写真:中三川 洸太
地図を見る白神山地の東側、旧羽州街道の矢立峠付近に位置する相乗温泉は、約80年前に森のマタギによって発見された温泉で、一時期は大型レジャー施設として利用されていたこともありました。現在の施設は、看護学が専門の現女性オーナーが、効能豊かな湯を人々の安らぎの場に利用したいと、平成16年に再オープンしたものです。
外観だけを見ると、特に何の変哲もない、こじんまりとした建物のように思えます。
写真:中三川 洸太
地図を見るしかしながら、玄関から一歩中に入ると、地元の加工品や、宿のオーナーが作ったお菓子などが並ぶ、とても素朴でローカルな空間が広がっています。
また、こちらの右手奥の食堂では、常に地元の方々の津軽弁の笑い声が飛び交っており、一瞬で青森情緒に浸れます。
写真:中三川 洸太
地図を見るそして、浴場へと続く廊下はエントランスの雰囲気とまたガラッと変わります。天井が高く白を基調とした、お洒落で明るい空間。
外観からは想像しづらいほどに、地元感とすっきりとしたお洒落感を見事に両立させています。
写真:中三川 洸太
地図を見る相乗温泉のおすすめは何といっても露天風呂!内湯から外に出ると、緑の森が目の前に広がります。
露天風呂から見えるこの森は、ほぼ全てがカエデを中心とする天然林。また、濃い緑の杉の木も、珍しい天然杉です。この場所ならではの自然の豊かさを感じる光景で、新緑だけでなく、紅葉や雪景色も素晴らしいものがあります。
そしてその下に、3本の透明な単純温泉をミックスした、広い岩風呂があります。源泉かけ流しで温度は適温、のんびりと長湯することが出来る、湯治向きのお湯です。その心地よさに、ついウトウトと眠ってしまわないようご注意ください。
写真:中三川 洸太
地図を見るさらっとした単純温泉とは対照的に、湯の濃厚さを感じたいなら、単純温泉の湯船の手前にある小さな浴槽に入ってみましょう。こちらが、相乗温泉の開湯当初から利用されてきた塩化物泉の「赤湯」で、玄関の前から湧いている湧きたてのお湯です。
泉質名のとおりの塩化物イオンのほか、炭酸成分や鉄分も多く含んだ茶色いお湯で、よくあたたまり保温効果が持続します。入った時に体にまとわりつく泡も面白いですよ。
ただし泉質の影響で夏はアブが多いので、その点はご注意ください。
写真:中三川 洸太
地図を見る露天風呂の単純温泉の湯が気に入ったら、同じ源泉の内湯にじっくりつかってみるのもおすすめです。内湯は使い勝手の良いシンプルな造りで、素朴ですが清潔感があります。
また、単純温泉ながら、美肌成分のメタケイ酸や硫酸イオンなど多くの成分をバランス良く含んでいることも、このお湯のおすすめポイントです。
写真:中三川 洸太
地図を見る相乗温泉をよりゆっくりと、よりプライベートに楽しみたいという方におすすめなのが、貸し切り露天風呂付客室です。こちらの宿の山側の客室には露天風呂が付いており、宿泊だけでなく日帰りでも利用できます。
客室はどこも8畳間に広縁が付いており、女性オーナーの感性が活かされたシンプルでセンスの良いデザインです。
写真:中三川 洸太
地図を見る露天風呂はそれぞれの部屋毎にデザインが異なります。こちらは「ききょう」のお部屋の露天風呂です。窓から外に出ると、黒壁の東屋風の建物があり、暖簾の奥に露天風呂があります。
写真:中三川 洸太
地図を見る木造の風情ある貸し切り露天風呂からは、大浴場と同様に周囲の森の木々を望むことができ、雰囲気満点。風呂に投入される湯は刺激の少ない単純温泉なので、のんびりと長湯を楽しめます。
因みにこの「ききょう」のお部屋と隣の「ゆり」のお部屋の露天風呂は、左右対称で、ほぼ同じ造りです。その他、足の悪い方向けに、窓のすぐ前に露天風呂がある「はぎ」のお部屋などがあります。気になる方は施設に問い合わせてみてください。
「相乗温泉 羽州路の宿あいのり」には、素朴で小さな一軒宿、津軽弁、湯治向きの2種の湯、森に抱かれた露天風呂といった、みちのくの温泉的な癒し要素が沢山あります。その一方で、小綺麗で快適な居心地の良いお宿であるため、いつの間にかリラックスしている…それが、この宿の最大の魅力です。
また、相乗温泉のある秋田と青森県境の矢立峠付近には他にも日景温泉や古遠部温泉などの魅力的な一軒宿があり、こちらを拠点に両県の湯めぐりを楽しむのもおすすめです。
癒しの相乗温泉ワールドを、皆さんもぜひご体感ください。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索