アルメニアの至宝!深い渓谷に建つノラヴァンク修道院

アルメニアの至宝!深い渓谷に建つノラヴァンク修道院

更新日:2019/06/20 14:11

Kaycom Dのプロフィール写真 Kaycom D 秘境絶景トラベルライター
「アルメニアの至宝」と称される「ノラヴァンク修道院」は、天才建築家モミックの最後の傑作とされる建築物。
未完の階段が残る「聖アストヴァツァツィン教会」、十字架の形をした「聖カラペト教会」、獅子と人間が融合したレリーフがある「聖グリゴール教会」の3つの教会が見られます。
険しい渓谷の絶景と、その中に建つ修道院のコラボは一見の価値あり!

天才建築家モミックの最後の傑作「ノラヴァンク修道院」

天才建築家モミックの最後の傑作「ノラヴァンク修道院」

写真:Kaycom D

地図を見る

アルメニアのヴァヨツ・ゾル地方にある「ノラヴァンク修道院」は、13世紀から14世紀のオリベリヤン時代に、天才建築彫刻家のモミックと建築家シラネスによって建てられました。その素晴らしいデザインから「アルメニアの至宝」とも言われています。

当時モミックはトルコのキルキアにいましたが、彼の建築物を見たオリベリヤンの王(本当の王はキルキアに亡命したため、この地で最も力を持っていた統治者)が、その美しさに感銘しアルメニアに召喚。そしていくつもの教会を建築させました。

天才建築家モミックの最後の傑作「ノラヴァンク修道院」

写真:Kaycom D

地図を見る

「ノラヴァンク」は「新しい修道院」という意味で、他のアルメニアの教会と比べると年代が新しく、異なるスタイルとなるためそう呼ばれています。

ノラヴァンク修道院が建つ前にも教会がありましたが地震で倒壊。その後、オリベリヤンがお墓を作り、その上に現在の教会を建てました。

ここは修道院なので、かつては会議室や図書室などもありましたが、倒壊後は3つの教会(聖アストヴァツァツィン教会、聖カラペト教会、聖グリゴール教会)だけ修復。

天才建築家モミックの最後の傑作「ノラヴァンク修道院」

写真:Kaycom D

地図を見る

切り立った渓谷と、その中に建つ壮麗な教会の景色がとても絵になるので、写真スポットとしてもおすすめです。

未完の階段が残る「聖アストヴァツァツィン教会」

未完の階段が残る「聖アストヴァツァツィン教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

修道院の中央に建つのが「聖アストヴァツァツィン教会」。

この教会は二階建てになっていて、正面の階段から上階の礼拝堂に上がることができます。礼拝堂の内部はとてもシンプルな作りでフレスコ画などはありませんが、上から眺める渓谷の景色は見事。また、階段の上の入り口のところに立って、下から写真を撮ってもらうのが人気となっています。

ただし、階段はとても狭く急なので、滑って落ちないように十分気を付けてください。

未完の階段が残る「聖アストヴァツァツィン教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

この教会の階段をよく見ると、まだ未完のままで地面までつながっていません。
これにはモミックにまつわる伝説があります。

モミックはオリベリヤン王に呼ばれこの地に来ましたが、その王の娘のことが好きになりました。それを知った王はモミックに「もし自分のために特別なスタイルの教会を作ったら娘と結婚してもいい」と言いました。
モミックは約束通り作りましたが、王は身分違いのモミックと娘を結婚させたくなかったため、完成間近に階段の上から突き落とし殺させてしまいました。

そのため、この階段は未完のままだとされています。

未完の階段が残る「聖アストヴァツァツィン教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

教会正面の上部には三位一体を表した十字架が描かれています。
アルメニアのハチュカル(十字架の石板)は、葉っぱのようなデザインが多いのですが、モミックが手掛けたこの教会のものは少し違うデザイン。

その下に、聖パウロと聖ペトロと共にイエスキリストの名前の最初の文字が掘られたレリーフがあり、さらに1階入り口の上には、聖母マリアに抱かれたキリストと天使が描かれています。

十字架の形をした「聖カラペト教会」

十字架の形をした「聖カラペト教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

「聖カラペト教会」は、ガヴィット(教会の入り口に建てられた聖堂)が残る教会。

十字架の形をした「聖カラペト教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

入り口の上のレリーフは、一番初めの人間とされるアダムの頭をイエスキリストが持っています。その下には、敷物に座りキリストを抱いている聖母マリア、果物のザクロとブドウが描かれ、アルメニアの文字で年数も記されています。

十字架の形をした「聖カラペト教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

教会は十字架の形になっていて、東に祭壇が設けられています。
祭壇にはカーテンがありますが、これは現在でも利用されているという意味で、結婚式や洗礼式などが行われています。

獅子と人間のレリーフがある「聖グリゴール教会」

獅子と人間のレリーフがある「聖グリゴール教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

「聖グリゴール教会」は、建築家シラネスによって聖カラペト教会の脇に建てられました。

獅子と人間のレリーフがある「聖グリゴール教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

他のふたつの教会に比べると小さいものですが、獅子と人間が融合した面白い墓石が見られます。

獅子と人間のレリーフがある「聖グリゴール教会」

写真:Kaycom D

地図を見る

また、内部の壁には、赤い染料で描かれた壁画が残っています。この赤い色は、アルメニア高地に生息するVordan Karmirという虫から作られたもの。

この虫は、1年に1回だけしか土の中から出ない貴重なもので、紀元前2世紀には王様が体や顔に塗っていたとされています。

ノラヴァンク修道院の基本情報

住所:M6MM+X6 Amaghu
アクセス:近隣のアレニ村から、タクシーや現地ツアー利用が便利

2019年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/10/11 訪問

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -