写真:スズキ ミズエ
地図を見る場所は南米大陸の赤道直下の国、エクアドルのクエンカから西に約30キロのところにあります。クエンカの街は世界遺産の文化遺産に登録されるほど、コロニアルな街並みが美しい場所です。実はこの街の名産はパナマ帽。パナマで作られるのではなくこのクエンカで作られていたのです。そしてこの街が「カハス国立公園」へ向かう拠点となります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るヨーロッパの雰囲気が漂うクエンカからバスに揺られて約2時間、標高約3900メートルのところに「カハス国立公園」はあります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るちなみにクエンカの標高は富士山五合目とほぼ同じで約2500メートル。一気に1400メートルも登ることになります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るここはチリからベネズエラに続くアンデス山脈の一部になります。6000メートル以上の山々が連なるアンデス山脈の中では、4000メートルでは名前のない山々がほとんどです。
この国立公園は最も高いところで標高4450メートル、敷地面積285.44平方キロメートル(東京ドーム約6073個分)というとてつもなく広大な土地に270を超える湖が点在しています。
湖はほとんどが氷河期に山が削れてでできたもの。最も大きな湖はルスプ湖で東京ドーム約16.6個分の面積があり、深さは最も深い所で68メートルもあります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るこの場所は近くの太平洋から来る暖かく湿った空気と高地という場所が混ざって、特有の景観と植物を生み出しました。その一つがパラモです。パラモとは標高が高い場所でありながら、亜熱帯の生態系をもつ場所を指し、世界でも中南米の一部にしか見ることができません。
この場所は森林限界を超えているので高い木は存在せず、逆にイネ科のフサフサした植物が公園の山々を覆いつくし、断熱と適度な保湿の役割を果たしています。
そんな特殊な環境のため、この国立公園は国際自然保護連盟(IUCN)の指定国立公園に認定されています。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る公園の名前でもある“カハス”という名前の由来は、先住民ケチュア族の言葉で“カッサ(雪山へ続く道)”、又は“カサ(寒い)”からと言われ、のちにこの国を支配したスペイン人がスペイン語の“カハ(箱)”に音が近く、箱のように湖がいくつもあるためカハス(箱の複数形)と呼ぶようになりました。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る公園内にはトレッキングコースが8つあり、日帰りで景色を楽しみながら歩くコースから釣りをしながらキャンプをして周るコースもあります。道中では貴重な高山植物や野生動物に出会えることもあります。日帰りコースでは初級から上級まであり、管理事務所にはそれぞれのルートの他に距離や高低差、所要時間などが記された表があるので自分の体力にあったコースを選ぶことができます。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る初級コースはアップダウンの少ない、点在する湖を巡るコースで子供でも簡単に歩くことができます。上級コースでは距離は短いですが、少し山を登って上から湖や遠くにまで続く公園の山々を眺めることができます。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る公園内はほぼ手付かずの自然なので、コースの道も自然そのまま。ほとんどの道が未舗装です。しかしコースはそれぞれ色分けされ、分岐点では各コースごとの色の矢印が行く方向を指しているので大丈夫です。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るパルマでは様々な動植物を見ることができます。特に色鮮やかな高山植物はまさに宝石のような色合いです。
写真:スズキ ミズエ
地図を見る湖周辺は湿地が多く、色々な種類の苔が毛布のように敷き詰められています。苔は意外と硬く、その上を歩くとぷよぷよと水の上を歩いているような不思議な感覚です。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るまるでサンゴのような赤い苔もあります。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るこの「プヤ・クラバ・ヘルクレス」はパイナップル科の一種ですが、高地で亜熱帯気候の場所のみにしか生息しない固有種です。細長く棘のある葉からは長い茎が伸び、その長さは長いもので10メートル近く伸びるものもあります。茎の周りには花序と呼ばれる花びらが無数に生えて、その間から青い小さな花が顔を出します。しかしこの花は“百年に一度の花”と呼ばれる通り、40年周期に咲くので、もし見ることができたらラッキーですね。ちなみに一度咲いた花はその後、枯れてもう二度と咲くことはないのです。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るこのプヤの花序の部分はまるでラクダの毛のように、硬い繊維で守られています。これも寒さを防ぐための防衛策です。
写真:スズキ ミズエ
地図を見るいかがでしたか?まだまだ紹介できなかった高山植物がいっぱいある「カハス国立公園」。登山好きの人はもちろん、体力に自信がない人でも気軽に高地の自然を体験することができます。日本では見られない珍しい高山植物や野生のリャマに出会える可能性も!特異な自然環境のトレッキングはちょっと他では味わえない楽しさがあります。ぜひ訪れてみてください。
尚、管理事務所では公園内の紙の地図はないので、壁にあるルート地図の写真を事前に撮っておくことをおすすめします。とても広いのでなるべく早く出発し、そして高地なので暖かい格好で無理せず、ゆっくり進んでください。
アクセス:クエンカの長距離バスターミナルからグアヤキル行きバスに乗り、国立公園前で下車。
電話番号:+593-7-237-0127
管理事務所の営業時間:8:00〜16:30
入場料:無料(ただし管理事務所にて名前と国籍、パスポート番号を登録)
2019年5月現在の情報です。最新の情報などは公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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