写真:藪内 成基
地図を見る作曲家・瀧廉太郎の代表作、『荒城の月』の舞台として知られる岡城(大分県竹田市)。代名詞ともいえる石垣は、阿蘇山の噴火が生み出した岩を利用しています。
そもそも岡城が築かれている岩山自体が、阿蘇山の火砕流が冷え固まってできたのです。阿蘇溶結凝灰岩(あそようけつぎょうかいがん)と呼ばれ、国の天然記念物に指定されています。
写真:藪内 成基
地図を見る地盤にも石垣にも活用されているのは、約12万年前と約9万年前に起きた阿蘇山噴火によって流れ出た阿蘇溶結凝灰岩(あそようけつぎょうかいがん)。切ったり削ったりする加工に適しており、山城ではありながら大量の石垣を積み上げることを可能にしたのです。
写真:藪内 成基
地図を見る岡城は標高325mにそびえる山城。「天空の城」と聞くと、霧が立ち込める中に古城が浮かび上がる姿をイメージするかと思います。竹田城(兵庫県朝来市)や越前大野城(福井県福井市)がよく知られます。
一方で、岡城はなかなか霧が立ち込めるような景色を撮影する場所がないのですが、霧が川のように広がる光景が見られる日があります。
写真:藪内 成基
地図を見る雨に濡れると石垣は色が一変。石垣に付着した苔がみずみずしくなり、晴れた日とは異なる美しい姿を見せてくれます。梅雨の季節であれば、アジサイやオニユリも目を楽しませてくれます。
写真:藪内 成基
地図を見る雨上がりは、地面や草地、森林に水分が残り、地表面の上にある空気も湿り気が多い状態。風が弱いと空気が冷やされ、空気中に含まれていた水分が小さな水滴となります。この水滴が空気中に浮かんでいる状態が「霧」です。
必ずしも、雨上がりだけに霧が発生するわけではありませんが、雨上がりは霧が発生しやすい条件を満たします。
小雨の日や雨がやんだタイミングに足を運んでみましょう。梅雨や秋雨の時期も狙い目です。
写真:藪内 成基
地図を見る三の丸や二の丸、本丸からは、霧よりも高い位置から「天の川」を見るチャンスが広がります。大きな谷を挟んで本丸の向かいにある中川覚左衛門屋敷跡(なかがわかくざえもんやしきあと)からは、岡城の中枢部(三の丸・二の丸・本丸)全体が霧に包まれた姿を見ることもできます。
雨上がりの岡城は滑りやすいですので、運動しやすい靴の着用がおすすめです。
写真:藪内 成基
地図を見る雨の日は空にも注目です。空を覆う雨雲の隙間から顔を出す陽光が、くじゅう連山や阿蘇山を美しく照らし出し、まるで「光の衣」が舞うような神秘的な光景が広がります。
写真:藪内 成基
地図を見る岡城だけでなく、城下町にも阿蘇溶結凝灰岩を利用した寺院や神社が点在します。また、所々に気持ちのいい水が流れています。
雨上がりの濡れた石畳を歩いたり、雨音に耳を澄ませたりするのも、城下町竹田の楽しみ方。自然にふれながら、ほっとしたひとときを過ごすことができます。
阿蘇山に育まれた土地だからこそ雨がよく似合う岡城。雨の日に出会える美しい景色を探しに、ぜひ訪ねてみてください。
住所:大分県竹田市大字竹田
電話番号:0974-63-1111(竹田市教育委員会文化財課)
アクセス:JR豊肥本線「豊後竹田駅」から徒歩約30分(2km)
※豊後竹田駅前からタクシーやレンタサイクルが利用可能
※岡城の詳細は下記の関連MEMOをご参照ください。
2019年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
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(2024/3/29更新)
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