十輪寺(じゅうりんじ)は、京都市西京区大原野小塩町にある天台宗の寺院。山号は小塩山(おしおざん)で、京都洛西観音霊場第三番札所です。
創建は西暦850年(嘉祥3年)、文徳天皇が染殿皇后の安産祈願のため伝教大師作の延命地蔵を安置したのが起こりで、平安初期の歌人で六歌仙のひとり在原業平が晩年に隠棲し、塩焼きの風情を楽しんだ寺、と伝えられています。境内にはその在原業平の墓と塩釜の跡の旧蹟があります。
阪急東向日駅・JR向日町駅から阪急バスで、紫陽花で有名な「善峯寺」に向かう途中の小塩バス停が最寄り駅です。
十輪寺は在原業平ゆかりのお寺です。境内には「業平紅葉」「業平桜」と呼ばれる大きな古木が植えられていて、桜の季節、新緑の季節、紅葉の季節、雪景色の四季折々に、見事な風景を創り出しています。
境内裏山には、在原業平のお墓とされる「宝篋印塔」と、塩焼きの風情を楽しんだと云わる塩竈(しおがま)跡があります。 業平は浪速から海水を運び、ここで塩を焼いたそうです。その目的は、かつての恋人・藤原高子(二条の后)が大原野神社に参詣する時に塩を焼き、その時に上がる煙を藤原高子が見て、二人が秘かに心を通わせたと伝えられています。
中庭は三つの見方「立って見る」「座って見る」「寝て見る」で、感じ方が変わることから「三方普感の庭」と呼ばれていて、庭の中央に「業平桜」の大きな木があります。
境内裏山から見ることのできる本堂の屋根は、鳳輦形(ほうれんがた)と呼ばれる、お神輿のような形をしています。このような屋根の形は珍しいため京都府指定文化財にもなっています。
中庭に植えられている樹齢約200年の枝垂れ桜は、通称なりひら桜でも知られています。庭のほぼ中心に、大きく根を張っていて、桜の満開の季節には、低い視点から見上げると、桜の傘がかかっているように見えることから「天蓋の桜」といわれています。庭に面した部屋からは、三方普感(立・座・寝)の自由な三つの見方で、特にお寺では珍しく寝ながら桜を愛でることができるので、人気の場所になっています。
業平桜が満開の季節には、裏山から見える「天蓋の桜」の景色が美しいです。
業平紅葉のあたりから見る桜も見事です。
新緑の時期には入り口近くに鮮やかな木々の緑が目の前に現れ、右手側に高廊下、本堂の屋根が見ます。さらに進んで行くと境内の左手に、業平紅葉と大樟樹の大きな木と、その先の鐘楼が目に入ります。
業平紅葉は、新緑の季節には青もみじの葉が茂り、緑鮮やかに輝いています。
境内裏山にまわると、本堂、高廊下の屋根の向こうに、大樟樹(大くすのき)などの木々の緑が鮮やかに見えます。この大樟樹は、樹齢800年で、本堂が樟でつくられていることからその分身とされてています。地蔵菩薩の神力で一夜にして大樟樹になったという伝説があり、願かけ樟ともよばれ、神木とされています。
業平紅葉の古木は、秋になると朱色に輝き、ひときわ美しくなります。
不迷梵鐘(まよわずのかね)と呼ばれている梵鐘が架かる「鐘楼」は西暦1666年(寛文6年)建立で、京都府指定文化財にも指定されています。秋には見事な紅葉風景となります。
裏山から見る本堂の屋根と紅葉景色は素晴らしいです。
十輪寺の位置する大原野一帯は四季折々の自然、歴史散策に最適です。それぞれは離れていますが、山の上の善峯寺は紫陽花、桜、紅葉名所で、近くの大原野神社、勝持寺は、桜、紅葉の名所としても有名です。十輪寺での風景を心に残したときに、一日かけて大原野を巡ると良いでしょう。
住所:京都市西京区西京区大原野小塩町481
電話番号:075-331-0154
アクセス:阪急東向日駅・JR向日町駅より
阪急バス「善峯寺行き」に乗車 小塩下車徒歩約1分(バスは1時間に1本程度)
2019年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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