ユネスコ無形文化財を学ぶ旅 老舗問屋で「はた織り体験」

ユネスコ無形文化財を学ぶ旅 老舗問屋で「はた織り体験」

更新日:2013/03/18 16:35

鮎川 キオラのプロフィール写真 鮎川 キオラ 子どもの好奇心を育てる旅育ライター、ホテル朝食研究家
学びの秋、世界も認めた伝統工芸に触れる旅へ出かけてみませんか。筑波山の裾野を流れる鬼怒川沿いに位置する茨城県結城市。結城市が誇る「結城紬」は、その伝統的な工法が平成22年ユネスコの無形文化遺産に登録されました。

ユネスコが認めた結城紬の伝統工法

ユネスコが認めた結城紬の伝統工法

写真:鮎川 キオラ

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結城紬の歴史は古く、結城紬の原形「あしぎぬ」と呼ばれた絹織物が奈良の正倉院に保管されているそうです。本場結城紬の着物を作る反物になるまでの工程は、実に約40工程。そのすべてが手作業。職人から職人へとつなぎ、出来上がるまでに約半年、長いものでは2年以上かかるそうです。

ユネスコ無形文化財に登録された技術は、「糸つむぎ」「絣(かすり)くくり」「地機(じばた)織り」の3つ。世界に類をみない技術が高く評価されたそうです。

写真は糸つむぎの道具です。繭から作られた真綿から均一な太さの一本の絹糸を手でつむいでいきます。一枚の着物を作るために、約30kmの糸を2〜3ケ月かけてつむぎ出します。気が遠くなる作業です。

まずは糸選び

まずは糸選び

写真:鮎川 キオラ

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百聞は1体験に如かず!?機織り(はたおり)体験をしてみましょう。

結城紬は、渋い色の縞柄のイメージがありますが、機織り体験で利用する糸はこんなにカラフルでキュート。この中からお好みの糸を選ぶことができます。迷ってしまうけど、インスピレーションで選択しましょう。

糸は、春、夏、秋、冬と季節に合わせて色合いを少しずつ変えているそうです。こちらは、秋コレクション。

全身フル稼働の機織り体験

全身フル稼働の機織り体験

写真:鮎川 キオラ

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糸が決まったら、早速「高機(たかはた)」と呼ばれる織り機を使って機織り体験。講師の先生が、まずは織り機の使い方、上手に織るポイントを説明してくれます。高機は、足元のペダルを交互に踏み込むことで縦糸の上糸と下糸が入れ替わり、その間に選んだ糸を横糸として織り込んでいきます。

手と足と頭と目とフル稼働。体験用の高機織りは、慣れてくるとリズミカルに進みます。伝統的な地機織りは、もっと大きな織り機となり、腰で縦糸を引っ張りながら織っていきます。さらに体力勝負、全身フル稼働の重労働になるそうです。

美しい作品の出来上がり

美しい作品の出来上がり

写真:鮎川 キオラ

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機織り体験の作品がこちら。グラデーションが美しいコースターが出来上がりました。自分で作った作品は愛着が沸いていいお土産になります。作り手の力加減で多少色合いが変るそうです。

【はた織り体験】
コースター 1,200円
テーブルセンター 2,000円
※予約制 空いていれば当日参加OK
【草木染】
桜や紅葉など季節の草木を利用した草木染体験もあります。
バンダナ 2,000円
ストール 4,000円〜
※要予約

つむぎの館

つむぎの館

写真:鮎川 キオラ

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今回体験したのは、明治40年創業の結城紬老舗問屋「奥順」が運営する「つむぎの館」です。敷地内には文化財登録された土蔵や見世蔵などの建造物が点在し、かつての商人達の息づかいが聞こえてきそうな空間です。

築150年の古民家では、着物の企画展が行われます。毎回テーマを決めて着物をギャラリーのように展示しています。10月の企画展は「colors 〜似合う色がきっとある・100反の結城紬〜」カラフルでさわやかな色遊びを楽しめる展示になっているそうです。

贅沢な敷地内は、なんと無料開放。正面入り口にある資料館「手織里(ており)」だけが有料大人200円、学生100円となります。資料館では、制作工程の説明や、多様な道具類を展示して分りやすく結城紬を解説しています。

何か始めたくなる秋。女子のおしゃれ心を刺激する色鮮やかな伝統工芸の体験をしてみてはいかがでしょうか。

【つむぎの館】
茨城県結城市結城12-2
TEL:0296-33-5633
9:30-17:00(火曜定休)

企画展「colors 〜似合う色がきっとある・100反の結城紬〜」
2012年10月13日(土)〜10月28日(日)

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/09/29 訪問

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