花より太郎?大分「長安寺」神と仏と鬼が姿を変えて祀られる不思議なお寺

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花より太郎?大分「長安寺」神と仏と鬼が姿を変えて祀られる不思議なお寺

花より太郎?大分「長安寺」神と仏と鬼が姿を変えて祀られる不思議なお寺

更新日:2019/05/27 13:32

小野 浩幸のプロフィール写真 小野 浩幸 ミステリアス・スポット研究家

大分県国東半島は、六郷満山と呼ばれる独自の山岳仏教文化が花開いた土地です。長安寺は修行を目的とした寺院で、最盛時には約千人もの僧侶を統率する勢力を持っていました。別名「花の寺」とも呼ばれており、シャクナゲや紅葉の見頃を迎えると毎年多くの人出で賑わいますが、今回は日本唯一の太郎天という不思議な像をはじめ貴重な文化財や歴史の数々をご紹介いたします。

神仏習合に鬼が分け入った?国東半島の寺院とは

神仏習合に鬼が分け入った?国東半島の寺院とは

写真:小野 浩幸

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金剛山長安寺は、宇佐八幡神の化身である仁聞菩薩により718年に開創されたと云われています。

長安寺のある国東半島は神仏習合の日本の原点で、寺院の参道に鳥居があったり、奥の院が神社だったりという風景を見ることができます。その為、所蔵されている文化財も仏様のみならず、神像や神仏が混じりあったような不思議な造形だったりします。

さらに「鬼会(おにえ)」と呼ばれる僧侶が鬼の姿に扮して松明の火の粉を撒き散らす伝統行事も多くの寺院で古くから行われており、鬼にまつわる伝説や文化財も数多く残されています。

神が仏に、仏が神に、僧が鬼に?化身だらけの不思議な信仰

神が仏に、仏が神に、僧が鬼に?化身だらけの不思議な信仰

提供元:豊後高田市教育委員会文化財室

https://www.city.bungotakada.oita.jp/地図を見る

長安寺のご本尊は黄金色に輝く千手観音立菩薩で、阿弥陀如来坐像や十三仏などと一緒に本堂に祀られていますが、ここで一番貴重なお宝は「太郎天と二童子の像」(国指定文化財)で収蔵庫に他の文化財と共に保管されています。

真ん中の太郎天。パッと見た感じでは、聖徳太子の子どもの頃のような可愛い出で立ちでどちらかというと地味な印象を抱いてしまいますが、これが実は不動明王だというのですから驚かずにはいられません。

太郎天像の内部は、内刳り(うちぐり)と呼ばれる技法が施されており、湿度変化などで像が割れないようにくり抜かれていて、内部にはびっしりと墨書が書かれています。この墨書から、太治5年(1130年)に像が造られ、像が「太郎」と呼ばれていたこと、宇佐・都の僧侶・仏師が造像に携わったことなどが分かりました。頭頂部に不動明王を表す梵字が記されていることから、この像が不道明王だということが明らかになりました。脇の童子像は、不動三尊像でいう制吒迦童子・矜羯羅童子の化身ということになります。

元々、不動明王は大日如来の化身ですので、太郎天はあのコワモテな不動明王がさらに子どもの姿に変身した第三形態ということになります。さらに太郎天は仏像なのか、それとも神像なのかという疑問がわきますが、元は六所権現にあったらしいので、神像として祀っていたいうことになりますね。

神が仏に、仏が神に、僧が鬼に?化身だらけの不思議な信仰

提供元:豊後高田市教育委員会文化財室

https://www.city.bungotakada.oita.jp/地図を見る

国家安泰、五穀豊穣、無病息災を祈願して行われる鬼会では、僧侶が鬼の姿になって登場する見ごたえある祭礼なのですが、残念ながら長安寺では途絶えてしまいました。(国東半島で現在も鬼会が続いているのは天念寺、岩戸寺、成仏寺の三ヶ寺です)

鬼会で登場する鬼は、仏の化身だとかご先祖様が姿を変えて帰ってきたと信じられており、民衆にとっては大変ありがたい存在なのです。
長安寺では、鬼会で使われていた鬼会面を本堂にて見ることができます。各寺に残る鬼会面は、いずれもバラエティ豊かな表情、全て異なる赴きですので、見比べてみるのも面白いです。

神が仏に、仏が神に、僧が鬼に?化身だらけの不思議な信仰

写真:小野 浩幸

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国東半島寺院のもうひとつの特徴は、仁王像が石で造られていることです。こちらもコワモテのものから、思わず笑ってしまいそうなユルいキャラなど様々。
長安寺には、阿吽二対四対の石造仁王像が参道に向き合っています。狛犬の表情も緊張感がなくていいですね。

恐ろしいオオガンギの掟と鬼の化身伝説

恐ろしいオオガンギの掟と鬼の化身伝説

写真:小野 浩幸

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参道の終わりには巨大な石段があり、城壁のような石垣が連なり、此処からが浄域であることを示しています。この石段はオオガンギと呼ばれ恐ろしい云い伝えが残っています。

昔、鬼会を行った際、鬼に扮した僧侶が何かに憑かれたようにオオガンギを駆け下りた途端に本物の鬼になって村へ向って走り出したので、介護(付き添いの若者)が即座に首をはねたそうです。鬼会の鬼は浄域より外へ出てはならない掟があり、その境がオオガンギなのです。

いかがでしょうか。花で有名な長安寺ですが、このような歴史や文化財を通した楽しみ方も充実しています。

長安寺の基本情報

住所:大分県豊後高田市加礼川635
電話番号:0978-27-3842
参拝時間:8:00〜17:00
拝観料(収蔵庫):一般・高校生300円、小・中学生150円
※シャクナゲ時期は拝観料:200円
アクセス:JR宇佐駅から車で約25分

2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/05/05 訪問

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