ハナショウブ(花菖蒲)の品種改良が盛んになったのは江戸後期。旗本の松平左金吾定朝が自らを「菖翁」と称して60年かけて品種改良にいそしみました。
その菖翁から譲り受けた品種を培養、繁殖したのが伊左衛門(当時は百姓のため名字なし)で、それが江戸中に広まり堀切に菖蒲園ができたのがこの堀切菖蒲園の前身です。
由来は古いですが、都営の公園ですので管理が行き届いており、2018年に園内をリニューアル。トイレだけでなくカフェもあります。
園内では約200種6000株が栽培されており、その中には菖翁が生み出した品種(菖翁花と呼ばれます)も含まれていますので、当時をしのびながら鑑賞するのも良いですね。
ハナショウブには江戸で品種改良された江戸系のみならず、熊本の肥後系や三重の伊勢系など他の地域で改良された品種も多くありますが、堀切菖蒲園の主役はやはり江戸系となっており、そういった由来はハナショウブの前の札に書いてあります。中には(野生)と書いてあるものもあります(笑)。
堀切菖蒲園から徒歩3分ほどの荒川の河川敷には「堀切水辺公園」があります。こちらは地元のボランティアが管理しており、800株ほどのハナショウブが栽培されています。
荒川の河川敷からは、東京スカイツリーもバッチリ見えます。スカイツリーをバックにハナショウブを撮りたい人に堀切水辺公園はおススメです。
ちなみに堀切菖蒲園は京成線の堀切菖蒲園駅から徒歩10分ほどの場所にあります。ハナショウブの季節に合わせて、「葛飾菖蒲まつり」が開かれているため、道路には標となる提灯が下がっているので道迷いなくアクセスできます。またそのコース上にはアジサイが咲いており、これもまた見事です。
6月初旬から中旬にかけては開園、閉園ともに1時間延長し8時から18時までとなっていますので、より訪れやすくなっています。
<堀切菖蒲園の基本情報>
住所:東京都葛飾区堀切2-19-1
電話番号:03-3694-2474
アクセス:京成線堀切菖蒲園駅より徒歩約10分
京成線で今度は江戸川駅(堀切菖蒲園駅から約15分)に向かいましょう。すると駅から徒歩2分程度の江戸川沿いの河川敷に大きな公園と駐車場が見えてきます。これが小岩菖蒲園です。
小岩菖蒲園は河川敷に造られた区営の公園であり、入園時間というものはありません。駐車場以外はいつでも自由に出入り可能ですので、入園時間のある堀切菖蒲園の前後どちらでも合わせて訪れるのに適しています。
こちらの小岩菖蒲園は江戸系に限らず、全国津々浦々で改良された様々な品種が菖蒲田で多数栽培されており、数にして約50,000株!しかもハナショウブが見ごろとなる3年目の菖蒲田が多いので、見ごたえがあります。
<小岩菖蒲園の基本情報>
住所:東京都江戸川区北小岩4丁目先
電話番号:03-5662-0321
アクセス:京成線江戸川駅より徒歩約2分
小岩菖蒲園は江戸川区営の公園のため同じく区営(足立区)の「しょうぶ沼公園」と連携しており、例年、まつりの開始時期である6月初旬のみですが、シャトルバス(無料)のサービス(※)を提供しています。
しょうぶ沼公園(こちらもハナショウブ約8000株と大規模)には駐車場はないため、車で小岩菖蒲園を訪れた人にも最適ですね。
またJR総武線の小岩駅からのシャトルバス(※)(220円/人)も6月初旬〜中旬にかけての「小岩菖蒲園まつり」開催中の土日限定で運行されていますので、アクセス方法が多彩になります。
※2020年は中止ですのでご注意!
一方、堀切菖蒲園は都営の公園のため同じく都営の「水元公園(ハナショウブは14000株)」へのシャトルバスを「葛飾菖蒲まつり」開催中の土日限定で運行しています。
このシャトルバスの面白いところは水元公園のあとJR常磐線の金町駅と葛飾区の観光名所である「柴又」にも寄るところ。本数も多いので、簡単に足を延ばせるのはうれしいですね。
土日に訪れたら、ぜひ利用したいサービスですよね。
ハナショウブ(水田で育つ)によく似たアヤメ(完全に陸生)やカキツバタ(完全に水生)が5月に見ごろ迎えるのに対し、ハナショウブだけは梅雨時の6月に見ごろを迎えます。
堀切菖蒲園も小岩菖蒲園も京成線沿いにあるため、電車で東京または千葉方面から楽々アクセスできます。梅雨時でも思い切って外出してみてはいかがでしょうか。
注意点としては2020年は新型コロナの影響で祭りの中止及びそれに伴うバスの中止が発生している可能性がある点。事前にチェックが必要です。
それでは気を付けていってらっしゃいませ〜。
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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