写真:土庄 雄平
地図を見る本作の舞台となっているのは、小豆島アートプロジェクト代表・石井純氏の祖父母が暮らしていた古民家。伝統的な醤油蔵が連なる通りに、ひっそりと佇んでいます。奥行きのある入り口に風情があり、まるで故人の別荘へ足を踏み入れるような心持ち。この奥にある古民家全体がギャラリーとなっています。
写真:土庄 雄平
地図を見る本作の製作者「ジョルジュ・ルース氏」は、廃墟や取り壊し予定など無くなることが運命づけられた建物をキャンバスに幾何学的な絵を書いて、写真作品として残すアーティスト。今回は小豆島の古民家がそのキャンバスに選ばれました。しかし特筆すべきは「この古民家は壊されず残り続ける」こと!
つまり、これまで写真を撮影すると現場を取り壊してしまい、残された写真以外に、その空間が存在していたことを証明するものがなかった彼の作品ですが、今回2019年の瀬戸芸ではじめてその現場を観賞することができるのです。
写真:土庄 雄平
地図を見る古民家の玄関を入ってすぐ左手を見ると、金箔が施された16帖の広い和室が現れます。ジョルジュ・ルース氏の作品を観賞したことがない方は、最初どの点がアート作品なのだろう?と戸惑うかもしれませんが、とある点から作品を眺めてみて下さい!すると、この作品が意味するものが見えてきます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれは、和室という空間に現れる金箔の球体!まるで一つの空間の中に別の空間が生み出されたような不思議な情景を見せてくれます。役割を終えて、これから無くなっていく運命にある建物に、新たな息吹を吹き込むこのスピリチュアルな作風こそ同氏の真骨頂!その作品はさながら、その建物が滅ぶ寸前で鮮烈なイメージを表現することで、その空間での人の営みが忘れ去られないように鑑賞者の心へ訴えかけているようです。
写真:土庄 雄平
地図を見る建物の2階にも同様に、古民家の部屋に四角形を描いたアートが展示されています。こちらはルース氏の視点から見ることができないので、写真通りの四角形を眺めるのが難しいですが、同氏の製作現場の努力がよく伝わってきます。空間に点をプロットし、塗りつぶすという膨大な作業を経て創出される別の空間。部屋の隅々から、その作業の軌跡を読み解けば、まるで自分が作品製作に立ち会ったように錯覚し、感激すること間違いなし!
写真:土庄 雄平
地図を見る瀬戸芸アート「ジョルジュ・ギャラリー」のもう一つの魅力は併設されている「コヒラ・カフェ」でしょう。小豆島の建築集団「ドット アーキテクツ」によって、古民家の風情を思いっきり味わえるようにリノベーションされた離れとデッキで、オリジナルドリンク&スイーツを頂けますよ!
写真:土庄 雄平
地図を見る特に暑い夏には、瀬戸内名産の柑橘類を使ったスムージーが爽快で、とっても美味しいです!甘い手作りのタルトと一緒に、優雅な休憩時間を過ごしましょう。なお離れには、栩山孝氏と片山みやび氏のカラフルな作品も展示されており必見です!
写真:土庄 雄平
地図を見る何のことはないこれから忘れ去られる空間に、新たな息吹を吹き込み、鑑賞者の心に緊張を生み出すジョルジュ・ルース氏の作品。小豆島と世界的アーティストのコラボレーションは、ますます瀬戸内国際芸術祭を盛り上げています。これまで豊かな自然と文化という印象が強かった小豆島ですが、これからは「アートの島」という側面により焦点が当たっていきそうです。2019年瀬戸芸の注目度No.1作品をぜひご覧あれ!
作家:ジョルジュ・ルース(他 岸本康、栩山孝、片山みやび)
住所:香川県小豆郡小豆島町馬木881-9
アクセス:坂手港・草壁港から車で5分
設計=ドットアーキテクツ
協力=岡田萬治金箔加工美術
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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