写真:小々石 曲允子
地図を見る19世紀末にヨーロッパで誕生した魔法瓶は、20世紀初頭、明治時代末期に日本にも輸入されるようになりました。
大正時代には日本国内でも魔法瓶の製造が始まりましたが、魔法瓶の中瓶を請負製造する象印マホービンの前身、市川兄弟商会が創業したのも1918(大正7)年。終戦後の1948(昭和23)年に本格的に自社製造販売を開始し、今日に至ります。
そのような魔法瓶の誕生から、国内の業界及び象印マホービンにおける魔法瓶の進化のヒストリーに触れることができるミュージアムが「まほうびん記念館」です。
写真:小々石 曲允子
地図を見る見学(予約制)の際には、社員の方が来館者に付き添って案内をしていただけるシステムになっています。
「魔法瓶」というテクノロジー製品らしからぬ何とも可愛らしい名称の由来を始め、象が社名やシンボルに採用された背景など、会社や製品にまつわる様々な歴史・豆知識もガイドによって知ることができ、まさに目からウロコの連続。楽しみながらも、ちょっとだけ賢くなれますよ。
写真:小々石 曲允子
地図を見るまほうびん記念館のエントランス付近には、「デュワー瓶」と呼ばれるイギリス人デュワーが製作した魔法瓶の原型シンボルが展示されているほか、保温・保冷技術の仕組みや工夫などがわかる「真空のふしぎ体感コーナー」、アニメーション映像のコーナーが設けられています。
また魔法瓶における技術的デザイン的進化のプロセスが、当時のレトロな製品とともにわかりやすく解説された展示もありますので、こちらも必見です。
写真:小々石 曲允子
地図を見る館内左サイドから奥の壁面に沿っては、「暮らしを創る象印マホービンの100年」と題して、これまでに発売された象印の製品が時代を追う形で展示されています。
デザイン的な見どころはやはり、1960年代後半から70年代にかけて流行したカラフルな花柄やレトロポップなデザインの調理器具が並んだ一角でしょうか。
昔、実家や田舎の祖父母の家に同じものがあったということで懐かしがられる来館者の方もかなり多く、何人かで一緒に行くと盛り上がれて楽しいかも知れませんね。
当時を知らない方も、現代の調理器具には見られないとびきりキュートなルックスにココロときめくはず!
ただ、そうした一見デザイン優先のようにも見える可愛い製品たちの中に、「世界初の電子ジャー」などのエポック的な名品がさりげなく含まれていたりするのが凄いところでもあります。技術が飛躍的に発展した時代でもありますし、実は見た目だけではないよ、ということなのですね。
写真:小々石 曲允子
地図を見るまた、特に80年代頃までにかけては、カップ麺専用の魔法瓶「らーめんポット」や握り寿司が作れるクッキングトイなど、ユニークな発想のプロダクトがいくつも見られますので、そこも注目していただきたいポイントです。
ニッチ過ぎてアイデア倒れに終わったものも中にはあるようですが、かえってその時代の業界やものづくり現場の空気感まで伝わってくるようで、面白みがあります。
もちろん、見守り機能搭載のi-PoT(アイポット)など平成に誕生した画期的なアイデア製品も数多く展示されていますよ。
写真:小々石 曲允子
地図を見るフォトジェニックなコーナーでもあり、家族や友人に写真を見せる、個人のブログやSNSに載せるなど私的利用での撮影はOKですので、親しい人との間で想い出やレトロ趣味をシェアするのも楽しいかと思います!
写真:小々石 曲允子
地図を見る歴代の象印製品がズラリと展示されたウォールの間に、1箇所だけ魔法瓶型にくり抜かれた小さな入口があり、その向こう側にランプの明かりに照らされたスペースが広がっています。
「まほうびんの森」と名付けられた展示ルームです。
なお、この入口の形は、象印の戦後第一号製品として発売された「ポットペリカン」という魔法瓶のフォルムをかたどったものです。
中から洩れてくる暖かなランプの灯とも相俟って、メルヘンチックで可愛らしいエントランスですよね。
写真:小々石 曲允子
地図を見る「まほうびんの森」は、記念館に現存する多数の収蔵資料の中から、色柄や素材、機能などテーマ別にセレクトされた魔法瓶や水筒などが展示されているスペースです。
象印に限らず、様々なメーカーの製品が集められており、ここではポピュラーな売れ筋商品とはひと味違う個性派の逸品と出会うことができます。
企業ノベルティーや景品用に製作されたもの、有名ブランドやアーティストとのコラボによるもの、メモリアルボトルなど、一般的にはほとんどお目にかかれないレアな製品も多く、なかなか見応えがありますよ。
写真:小々石 曲允子
地図を見るレアということでは、あの戦後の東京裁判の法廷内に置かれていたものと同型の有田焼の魔法瓶が、置かれていた実際の状況がわかる当時の写真とともに展示されています。教科書にも載る歴史的場面に関わった貴重な品を見ることができますので、是非お見逃しなきよう。
さらには、他社製も含めた美しい花柄モデルの魔法瓶や水筒がこちらにもたくさん展示されていますのでお楽しみ下さいね!
写真:小々石 曲允子
地図を見る魔法瓶を満喫した後は、さらに懐かしいひとときに浸れるシアタールームへ入ってみましょう。
シアタールームでは、象印マホービン百年の歩みをまとめたドキュメント映像と共に、昭和〜平成に放送された象印のテレビCM集を見ることができます。
レトロな魔法瓶や調理器具の展示品を見るだけでも十分懐かしいのですが、それらが新商品として華やかに売り出されていた当時のCMを見ると、ますますその時代の空気感がうかがい知れて興味が倍増します。
往年の名女優である栗原小巻さんや岩下志麻さん、タモリさんや桂文枝師匠、竹下景子さん、賀来千香子さんなど、出演されている大御所スターの方々のお若い頃の姿を拝見できるのもとても楽しいので、是非チェックしてみて下さい!
写真:小々石 曲允子
地図を見るシアタールームにはそのほか、冊子や書籍などの各種資料と、来館者が無料で貰えるお土産が置かれています。
写真にあるのは花柄のレターセットとマスキングテープ、ボトル型のマルチ缶ですが、この他にも可愛いグッズがいくつか用意されていますので、お好みのものを選んでいただいて帰ってくださいね!
さあ、「まほうびん記念館」をご紹介してまいりましたが、いかがでしたか。
ここでしか見られないレトロなアイテムや歴史的資料を無料で見学できる上にお土産までいただけるということで、嬉しいお得感いっぱいのミュージアム。是非ご堪能くださいね!
写真:小々石 曲允子
地図を見る住所:大阪府大阪市北区天満1-20-5(象印マホービン株式会社 本社1F)
電話番号:06-6356-2340(予約受付時間 平日10:00〜16:00)
開館時間:平日 午前10:00〜12:00、午後1:00〜4:00(最終入館午後3:00) 土日祝日及び会社の休日などは閉館
入館料 : 無料
見学の目安:約1時間
最大見学人数:約20名(予約時にご相談ください)
アクセス : 大阪メトロ「南森町」駅、JR「大阪天満宮」駅より徒歩約7〜8分、もしくは大阪メトロ「天満橋」駅・京阪電車「天満橋」より徒歩約10分
※見学は事前予約制。上記電話番号にご連絡の上、日時を事前予約して下さい。
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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