫松は、留学先の美術批評家に賛辞を送られ、美術雑誌に作品も掲載された画家。柔らかな光の当たった裸婦像の静かな美しさに注目です。

写真
右:原撫松《裸婦》明治39年
左:同《ヴァイオリンを弾く男》(第1期展示)

こんな作品も!イギリスに学んだ近代日本人画家たちの魅力

写真:望月 彩史

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こちらの3枚の絵の作者・南薫造は、イギリスで活躍したアメリカ人画家ホイッスラーの影響を受けた画家。右の《夜景》は、色彩のハーモニーを描いたホイッスラーの「ノクターン・シリーズ」を思わせます。

他にも、ラファエル前派のロセッティの作品の模写なども展示しています。東京駅近くの三菱一号館美術館では、丁度「ラファエル前派の軌跡」展を開催中なので、併せて見ると楽しめますよ。

写真
右:南薫造《夜景》明治41年頃
左:同《街を望む》《夜の河べり》(第1期展示)

明治を知る、藝大の歴史を知る

明治を知る、藝大の歴史を知る

写真:望月 彩史

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東京藝術大学の前身となる東京美術学校が開校したのは、1889年(明治22年)2月。開国間もない日本が欧米列強に並び立つには、文化政策も大事。西洋風の建築物が街に増えたように、美術もまた、西洋の最新流行スタイルを取り入れると共に、日本美術独自の在り方を模索していった時代でもあります。

その中心となったのが、東京美術学校。初期の学校を主導したのは、画像の作品のモデルとなっている岡倉天心です。東京美術学校の歴史は、近代日本美術史とその教育史そのもの。「藝大コレクション展2019」では、その側面にも光を当てています。

写真
下村観山《天心岡倉先生(草稿)》大正11年(第1期展示)

明治を知る、藝大の歴史を知る

写真:望月 彩史

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こちらの写真の一番左に写っているのは、イギリスのルネサンス時代の画家ハンス・ホルバイン(子)による《カンタベリー大司教ウィリアム・ウォーラム像》を、日本人画家の岡田三郎助がイギリスで模写してきた作品です。

実は、政府による給費留学を果たした画家たちは、ヨーロッパ名画を模写して、日本にもたらすという重要な役目も担っていました。今日のようにカラー図版が手軽に手に入れることもできず、展覧会で現物が来日するという機会もなかった時代の苦労が偲ばれますね。

明治を知る、藝大の歴史を知る

写真:望月 彩史

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また、5月14日(火)から始まる展覧会の後期では、19世紀のヨーロッパで大流行したジャポニスム(日本趣味)にも大きな影響を与えた官営の工芸品製作・輸出会社「起立工商会社」が手掛けた、工芸図案を纏めて展示します。起立工商会社は、日本最初の貿易会社として、パリやニューヨークにも支店を出していました。近代日本の工芸だけでなく、ヨーロッパの美術にも影響を与えた会社のデザインに注目です。

このように「藝大コレクション展2019」は、明治という時代とその頃の美術などを知ることもできる展示となっています。

東京藝大のコレクションを見に上野へ行こう!

東京藝大のコレクションを見に上野へ行こう!

写真:望月 彩史

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いかがでしたか?

「藝大コレクション展2019」では、今回を逃すと次はいつ公開されるかわからない作品も数多く展示してあります。東京藝術大学のコレクションをぜひ楽しんでくださいね。

展覧会の規模は小さめなので、上野の他の博物館や美術館などと併せて行くのもオススメです。

※会期中に展示替えがあります。記事掲載の作品の一部が展示されていない時期もあることをご了承ください。

藝大コレクション展2019の基本情報

会場:
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1

住所:東京都台東区上野公園12-8
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)

会期:
第1期 2019年4月6日(土)〜5月6日(月・休)
第2期 2019年5月14日(火)〜6月16日(日)
※大幅な展示替えがあります。
午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日:月曜日

観覧料:
一般430円(320円)、大学生110円(60円)、高校生以下及び18歳未満は無料
※( )は20名以上の団体料金
※団体観覧者20名につき1名の引率者は無料
※障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料

アクセス:
JR上野駅(公園口)、東京メトロ千代田線根津駅(1番出口)より徒歩10分
京成上野駅(正面口)、東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅(7番出口)より徒歩15分

2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/04/20 訪問

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