写真:村松 佐保
地図を見る目の前で揺れる木々の葉から遥か遠くの山々まで、大自然に包まれ俗世間から離れた自分を実感できます。崖の上に突き出るように建つ観音堂から見下ろす保津川渓谷。時折ゆっくり姿を現すトロッコ電車の音と、生い茂る木々の隙間からちらっと見え隠れするかわいい車両が旅情をかきたてます。
遠くには比叡山、如意ヶ岳(大文字山)、清水寺、大河内山荘展望台、仁和寺五重塔・・・など、余すところなく京都の絶景を一人占めしている贅沢に酔いしれることができます。
また境内に堂々とそびえ立つ樹齢400年の楓。その風貌は怖いほどの存在感があります。珍しい木として、別名ハガキの木として知られる多羅葉 (たらよう)という木も植えられています。葉の裏側に字を彫ると、黒っぽい字としてしっかりと残るそうです。
言葉は要らない、ただじっと深い山々を眺め、包まれてみてください!
写真:村松 佐保
地図を見る大悲閣千光寺への道のりがまた実にいい!渡月橋の南側を桂川に沿って上流に向かって歩くところから始まります。右手下に流れる深い青緑色に光る川を眺めながら、一歩ごとに迫って来る山々に期待が膨らみます。
背中で感じる観光客の賑わいが嘘のようです。1キロほど歩くと、左手に大悲閣へと続く石段が見えてきます。文人墨客も訪れたと言われる寺。ちょっと立ち止まって松尾芭蕉の句碑などに癒されながら、つづら折りの石段を100メートルほど登りきると、嵐山の中腹に位置する千光寺が姿を現します。
山門をくぐると「一人3回まで自由につくことができる」鐘楼があります。心を落ち着けてついてみてください。優しい音色があたり一面に響き渡ります。脇を上がって入山料をお支払いすれば、展望台での心地よい時間が迎えてくれます。
開門時間や入山料など詳細は、下記[MEMO] 連絡(大悲閣千光寺) をご覧ください。
写真:村松 佐保
地図を見る本尊は、恵心僧都作と伝えられている千手観音です。千光寺は保津川を開削した江戸初期の豪商、角倉了以(すみのくらりょうい)が建立しました。開削工事で犠牲になった方々の菩提を弔うため建てたと言われています。
法衣姿で石割斧を持ち片膝を立てて座し、今も川の安全を見守っている了以の像が安置されているほか、了以の子素庵(そあん)が建立した林羅山(はやしらざん)の顕彰碑や、夢窓国師(むそうこくし)の座禅石などがあります。
写真ではさまざまな仏像様などが混み合っていますが、1959年の伊勢湾台風での被害が大きく、本堂の屋根が飛んで建物も激しく歪んだそうです。1978年に止む無く解体され、そのとき本堂に安置されていた大切な観音様が、現在の仏殿にところ狭しと祀られているとのことです。
京都の人気観光地嵐山の秘境とも言える『大悲閣千光寺』はいかがでしたでしょうか。渡月橋から少しだけ足を延ばすと、日常の喧騒から逃れて、大自然に包まれるひと時が待っています。せっかくいらした嵐山ですから、京都の格別な山々を味わってみてください。
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この記事を書いたナビゲーター
村松 佐保
大自然に惹かれて、東京から群馬県の嬬恋村に移住しました。私の住まいは村の南部で、長野県寄りの標高の高い地域です。周囲には豊かな自然が広がり、四季の移り変わりを肌で感じる日々を送っています。鴬のさえずり…
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