このシュールな光景は何?幕末に建造された兵庫県「西宮砲台」

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このシュールな光景は何?幕末に建造された兵庫県「西宮砲台」

このシュールな光景は何?幕末に建造された兵庫県「西宮砲台」

更新日:2019/05/27 11:47

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

兵庫県西宮市といえば、たくさんの酒蔵が居並ぶ日本酒の街。しかし、そんな西宮市の浜辺に巨大な謎の建造物が存在すること、ご存じですか?西宮市民が散策したり、バーベキューなどを楽しだりしているかたわらにひっそりたたずむその姿は異様で何ともシュール!今回は幕末に建造された謎の「西宮砲台」をご紹介しましょう。

住宅街の向こうに現れるシュールな光景!前浜に立つ「西宮砲台」

住宅街の向こうに現れるシュールな光景!前浜に立つ「西宮砲台」

写真:乾口 達司

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JR線・阪神線・阪急線が集中する兵庫県西宮市の市街地から南に向かうと、その先には前浜(香櫨園浜)と呼ばれる砂浜が広がっています。今回、ご紹介する「西宮砲台(にしのみやほうだい)」は、その前浜にぽつんと残されています。

写真は住宅街の向こうに上部を覗かせている西宮砲台。閑静な住宅街に突如姿を見せる光景、何ともシュールだと思いませんか?

住宅街の向こうに現れるシュールな光景!前浜に立つ「西宮砲台」

写真:乾口 達司

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こちらは前浜と住宅街とをつなぐ階段を降りて来る人たちを写した一枚ですが、ここからは西宮砲台の巨大さがうかがえます。

勝海舟ゆかりの近代化遺産「西宮砲台」

勝海舟ゆかりの近代化遺産「西宮砲台」

写真:乾口 達司

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西宮砲台は、その名のとおり、砲台として建造された施設で、国の史跡となっています。黒船の来航以降、海防の強化に乗り出した江戸幕府は勝海舟の建議を取り入れ、大坂湾警備のため、1863年(文久3)、和田岬砲台や今津砲台などの建造に着手。西宮砲台もその一環として建造され、1866年(慶応2)に完成しました。いわば、現存する日本の近代化遺産の一つです。

西宮砲台は高さ約12メートル、直径約17メートルの巨大な円堡。御影石(花崗岩)を組み合わせることによって築造されていますが、軟弱な地盤である砂浜に建造されているため、1541本の松杭が打ち込まれ、基礎部分を支えています。

勝海舟ゆかりの近代化遺産「西宮砲台」

写真:乾口 達司

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外壁は漆喰で塗り固められています。よく見ると、胴体部をぐるりと取り巻くようにご覧のような開口部が11箇所見られます。これは砲眼で、ここから大砲が発射されるように設計されており、海側だけでなく、全方位の外敵に対応する構造となっていました。しかし、完成後に試し撃ちをするものの、砲煙が内部に充満して使いものにならず、結局、一度も使われないまま、近代を迎えることとなりました。

勝海舟ゆかりの近代化遺産「西宮砲台」

写真:乾口 達司

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写真は西宮砲台を北側(陸地側)から撮影した一枚。先ほどご紹介した砲眼に挟まれるように、砲眼よりも少し縦型の開口部が設けられているのが、おわかりいただけるでしょう。これは陸地側からの指示を受けるための窓です。

崩れゆく貴重な近代化遺産!胴体部の様子

崩れゆく貴重な近代化遺産!胴体部の様子

写真:乾口 達司

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基礎部分はぐるりとコンクリートで固められています。もちろん、これは西宮砲台を保存するために後年になってからほどこされたもの。

崩れゆく貴重な近代化遺産!胴体部の様子

写真:乾口 達司

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しかし、築造から150年以上を経ていることもあり、これまでに何度か修復がなされていても、外壁の崩れが見られます。崩れゆく貴重な近代化遺産、守りたいですね。

西宮砲台ゆかりの遺構

西宮砲台ゆかりの遺構

写真:乾口 達司

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西宮砲台の西側には、ご覧のような土盛りが見られます。これは砲台を取りかこんでいた土塁状の施設の名残りであると推定されます。

西宮砲台ゆかりの遺構

写真:乾口 達司

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砲台の北側、防波堤の北側にある写真の標柱は、1922年(大正11)、西宮砲台が国の史跡となったことを顕彰して建立されたものです。

日常のなかに溶け込む西宮砲台

日常のなかに溶け込む西宮砲台

写真:乾口 達司

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築造から150年以上の歳月を経て、西宮砲台の周囲の街並みは様変わりしましたが、西宮砲台はその景観にうまく溶け込んでいます。前浜を訪れる人たちも西宮砲台をことさら意識することなく、思い思いの余暇を楽しんでいます。良い関係が構築されていますね。

日常のなかに溶け込む西宮砲台

写真:乾口 達司

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こちらでは若者たちがバーベキューを楽しんでいます。その向こうにひっそりたたずむ西宮砲台。150年前、海防の危機意識から生まれた西宮砲台の「いま」「ここ」もあわせてご覧ください。

いかがでしたか?西宮砲台がいかに貴重な近代化遺産であるか、おわかりいただけたでしょうか。特別公開のとき以外は内部への立ち入りは許されていませんが、その外観だけでも充分魅力的ですよ。西宮砲台の勇姿、ご堪能をください。

西宮砲台の基本情報

住所:西宮市西波止町
アクセス:JR西宮駅より徒歩約30分

2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/04/06 訪問

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