田川市の中心部に当たるJR日田彦山線「田川伊田駅」から、車で5〜6分走ると「三井寺」に近づきます。車1台がギリギリ通れるくらいの非常に細い道を抜けると駐車場があり、その先に「三井寺」があります。こちらがお寺の表側になりますが、裏からも行け、そちらは広い道になってます。
こじんまりとしたお寺ですが、静かで緑の多い閑静な環境です。お清めの手水鉢があり、その先に本堂があります。通常は訪れる人も多くはなく、ゆっくりと境内を散策できます。ただ、最近は人気が高くなったせいで、時々団体客も訪れるようになりました。
「三井(みつい)寺」というのは通称で、以前、田川市は炭鉱の町として栄え、近くに三井炭鉱があったため、いつしか「三井寺」と呼ばれるようになったとのことです。正式には「真言宗御室派 平等寺」と言いますが、現在では住職も自ら「三井寺」と名乗っており、通称というよりも完全にお寺の名称になっています。
「三井寺」の人気の理由となっている「風鈴のトンネル」。境内にはあちこちに風鈴が吊るされていますが、なかでも圧巻なのが2000個近くのカラフルな風鈴が吊るされた「風鈴のトンネル」です。色とりどりの風鈴が、風が吹くと一斉に揺れてきれいな音を奏でます。
この風鈴は「願かけ風鈴」で、風鈴の下の短冊に願い事などを書いて吊るします。最初は10個程度の風鈴だったのですが、訪れた人がもっとないのかという要望に応えて、住職が風鈴製作会社をあちこち探して取り寄せました。そうするとだんだん増えて、現在のような姿になったのです。風鈴の時期は毎年5月から始まり9月には取り外します。そして、翌年の5月に再開しますが、あっという間に1000個以上の風鈴で彩られます。大体、期間中に2000個近くになります。
2000個の風鈴は、風が吹くと一斉に揺れ、きれいな音を奏でます。ここまで多くの風鈴が一斉に鳴ると、ひとつの風鈴が奏でる涼しげな音とは違って、荘厳ともいえる音色に包まれます。
境内には金色の「十一面千手千眼観世音菩薩」が建てられています。そこには「八方ふさがりの方へ」という説明書きのパネルがつけられています。境内にはたくさんの地蔵がありますが、それぞれに住職が考えた素敵な言葉が添えられています。
境内にたくさんある地蔵の中でも、この「ガッツポーズ地蔵」が一番の人気です。住職の話では20年ほど前からあったとのことですが、ポーズが珍しくておもしろい地蔵と、訪れた人たちの口コミで広がっています。なんだか元気が出ますね。
こちらも人気の「ほほえみ地蔵」です。なんともいえない柔らかい表情でほほ笑んでいる姿がほっこりします。普段、笑顔が苦手な人はこの地蔵さんとにらめっこすると、自然と良い笑顔が作れると教えています。
6月には境内のアジサイが赤や紫の花を咲かせます。しっとりとしたあじさいの花は、お寺の境内によく似合いますね。風鈴が奏でる音とあじさいの花が癒しの空間を創り出します。
風鈴が吊るされている期間は5月〜9月で、9月には一旦取り外されます。それで寂しくなるかと思いきや、「三井寺」は紅葉の名所でもあるのです。境内の緑の樹々はすべて秋になると真っ赤な紅葉となります。
「三井寺」の紅葉は、境内一面が真っ赤に染まって、素晴らしい景色を創り出します。秋の終わりにはライトアップされ、夜には一段ときれいに照らし出された紅葉が幻想的な雰囲気を感じさせます。
境内の一画にはテントで風鈴が売られています。「願かけ風鈴」や「夢かけ風鈴」などと名付けられています。売り場と言っても、そこはお寺。人はいません。買いたい人は本堂の住職に声をかけてください。
「願かけ風鈴」を購入すると、願いと名前をお寺に残しておきます。その後、住職が「風鈴のトンネル」に吊るします。
別のテントでは、「地蔵タオル」が売られています。それぞれのタオルに地蔵のイラストが描かれ、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」など、あたたかい励まされる言葉が書かれています。
住所:福岡県田川市伊田2706-1
電話:0947-42-7206
アクセス:JR日田彦山線「伊田駅」から車で約6分
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