愛媛にも断崖に建つ“天空の鳥居”が!伊予市・本尊山

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愛媛にも断崖に建つ“天空の鳥居”が!伊予市・本尊山

愛媛にも断崖に建つ“天空の鳥居”が!伊予市・本尊山

更新日:2019/05/31 10:14

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家

「天空の鳥居」とは、眺望が優れた高度感のある地に建つ鳥居のことを指し、全国各地に通称のものがあり、四国では香川県の高屋神社の鳥居が有名。愛媛県伊予市の本尊山にも断崖に建つ天一稲荷神社前身の「本尊の宮」の鳥居があり、そこから伊予灘及び瀬戸内海の絶景が広がっています。また、近くの八景山からは、その断崖の鳥居を望むことができ、麓のふたみシーサイド公園は県屈指の夕景名所となっています。

天空の鳥居と城壁に酷似した崖・本尊山

天空の鳥居と城壁に酷似した崖・本尊山

写真:春野 公比呂

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海岸沿いに屹立する岩峰、本尊山(ほぞんさん・187m)の8合目辺りに建つ鳥居は、登山口にある天一稲荷神社の前身、「本尊の宮」の鳥居で、慶応4年(明治元年)3月に建立されたもの。勿論、鳥居はそれより遙か昔からあり、強風等で倒壊する度、建て直されてきました。

伊予の国造が神籬を立てて祭ったのに始まり、元徳2年(1330)2月、豪族・河野通有の孫、得能通時がこの山に由並(ゆなみ)本尊城を築くにあたり、大国主命と少彦名命を祭神とする社殿を造営したのです(異説あり)。

天一稲荷神社の石段を上ると途中に本尊山の道標が出ているので、それに従い左折し、神社の裏へ回り、JR予讃線の線路を横断して登山道に取り付きます。所々急勾配の道を30数分登ると、「本尊の宮」鳥居に辿り着きます。一気に視界が開け、胸のすく展望が広がります。

天空の鳥居と城壁に酷似した崖・本尊山

写真:春野 公比呂

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鳥居の奥にかつて本尊の宮があったものと思われます。参拝を容易にするため、元禄4年(1691)9月、神社を本尊山登山口に奉還し、「天一神社」となりました。更に明治43年(1910)、登山口から本尊の宮までの間にあり、「中の宮」と呼称されていた稲荷神社を合祀し、「天一稲荷神社」と改称され、現在に至るのです。

但し、本尊の宮は正式な神社としては麓に下ろされたものの、社殿は縮小されて昭和期頃まで残り、本尊山も天一稲荷神社の神体山として崇められていました。また、昭和後期以降はハイキングを楽しむハイカーも登り、海原の展望を堪能していました。

天空の鳥居と城壁に酷似した崖・本尊山

写真:春野 公比呂

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鳥居の箇所から山頂方向を仰ぐと、城壁のような角度の断崖が見えますが、その崖の上にあったのが由並本尊城。但し、その崖は城壁によって形成されているのではなく、偶然、地形が近世城郭の城壁のような角度のある崖になっているのです。

天空の鳥居の景色を上回るスーパー絶景が山頂に

天空の鳥居の景色を上回るスーパー絶景が山頂に

写真:春野 公比呂

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登山道を更に登っていくと、山頂直下に本当の城壁が現れます。城は落城と改修を繰り返し、城主は何人も変わっていますが、この石垣は最初の城主、得能通時時代のものと思われます。まさに「天空の城」と言えるでしょう。

天空の鳥居の景色を上回るスーパー絶景が山頂に

写真:春野 公比呂

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城跡のすぐ上が三角点(写真)のある狭い山頂ですが、ここには本尊の宮をイメージした祠のようなものが置かれています。地元の方が往時を偲んで設置したのでしょう。展望を得るには、背後の岩に登ります。

天空の鳥居の景色を上回るスーパー絶景が山頂に

写真:春野 公比呂

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ここの岩場からは、鳥居からの展望を遙かに上回る360度のパノラマが広がっています。東西双方向の海岸線や防波堤も手に取るように分かります。まさに要害の地。
背後には明神山へと続く尾根が連なっていますが、山頂から先の尾根は急角度に下がっているため、敵軍も容易に背後から城を攻めることはできなかったはずです。

城の歴史が終わるのは戦国の天正8年(1580)。その頃の城主は津々喜谷下野守で、四国を統一することになる長宗我部元親軍による兵糧攻めと火攻めによって落城しています。

<本尊山の基本情報>
所在地:愛媛県伊予市双海町上灘
アクセス:JR予讃線上灘駅から天一稲荷神社まで徒歩20分ほど。そこから本尊山山頂までは40分ほど

八景山からズームアップする天空の鳥居

八景山からズームアップする天空の鳥居

写真:春野 公比呂

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本尊山の南西には八景山(87m)がありますが、山頂の八景山展望台に立つと伊予灘から瀬戸内海の展望が広がると共に、海岸から立ち上がる本尊山(写真右奥)も見渡すことができます。

八景山からズームアップする天空の鳥居

写真:春野 公比呂

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本尊山をカメラや双眼鏡でズームアップすると、城壁のように見えていた崖や、海側の断崖に建つ鳥居もはっきり確認できます。ここから望むと山は恐ろしいほどに切り立っており、鳥居がまるでミニチュアのように見えます。

尚、八景山周辺は「ふたみ潮風ふれあい公園」として整備されているため、展望台へは車道から僅か2〜3分で登ることができます。
また、山頂周辺には鳥居や金毘羅灯籠があることから、車道化される前は金毘羅の神を祭る神社があったことが分かります。

<八景山の基本情報>
所在地:愛媛県伊予市双海町高岸
問合せ先:089-986-1559(ふたみ潮風ふれあい公園)
アクセス:JR予讃線上灘駅から展望台上り口まで徒歩15分ほど

八景山からズームアップする天空の鳥居

写真:春野 公比呂

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八景山も海岸のすぐ側にありますが、その麓、JR上灘駅北側の海岸周辺は「ふたみシーサイド公園」となっています。ここを平成の合併前の双海町では「夕日の眺めが素晴らしい地」としてアピールし、高床式の木造テラス等を設置しました。

SNS等がなかった時代、夕日を観光資源にすることは前代未聞でしたが、その夕景の素晴らしさは県内外の人々にも認められ、「恋人の聖地」にも指定されました。周辺の浜は「恋人浜」と称され、ハート型を始め、各種モニュメントも設置されているので、記念写真にももってこいです。

山と丘と海でSNS映えする写真を

天空の鳥居、八景山展望台、ふたみシーサイド公園のテラス等、今回取り上げた地は、いずれもSNS映えするスポットです。ふたみシーサイド公園の東端からも断崖に建つ天空の鳥居を望むことができます。そういう意味では、八景山展望台もふたみシーサイド公園も、天空の鳥居の魅力を楽しむスポットと言えるでしょう。
山(本尊山)の絶景と丘(八景山)の絶景、海(ふたみシーサイド公園)の絶景を堪能することで、上灘周辺の自然の素晴らしさを実感できることでしょう。

尚、時間があれば、JR予讃線に一駅分乗って下灘駅で下車し、「千と千尋の神隠し」の世界を楽しめる「海に続く線路」のある青石海岸でSNS映えする写真を撮るといいでしょう。

2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/01/14 訪問

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