写真:岡本 大樹
地図を見る「長岡花火」と呼ばれることも多いですが、新潟県長岡市で行われる花火大会は、毎年8月の1・2・3日に行われる「長岡まつり」というお祭りの中で開催されるもの。
初日は平和祭という形で、上げられる花火は3発のみ。花火大会はその後の2・3日に行われ、正式には「長岡まつり大花火大会」といいます。
写真:岡本 大樹
地図を見るお祭りの一部とはいえ、長岡まつりの場合やはりメインは花火大会。その規模は日本トップクラスで、2015年には「有名花火師が選ぶ花火大会厳選10選」で1位を獲得したこともあり、その評価の高さが伺えます。
総来場者数は100万人に上り、会場となる長岡駅から信濃川の間は相当な賑わいをみせます。
写真:岡本 大樹
地図を見る長岡花火を語る上で欠かせないプログラムが「復興祈願花火フェニックス」です。歌手平原綾香さんの『Jupiter』に合わせて打ち上げられるのですが、驚きなのはその曲の間中ずっと花火が上がり続けること。
しかも打ち上がるのは1ヶ所ではなく、川沿いに2kmにもわたるというのも驚きのポイントです。
もちろんその曲の中にもドラマがあり、フィナーレに向かってどんどん速く大規模な花火になります。その見応えは凄まじく、これを見るために長岡花火に行くという人もいるほどです。
動画:岡本 大樹
その迫力ある打ち上げを少し動画でご紹介。こちらはクライマックスに向かう少し前のフェニックスを撮影したものです。現場での熱量や迫力が少しは伝わるでしょうか。
このプログラムを見る際に知っておいて欲しいことが一つあります。それはフェニックスが誕生した経緯について。最初に打ち上げられたのは、2005年に遡ります。
2004年、新潟県は水害や豪雪といった自然災害によって被害を受けました。とりわけ新潟中越地震でのダメージは甚大で、その翌年に復興を祈願するという意味合いで打ち上げられたのがこのフェニックスでした。
写真:岡本 大樹
地図を見るその名前からもわかる通り、このプログラムがイメージしているのは不死鳥。災害を乗り越え、何度でも蘇って、たくましく未来へ向かっていこうという長岡市民の生きる力強さが夜空に映しだされているのです。
また終わり際には、鳥の翼のような形に開く花火が現れるのもこのプログラムの特徴の一つ。見逃さないようにその目に焼きつけてくださいね。
写真:岡本 大樹
地図を見るフェニックスが花火大会の中での大きな見所の一つというのは間違いないのですが、他にも見応え満点のプログラムが目白押し。長岡花火が日本有数の人気花火大会たる所以です。
例えば、夕焼けが残っているような早めの時間帯に千輪菊が空に広がることも。通常クライマックスで使われる事が多い花火で、見応えも撮り甲斐も抜群です。
写真:岡本 大樹
地図を見るまた正三尺玉(しょうさんじゃくだま)が打ち上げられるのも特徴の一つです。正三尺玉というのは直径が90cmで重さが300kgもある特大の花火。国内でも見られるのは10ヶ所ほどしかない、超ど迫力な1発です。
この正三尺玉を打ち上げるには広いスペースが必要になるため、メインの打ち上げ場所よりも少し上流で打ち上げられます。観覧場所からはかなり距離が離れていますが、その距離感がわからなくなるくらいの大輪を見られますよ。
写真:岡本 大樹
地図を見るメインとなる花火の打ち上げ場所は信濃川にかかる大手大橋と長生橋の間の河川敷。橋はどちらも通行止めになる時間帯があり、2回の大規模なナイアガラ花火が行われます。
さらにそのナイアガラの上には、特大スターマインや正三尺玉が打ち上げられ、上に下にと両方の花火を楽しむことができるプログラムとなります。
写真:岡本 大樹
地図を見る長岡花火が大規模な花火大会というのはすでにおわかりかと思いますが、気になるのは観覧のスペースですよね。
メインの打ち上げ場所に近い河川敷や土手には有料の観覧席が設けられ、見るのに適した場所であることは言うまでもありません。とはいっても、無料のゾーンからでも充分楽しめるのが長岡花火の良さでもあります。
写真:岡本 大樹
地図を見る無料のスペースの中でも人気の場所とそうでない場所があります。打ち上げに近いゾーンや平坦で座りやすい場所が人気で、そういった所は場所取りが可能となる当日の正午に並んでおくくらいの覚悟が必要になります。
逆を言えば、それほど人気がない所であればお昼を過ぎてから行っても場所を確保できる可能性が高いです。有料席に比べると少し斜め、あるいは遠目から見る形にはなりますが、それでも花火の魅力を感じられることは保証します。
写真:岡本 大樹
地図を見るただ長岡花火ならではの悩ましき点が一つあります。それが右岸で見るか左岸で見るかです。前述の通り花火は河川敷で上がりますが、場所によって花火の見え方が微妙に違ってくるのです。
打ち上げ場所は、川の西側。つまり上がるのが左岸となります。そのため、打ち上げ全体の見やすさや横の広がりを感じやすいのは右岸、高さや迫力を重視するなら左岸に分があります。
どちらがいいかは好みによるところが大きいでしょう。公式サイトに打ち合げと観覧の場所を記した地図があるので、そちらで事前に確認しておくことをオススメします。
写真:岡本 大樹
地図を見る長岡花火を見に行く場合の最寄駅はJR長岡駅となります。お祭り自体のメイン会場は駅から西に15分ほどの道路上で、さらに西に進むと花火の会場である信濃川に辿り着きます。
右岸の場合はそのまま到着、左岸で見る場合には橋を渡る必要があるのでプラス1kmほどとなりますが、徒歩でアクセスできる範囲内ではあります。
ただ花火の後に電車に乗る必要がある場合は、通行止めのことを考え、右岸で留まっておく方が無難でしょう。
車で来場する場合には、花火大会前後に渋滞に巻き込まれることは必至。臨時の駐車場も用意されますが、できるだけ時間には余裕を持って行動するようにしてくださいね。
写真:岡本 大樹
地図を見る最後にご紹介しておきたいのは、長岡まつりの起源について。このお祭りが最初に開催されたのは1946年でした。そう、終戦の翌年です。
1945年8月1日、長岡を空襲が襲いました。多大なる被害を受けた長岡の復興を祈願し、翌年の同日に「長岡復興祭」が始まり、さらに47年には花火大会が復活し、現在の長岡まつりに繋がっています。
慰霊・復興・感謝・平和への祈り、といった様々な想いが込められている長岡花火。2・3日の花火が上がり終わるとアナウンスが流れ、両岸にいる人はライトをかざして花火師さんやスポンサーの方に感謝の気持ちを伝えるという「光のメッセージ」が行われることも長岡花火ならではの見所。
ぜひ当日はスマホなど光を対岸まで届けられるライトを持参するようにしましょう。
また1日に上がるのは3発だけとご紹介しましたが、その3発は真っ白な尺玉で慰霊の想いが込められた特別なもの。そこから長岡の花火は始まるということも念頭に置いてお祭りを楽しんでください。
写真:岡本 大樹
地図を見るさて、ここまで長岡花火の基本情報から見所などをご紹介してきましたが、新潟県民をして「一生に一度は見ておくべき花火」と言わしめるほどの花火大会は、誰しもを感動させること必至の夏の風物詩といえます。
左岸、右岸と見え方の違いもご紹介しましたが、筆者としては正直どこで見てもその価値は変わらない、ということを最後にお伝えします。
ぜひ日本の誇る花火大会をその目で見に行ってみてください。
日程:2019年8月2・3日(8月1日は3発のみ上がります)
時間:19:20〜21:15
打ち上げ場所:信濃川河川敷
電話番号:0258-39-0823(一般財団法人 長岡花火財団)
アクセス:JR長岡駅より徒歩20〜30分
総来場者数:100万人超
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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