風見鶏の館は明治42年(1909年)ごろドイツ人貿易商ゴッド・フリートトーマス氏が自邸として建てた建物です。れんがの壁が色鮮やかな館の尖塔の上に立つ風見鶏は、風向きを知る役目の他に魔よけの意味やキリスト教の教勢を発展させる効果があると言われていたとか。館内でぜひ、注目していただきたいのは、ドイツの伝統建築に日本建築の様式、玄関の中国風の建具、当時のヨーロッパで流行した芸術様式のアール・ヌーヴォーなど様々な国の建築様式を取り入れながらすべてが見事に調和している点です。では、早速中に入ってみましょう。
1階には、応接間、当時の家具が展示されている書斎、居間、食堂があります。来客用に豪華に調度品が備えられています。まずは、1階居間で目を引くのは、天井高4mもある居間のシャンデリア。滑車付きで、当時のシャンデリアは、上下して明るさを調節していたそう。また、各部屋で注目していただきたいのは、天井の模様。応接間は欧風、居間横の小部屋は教会のドーム風の天井、1階居間は日本の格子模様の天井と様々な様式がミックスされています。ドイツ人建築家、ゲオルグ・デ・ラランデの見事な設計と、日本の宮大工が仕上げた建築美が見事です。
食堂は、中世城館風の天井小梁、飾り戸棚、暖炉飾りなどとても落ち着いた雰囲気です。19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行した芸術様式のアール・ヌーヴォーを復元した窓があり、花や植物などのモチーフ、自由な曲線の組合せが特徴的です。1階各入口扉の把手家具にも曲線美が目を引くアール・ヌーヴォーの意匠を見ることができます。把手金具は当時の物なんですよ。
1階の居間と食堂の間には、トーマス夫妻と14歳まで神戸で過ごした令嬢エルゼさんの当時の生活の様子が写真パネルで紹介されています。パネルの中にはエルゼさんが80歳で異人館へ来られた際の写真もあり、少女時代を過ごした神戸や風見鶏の館への愛情あふれる表情から風見鶏の館の歴史をより身近に感じることができます。
又、ベランダの窓枠は日本風の格子窓や引き戸となっており、自然光がさしこむ中風見鶏の館の建築美をここでも味わえます。
2階には、子ども部屋、客用寝室、朝食の間が見学できます。又、屋根の風見鶏と実物大のオブジェがあり、記念撮影に最適☆。西側の主寝室は現在おみやげショップになっており、館や風見鶏のデザインのミニタオル、キーホルダーやマグネットなどオリジナルの神戸土産を買い求めることができます。
異人館街へは、山陽新幹線新神戸駅から西へ徒歩15分ほどで行けます。JR三ノ宮駅からは、北へ徒歩15分です。緩やかな坂が続くのでゆっくり北野の街並みを見ながら登ればそれほどきつくはありませんが、足に自信のない方は、JR三ノ宮駅北側にある緑色のバス停が目印のシティー・ループバスに乗車して異人館街まで行くこともできます。観光地を巡りながらこちらも地下鉄三ノ宮駅前(北行)バス停から15分ほどで北野異人館のバス停に到着します。
バス停からは、北野通りを少し西へ歩くと北野町広場へ続く土産品のショップが並ぶトーマス坂の南北の道があります。北へ上って行くと、北野町広場の正面に風見鶏の館が見えます。入館料500円2館券(風見鶏の館・萌黄の館)650円。
JR三ノ宮駅からも近い異人館街の観光の出発点、風見鶏の館へぜひお越しください。
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