リスボンの北東約130キロに位置する自然豊かな街トマールには、12世紀に「テンプル騎士団(キリスト騎士団)」の本拠地となったキリスト修道院があります。
丘の上に建ち圧倒的な存在感を放つこの修道院は、大航海時代を切り開いたエンリケ航海王子や、のちのポルトガル黄金期を気づいたマヌエル1世により増改築を繰り返し造られた為、ポルトガル最大、そして最古の修道院となっています。
1983年にユネスコの世界遺産に登録されています。
800年以上の歴史がある「タブレイロスの祭り」は、ポルトガルで最も華やかなお祭りの1つとして知られ、国内はもちろん、世界的にも類を見ないほどの大規模で伝統的なお祭りです。
2015年に行われた前回は、世界中から60万人以上の観光客が訪れました。
このお祭りは、15世紀にスペインから嫁いだイザベラ王妃が街の貧しい人々にパンやワインをお盆に載せて配ったことに由来しています。
お祭り期間中は、地元トマールの郷土菓子を販売する屋台やコンサート、闘牛、夜は打ち上げ花火など様々な催し物が行われますが、お祭りのハイライトは何といっても、白い伝統衣装をまとった500人もの成人女性達が、自分の背丈以上もあるタブレイロと言われるお盆を頭にのせて街を練り歩く壮大なパレードです。
お盆に積み上げられたパンは合計30個、その間に編み込まれた鮮やかな花のトップには王冠や十字架、聖霊の象徴である白い鳩が乗せられ、その重さなんと15キロ以上にもなります。
15キロ以上のお盆を頭に載せるだけでも血の気が失せそうですが、それを夏の炎天下の中、街の中心部まで約5キロの道のりを笑顔で練り歩く500人もの女性達には、大勢の観客から声援と惜しみない拍手が送られます。
タブレイロスが倒れない様バランスを取りながら歩く女性には、リボンと同色のネクタイを付けた男性が介添え人として一緒に歩きますが、決して女性達の代わりにタブレイロスを運んであげることはしないのです。
見どころはパレードだけではなく、お祭の期間中はトマールの街全体が様々なデコレーションで飾られ華やかになります。
1つ1つの通りごとにテーマがあり、すべて住民たちによる手作りのデコレーションです。実は、どの通りが最も美しいか競っているので、どの通りもプロ級の出来栄え!
街のシンボル、テンプル騎士団のテーマカラーで装飾されたバルコニーや、花の絨毯で飾られる通りもあり、路地を覗く度にそれぞれ違ったディスプレイが目を楽しませてくれます。
トマールへは、首都リスボンから鉄道で約2時間の旅。バスでもアクセス可能ですが、お祭り期間中はとにかく大混雑!一時的な道路閉鎖などもありますので、鉄道利用が無難です。リスボンから日帰り可能ですので、この期間にポルトガルを訪れる方は、是非4年に一度の貴重なお祭りを体験してみてください。
「テンプル騎士団(キリスト騎士団)」の歴史的背景やお祭りの由来を知っていると、ますます滞在が楽しくなるはずです。
開催期間:2019年6月29日〜2019年7月8日
会場:トマール
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索