写真:Kaycom D
地図を見るアルメニアのヴァガルシャパト町にある「ズヴァルトノツ古代遺跡」は、アルメニア使徒教会の総本山である「エチミアジン大聖堂」などと共に、「エチミアジンの大聖堂と教会群ならびにズヴァルトノツの考古遺跡」として世界遺産に登録されています。
ズヴァルトノツの大聖堂は、643年から652年の間に、総司教のカトリコス・ネルセス三世の依頼によって創建されました。
完成した大聖堂の高さは45mもある立派なものでしたが、現在では、10世紀に起こった地震により倒壊してしまい、修復された1階の一部しか見ることができません。
「ズヴァルトノツ」は「天使」という意味で、聖グレゴリウスが見た天使たちの夢が由来。世界最初の教会となる「エチミアジン大聖堂」は、この夢がきっかけとなり建てられました。
写真:Kaycom D
地図を見るこの場所には多くの権力者が訪れていて、創建時にはビサンチン皇帝のコンスタンティヌス三世が、さらに、聖グレゴリウスとアルメニアの王ティリダテス三世が初めて出会ったのもこの大聖堂とされています。
また、第264代ローマ教皇ヨハネパウロ二世は、聖グレゴリウスの遺骨を持ち寄り、この地に埋葬しました。
写真:Kaycom D
地図を見るビザンチン皇帝のコンスタンティヌスは、この大聖堂の建築がとても美しく特別なスタイルだったため、自分の国でもこのような教会を作りたいと思いました。
そこでローマに戻り建築を試みましたが、設計上の間違いや地震などで結局完成には至らなかったそう。
そのため、このスタイルのものはここでしか見ることができません。
写真:Kaycom D
地図を見る通常教会の出入り口は1つだけですが、ここでは5つ設置されています。これは「神様の手の指」が表現されているため。
また、神父さんが仕事をする部屋は普通祭壇の左右にあるのですが、この聖堂では、祭壇の脇に階段がありその下に設けられています。
写真:Kaycom D
地図を見る建物は玄武岩で作られているのですが、石と石との接着には、見た目を綺麗にするために卵白が使われています。
こんなこだわりもコンスタンティヌスが魅了された要因なのかもしれませんね。
写真:Kaycom D
地図を見るここでは、神父さんたちも暮らしていたため、ローマスタイルのお風呂や会議室、ホールなどもありました。
今では想像するしかありませんが、広範囲に広がる遺跡から、かなり広大だったことがわかります。
写真:Kaycom D
地図を見る敷地内ではワインも製造され、貯蔵所も残っています。
アルメニアでは、12種類のブドウを栽培して紀元前8世紀からワイン作りをしていました。今でもアララト盆地でブドウを作っていますが、日本の山梨県にも種が送られ同じブドウが育てられているそうです。
写真:Kaycom D
地図を見る他にも、紀元前9世紀からアルメニアのシンボルとして掲げられてきた「鷲」のレリーフや、クサビ型文字で王のメモが彫られている石板、5世紀に発明されたアルメニア文字の日時計などを見ることができます。
写真:Kaycom D
地図を見る併設されている博物館では、大聖堂の詳しい説明や、床に使われていたモザイク、本物の日時計の写真(外にあるのはレプリカ)など、大聖堂にまつわる様々な展示を見ることができます。
写真:Kaycom D
地図を見るその中でも必見なのは、大聖堂の精巧な模型。
パカッと開くと、外観だけではなく内部の様子も知ることができます。
住所:586P+3G Echmiadzin
アクセス:エレヴァンからバスも出ていますが、他の見どころも多いためタクシーや現地ツアー利用が便利
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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