イタリアの古都「ラヴェンナ」はモザイク芸術の宝庫

イタリアの古都「ラヴェンナ」はモザイク芸術の宝庫

更新日:2019/09/27 17:14

car minのプロフィール写真 car min ドイツ在住旅行ブロガー
5世紀から8世紀に、歴史の中心の首都であった「ラヴェンナ」は、ボローニャから東に約90kmに位置する古都。当時の美しい初期キリスト教モザイク画が多く残っていて、その多くはユネスコの世界遺産に登録されています。小さいながらも、見所がぎっしり詰まった町は、日帰りより泊まりで訪れるのがお勧め!

ツアーの行程や日帰り旅行で訪れるだけでは見逃しそうな、「ラヴェンナ」の魅力的なスポットをご紹介します。

古都「ラヴェンナ」にはダンテも

古都「ラヴェンナ」にはダンテも

写真:car min

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ラヴェンナは、古代ローマ時代から中世にかけて繁栄した都市。しかし、6世紀末から急速に衰退し、再び重要な都市にはなりませんでした。そのため、多くの教会等が、保存の良い状態で現在まで残ることに。そして「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」は1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ラヴェンナの世界遺産に指定されている主要な建造物の内5か所は、共通チケットで 巡れるようになっていますが、それ以外にも見どころはいっぱい!

古都「ラヴェンナ」にはダンテも

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レンガ造りの建物に挟まれた石畳の小路を歩いて行くと、正面に陽の光を浴びて輝くダンテの廟堂を見ることができます。

イタリアを代表する詩人、ダンテ・アリギエーリは、政治的対立により出生地フィレンツェを逃れ、晩年をラヴェンナで過ごすことに。そのため、彼の廟堂はラヴェンナの町の一角にたたずんでいます。

古都「ラヴェンナ」にはダンテも

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廟堂の中、石棺の上には、読書姿のダンテを描いたレリーフが。このレリーフは廟堂よりも約300年前に彫られたもので、元々はサン・フランチェスコ聖堂に置かれていました。

有名なダンテの「神曲」は、このラヴェンナの地で完成。ダンテが、遠い昔に考え事をしながら、同じ街角を歩いていたかもしれませんね。

<基本情報>
住所:Via Dante Alighieri, 9, 48121 Ravenna
アクセス:ポポロ広場から徒歩約3分

水に眠るモザイク

水に眠るモザイク

写真:car min

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ダンテの廟堂のすぐ裏手には「サン・フランチェスコ聖堂」が。5世紀にラヴェンナの司教ネオーネによって建造されたといわれています。

水に眠るモザイク

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この教会の中にも、聖ペテロと聖パウロを描いたモザイク画がありましたが、改修後に撤去され、現在はとてもシンプルな内装に。しかし、注目すべきは祭壇の下の小窓なんです!

水に眠るモザイク

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そのまま覗くと真っ暗ですが、小窓の横に1ユーロコインを入れると明かりがつき、そして、眼下には水中に眠るモザイク画が!ここは地下の納骨堂のあった場所が浸水したもの。金魚も泳いでいるので、宝探し感覚でじっくり観察してくださいね。

<基本情報>
住所:Via Guido da Polenta, 6, 48121 Ravenna
電話番号:+39-0544-33256
アクセス:ポポロ広場から徒歩約3分
開館時間:平日7:00〜12:00、15:00〜18:00(冬期は16:00)

小さな洗礼堂の中にもモザイク画が

小さな洗礼堂の中にもモザイク画が

写真:car min

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「アリアーニ洗礼堂」(Battistero degli Ariani)は、キリスト教の一流派、アリウス派の洗礼堂。ネオニアーノ洗礼堂(Battistero Neoniano)をモデルに、東ゴート王国の創始者テオドリック王によって建設。現存するアリウス派の建造物は少なく、建物自体が貴重な存在となっています。

小さな洗礼堂の中にもモザイク画が

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石造りのシンプルな建物は、八角形で4つの小さな外枠をもち、天井のドーム部分に色彩豊かなモザイク画が残されています。

小さな洗礼堂の中にもモザイク画が

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モザイク画のモチーフは、ヨハネの洗礼を受けるイエス像。水の中で透けるイエスの姿がまるで絵画の様にも見えます。洗礼を受けるキリストの周囲には十二使徒の姿も。ネオニアーノ洗礼堂と似た構図ですが、こちらの方が輪郭線がハッキリしているのが特徴。

<基本情報>
住所:Piazzetta degli Ariani, 48121 Ravenna
電話番号:+39-0544-543724
アクセス:ポポロ広場から徒歩約4分
開館時間:8:30〜19:30

郊外の聖堂にもビザンチンの美が

郊外の聖堂にもビザンチンの美が

写真:car min

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「サンタ・ポリナーレ・イン・クラッセ聖堂(Basilica di Sant’Apollinare in Classe)」は、ラヴェンナ郊外にあるビザンチン建築の教会堂。聖堂のあるクラッセは、かつては港町で栄えていましたが、現在は平原の中に畑が広がるのどかな風景に。

郊外の聖堂にもビザンチンの美が

写真:car min

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正面の壁面部分には、聖堂の中に唯一残る美しいモザイク画が。預言者モーゼと預言者エリヤに守られている瑠璃色の円形の中には、巨大な黄金の十字架が。そして、預言者の下にいる3匹の白い羊は、ペテロ、ヨハネ、ヤコブを、意味しているといわれています。

<基本情報>
住所:Via Romea Sud, 224, 48124 Classe
電話番号:+39-0544-473569
アクセス:ラヴェンナ駅前バス停からバスで約15分
営業時間:月〜金8:30〜19:30、日・祝13:00〜19:30

ラヴェンナ名物のパスタも忘れずに

ラヴェンナ名物のパスタも忘れずに

写真:car min

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パルメザンチーズ、パルマの生ハムなど美食の地として知られている、エミリア・ロマーニャ地方に属しているラヴェンナ。地元の人もお勧めの「リストランテ カ・デ・ヴァン(Ristorante Ca de Ven)」は、ローカルなメニューが豊富。

ラヴェンナ名物のパスタも忘れずに

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入口にワインバーがあり、天井の高いレストラン内には、ワイン樽やモザイク画のレプリカなどで装飾され、旅行者や一人で食事を楽しむ地元の人々で賑わっています。

ラヴェンナ名物のパスタも忘れずに

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「カペレッティ・アル・ラグー」(Cappelletti al ragu)はラヴェンナの名物パスタ料理。 ボローニャから西のエミリア地方では「トルテリーニ」と呼ばれていますが、内容は少し異なります。チーズを包んだ「カペレッティ」には濃厚なミートソースが。粉チーズをめいっぱいかけて食べると至福の味わいに。

<基本情報>
住所:Via Corrado Ricci, 24, 48121 Ravenna
電話番号:+39-0544-30163
アクセス:ポポロ広場から徒歩3分
営業時間:火〜日11:00〜14:30、18:30〜22:30

1日では物足りない「ラヴェンナ」!

「ラヴェンナ」の町には素晴らしい見所がひしめきあっています。世界遺産に登録されている建造物だけでも8か所あり、ゆっくり見ようと思うと1日では物足りません。モザイク画も時間をかけて観ると、細かい部分に色々な細工があるを発見できます。

世界遺産の教会など5か所を共通券で足早に周ることもできますが、(下記メモ欄URLより関連記事)、それ以外にも魅力がいっぱいな「ラヴェンナ」旅行を、ぜひ、楽しんでくださいね。

2019年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/03/25−2019/03/29 訪問

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