写真:SHIZUKO
地図を見る『福寿草』は、幸福の『福』に長寿『寿』と、とてもおめでたい二文字を持つ新春を代表する花。真っ赤な南天と共に鉢に植えられ、お正月の玄関を飾っているのをご覧になることも多いのでは? 「難を転じ(南天)て福となす」という縁起物です。
そんな縁起のいい福寿草の群生が、2月下旬から4月初旬※、藤原岳の八合目から山頂にかけてみられます。雪解けを待って顔を出す福寿草は、5センチくらいの背の低い花です。花を太陽に向けて、パラボラアンテナのように光を花の中心に集め、その暖かさで虫を花の中に誘っています。なので、とても太陽光に敏感で、曇りの日や、午後2時を過ぎて太陽光が陰ってくると、花を閉じてしまいます。
福寿草を見るには、午前中に山頂へ行き、登りながらどんどん増える福寿草を楽しみ、ご飯を食べて下りながらもう一度見るという計画がお勧めです。登りで見る風景と下りで見る風景は全然違うので、どちらも楽しめるってお得です。
※年によって開花時期が違うので、確認してお出かけください。
写真:SHIZUKO
地図を見る福寿草以外にも、藤原岳では多くの山野草を楽しむことが出来ます。人気が高い『セツブンソウ』も見ることが出来ます。2センチほどのとても小さな花ですが、その可憐な姿から乱獲され、今は数が少なくなっています。貴重な花を守るために、絶対に登山道を外れて歩かない、写真を撮るときも、足元に花がないか確かめて足を置く、などの配慮は欠かせません。
他には、『ミヤマカタバミ』『ミノコバイモ』『カタクリ』『ネコノメソウ』『ヒロハマアマナ』などが楽しめます。どの花も、色も控えめで小さな花ですから、ゆっくり登りながら、しっかりと探してください。見つけた時のうれしさは、思わず小躍りしそうなくらいでしょう!
写真:SHIZUKO
地図を見る藤原岳は石灰岩でできた山。石灰岩は、セメント材料として掘り出されるので、藤原岳の三重県側はかなり大規模に削り取られています。登山道も、ゴツゴツとした岩があちこちに顔を出して、かなり登りづらさを感じます。また、福寿草の咲く時期は、雪が残っていることが多く、太陽に照らされた雪解けの道は、泥んこで滑りやすいので、行かれる際は、防水機能のあるしっかりとした靴で登りましょう。長靴で登る方が楽だという強者もいるくらいです。
雪が深い藤原岳の8合目から上には、根元が雪の重みで曲がった木々も多くみられます。曲がった幹を見ていると、木々の生命力の強さを感じずにはいられません。時期が来れば葉を出し、花を咲かせ、静かに自然のサイクルの中で生きている植物たちに学ぶべきものがたくさんありますね。
写真:SHIZUKO
地図を見る藤原山荘のある山頂部分は平らになっています。ここから向かい側にある展望丘までは約20分。多くの方が、リュックを下ろして空身で素晴らしい眺望を求めて移動します。
展望丘の標高は1140メートル。何種類かの標高表示あるようですが、今は、1140メートルということになっています。ここからの眺めは遮るもののない360度。南側は、鈴鹿の山の連なりの向こうに御在所岳。天気が良ければ、東には霊峰白山。北には、琵琶湖のきらめきに伊吹山など、それはそれは美しい眺めです。
長い冬が終わろうかという頃になると、寒くても春の息吹を感じたくなります。温暖化が叫ばれていても、時期を間違わずに咲き始める花々の姿。人間がどうしたって太刀打ちできない素晴らしい自然の教えには、心を打たれます。雪解けの歩きにくい道でも、可憐な花に出会うと心はウキウキ。ハイキングよりはややハードな藤原岳登山ですが、花々の美しさに、登山の疲れは吹き飛びます。
ぜひ、一度、お出掛けくださいね。
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(2023/12/6更新)
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