写真:Kaycom D
地図を見る「ハフパット修道院」は、ジョージアとの国境から約30qのハフパット村にある世界遺産。
聖堂、教会、鐘楼、図書館などから構成される複合施設で、山の中とは思えない広い敷地に、複数の建物が入り組んで建てられています。
かつてはここに、500人ほどの修道士が暮らし学んでいました。
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地図を見る「ハフパット」とは「強い壁」という意味で、修道院の壁は固い玄武岩で作られています。戦争や地震でも壊れなかったため、13世紀ごろからそのような名前で呼ばれるようになりました。
しかしそれ以前は、太陽が昇ると最初に教会に光が射したことから「聖なる光」という意味の「スビリシ」と呼ばれていたそう。
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地図を見る修道院は高台の開けた場所にあるため、周りの山々の風景も一望。まるで絵本に描かれたような景色が楽しめます。
写真:Kaycom D
地図を見る教会の入り口に建てられた聖堂は、この修道院の中で最大規模のもの。
4本の柱とドーム型の屋根で構成された「ガヴィット」と呼ばれるスタイルで、アルメニアでは伝統的な建築様式です。
写真:Kaycom D
地図を見るこのガヴィットにはいくつか役目があるのですが、ひとつは、戦争などの有事の際、教会に入ることのできない人(アルメニア使徒正教の洗礼を受けていない人々)が逃げ込める砦として、もうひとつは、王族のお墓を守るため。
かつての王は、自分が死んだ後でもいつも思い出してくれるように、皆がお祈りに来るこの場所にお墓を作りました。
お墓は地面に埋まっているのですが、その上を歩き回っても大丈夫です。
写真:Kaycom D
地図を見るまた、ガヴィットには明り取りのために天井に穴が開いているのですが、昔はガラスなどがなかったため塞ぐことができませんでした。そのため、その穴の下には雨や雪を受けるための場所が設けられています。
現在でもその役目はしているのですが、中にはコインが投げ込まれたりしていて、さながら日本のお賽銭箱のようにもなっています。
写真:Kaycom D
地図を見る教会はガヴィットに比べるととても小さな作りで、4人掛けの長いすが数脚置かれているだけ。
東側に祭壇があり、カーテンが開いているので中も見ることができます(復活祭までの数か月は閉められる)。
写真:Kaycom D
地図を見る祭壇の壁にはキリストの使徒が描かれているのですが、アルメニアでは13人ではなく、ユダを除いた12人とされています。
また、祭壇の脇の壁には、どのようにキリスト教がアルメニアに伝わったのか、その後どうやってキリスト教を国境として認めたのかなどが描かれています。
しかし、戦争や雨などで痛み、今では一部しか見ることができません。
写真:Kaycom D
地図を見る教会の外壁には、アショット3世の二人の息子が教会を持っているレリーフが見られます。
写真:Kaycom D
地図を見るソ連時代に入るまでは、アルメニアの教会の力はとても強く王様より上でした。そのため、重要な会議は修道院の会議室で行われ、必ず神父様も参加していたそう。
会議室には、戦争中などで急に誰かが入ってきても、会議ではなくお祈りをしていたとカモフラージュするため祭壇も設けられています。
写真:Kaycom D
地図を見る床にいくつもの穴が開いている部屋は図書室。
敵が攻め込んできたときに、本を入れたツボをこの穴の中に隠して守りました。
写真:Kaycom D
地図を見る鐘楼は、この修道院の建造物の中で一番新しく13世紀のもの。
今は使っていませんが、当時は鐘を鳴らしてお祈りやミサの時間を知らせていました。
写真:Kaycom D
地図を見るアルメニアでは「ハチュカル」と呼ばれる十字架の石板が各所で見られますが、ここハフパット修道院のハチュカルは、アルメニア国内でも有名なもの。
ハチュカルには三位一体が表現され、下部が「世界」、中央が「キリスト教」、上部が「空」を表しています。人が世界に生まれてキリスト教徒になり、やがて聖霊になるという意味で、12人の使徒が左右に描かれているものもあります。
それぞれデザインが異なるのがアルメニアスタイルの特徴なのですが、意匠を凝らしたレリーフはどれも素晴らしく、これだけでも見ごたえ十分。
ぜひ自分好みのハチュカルを探してみてください。
住所:Haghpat
アクセス:アラヴェルディから、タクシーか現地ツアー利用が便利
2019年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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