ケベックシティのオーベルジュサンタントワーヌは美しきミュージアムホテル

ケベックシティのオーベルジュサンタントワーヌは美しきミュージアムホテル

更新日:2019/07/20 12:31

Chanos Mayaのプロフィール写真 Chanos Maya トラベルコンサルタント、ワイナリーツアーアドバイザー
オーベルジュ・サンタントワーヌはカナダ・ケベックシティ旧市街の真ん中にあるホテル。セントローレンス川のほとりに建つこのホテルの歴史は、かつて波止場として使われた1600年代までさかのぼります。300年以上にわたりこの街を見つめてきた建物は今、博物館とホテルが一つになったミュージアムホテルに。上質なサービスと長い歴史に彩られるユニークなホテルをご紹介します。

世界遺産のケベックシティ

世界遺産のケベックシティ

写真:Chanos Maya

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ケベックシティの旧市街は古城を中心にレンガ造りの建物が並び、クラシカルで重厚な街並みが広がります。15世紀初めからのフランスによる開拓で街が開き、イギリスの統治を経て、現在のケベックシティがあります。北米で最も古い歴史を持つ街の一つであり、北米に現存する最後の城郭都市で、世界遺産にも指定されています。

ケベックシティがバンクーバーなど他の都市と違うのは、その街並みだけではありません。フランス語が話されており、文化も大きく異なります。食文化もフォアグラやテリーヌなどフランスの文化と、開拓時代の歴史を汲むジビエ(狩猟料理)がブレンドするフレンチカナディアン料理が広く浸透しています。

旧市街の一角に建つオーベルジュ・サンタントワーヌでは、そんな世界遺産のケベックシティの歴史とユニークな文化伝統を一度に楽しむことができます。

上質なおもてなしと美味しい味覚を一つの場所で

上質なおもてなしと美味しい味覚を一つの場所で

写真:Chanos Maya

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オーベルジュとはフランス語で、ホテルとグルメレストランが一つになった宿泊施設のこと。オーベルジュに泊まれば滞在も食事も一ヶ所で完結し、ゆったりとしたステイができるのがメリットです。

オーベルジュ・サンタントワーヌはそんな料理宿で、16世紀の歴史的建造物をそのまま利用したホテルと、フレンチカナディアン料理をいただけるレストランが一つになっています。外観はクラシカルでありながら、中に一歩入るとモダンで美しい空間が広がります。

300年以上の歴史を実感する「ミュージアムホテル」

300年以上の歴史を実感する「ミュージアムホテル」

写真:Chanos Maya

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オーベルジュ・サンタントワーヌはケベックシティ旧市街のオールドポート地区にあります。ケベックシティはかつて世界最大の交易港の一つでした。このホテルが建つセントローレンス川のほとりは、19世紀の初めには世界中からたくさんの船が到着し、船乗りたちが行き交う場所でした。ケベックシティは物流に関わる工業や商業が発展したことにより、カナダ建国の基盤になった場所です。その後の世界大戦の際には現在のホテルの建物は砲台の置き場として使われ、歴史上の重要な拠点の一つでした。

ケベックシティの歴史をみつめてきたこの場所が、オーベルジュ・サンタントワーヌとしてオープンしたのは1992年のこと。ホテルへの改装作業中に、フランスやイギリスが統治していた時代の遺物が次々と出土されました。その発掘物の一部は1600年代までさかのぼり、ケベックシティの歴史を塗り替えるほど、貴重で重要なものが多数発見されました。

ケベックシティの専門家たちにより鑑定された発掘物のその多くは、オーベルジュ・サンタントワーヌ内に展示されています。オーベルジュ・サンタントワーヌが自らのホテルを「ミュージアムホテル」と呼ぶにはそんな背景があります。

300年以上の歴史を実感する「ミュージアムホテル」

写真:Chanos Maya

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施設内のいたるところに考古物が展示され、すべてのゲストルームにもガラスケースに入れられた出土品が置かれています。レプリカではないので、お部屋ごとにすべて異なります。

それぞれの展示品には、いつ頃のものか、どのように使われていたのかなどといった詳しい解説もついており、一つひとつを見ているとまるで博物館で見学をしているような気分。完璧なホテルサービスと快適なゲストルームに対して、300年前までさかのぼるアンティークが置かれる、このギャップがとてもおもしろいホテルです。

それぞれに異なるデザインの95室のゲストルーム

それぞれに異なるデザインの95室のゲストルーム

写真:Chanos Maya

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オーベルジュ・サンタントワーヌには全部で95のゲストルームがあります。Wi-Fiはもちろん、エスプレッソマシーンもあり、至れり尽くせり。基本的なアメニティはどのお部屋も同じですが、お部屋の趣はそれぞれ異なります。青いタイルが美しいバスルームがついたお部屋、コンテンポラリーでモダンなデザイン、かつてこの場所が倉庫だったその面影を残したお部屋、ふたつと同じお部屋はありません。

先にご紹介したように、すべてのゲストルームに展示されるアンティークもそれぞれ一点物。古いお皿や、楽器の一部など、置かれたアンティークによって「ミュージシャンのお部屋」など、かわいらしい名前が付けられているのもユニークです。

10のルームカテゴリ(お部屋タイプ)に分かれており、一番ボトムのコンフォートルームにはツインかダブルベッドルームのチョイスがありますが、それ以外はすべてダブルベッドルームです。ツインベッドを希望する場合には早めに計画を立てましょう。

「オーベルジュ」だから、お料理も自慢です

「オーベルジュ」だから、お料理も自慢です

写真:Chanos Maya

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もちろんオーベルジュですのでホテルのダイニングも自慢の一つ。「Farm to fork(生産者がわかるフレッシュな材料を使うこと)」にこだわった、フレンチカナディアン料理のレストラン「Chez Muffy」はかつて港の倉庫として使われていた建物が使われています。

ホテルが所有する農園で栽培されている20種類以上の野菜や果物が毎日レストランへ運ばれてきます。朝食のサラダからお夕食のメインの魚料理にかかるオレンジソースまで、オーガニックで育った滋味あふれる食材がふんだんに使われ、夏には夏の味覚が、冬には根菜を中心に、どのお料理も軽やかで優しい味わいです。

サンタントワーヌに泊まったら、翌朝はぜひChez Muffyの朝食でお目覚めを。しぼりたてのフレッシュジュースから、グリーンとプロテインのバランスがばっちりのヘルシーで贅沢な朝ごはんをいただきましょう。

世界遺産もフレンチカナディアンのグルメも堪能できる料理宿

オーベルジュ・サンタントワーヌはケベックシティの真ん中に建ち、世界遺産散策にも便利なロケーションにあります。街歩きをしつつ、ケベックの歴史や文化に触れ、土地の味覚も楽しむ、ケベックシティ観光で外せないポイントをすべておさえたホテルです。

オーベルジュ・サンタントワーヌは上質なホスピタリティと伝統の料理文化を継承し、個性のあるホテルとレストランの会員組織「ルレ&シャトー」にも加盟しています。ケベックシティの街並みに溶け込み、外観はケベックの旧市街の街並みの一部、中に一歩入るとまるで博物館、でも実際はホスピタリティあふれる5つ星オーベルジュ。そんなユニークなホテルに泊まってみませんか?

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/05/28−2019/06/01 訪問

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