写真:菊池 模糊
地図を見る堺市博物館は、ユネスコ世界遺産に登録された仁徳天皇陵の目の前にあります。1980年に堺市制90周年事業として開館し、堺市の歴史と文化の殿堂として、これまで多くの資料を収集・展示してきました。開館以来300万人目となる来館者を2019年6月1日に達成。今、注目されている博物館です。
2019年7月6日から9月23日には「百舌鳥古墳群ー巨大墓の時代ー」という特別展を実施中です。百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録により仁徳天皇陵に来られる方は多いでしょう。せっかくの機会ですので、堺市博物館も見学されてはいかがでしょうか。
写真:菊池 模糊
地図を見る博物館に入る通路の入り口には衝角付冑型埴輪の大きなレプリカがモニュメントとして立っています。これは、いたすけ古墳から出土したもので、市民運動により破壊の危機をまぬがれたことから堺市の文化財シンボルマークになったものです。実物は博物館内部に展示されており、堺市指定有形文化財です。
なお、同じ博物館への通路両側には、堺を代表する茶人である千利休と武野紹鴎の座像があります。
写真:菊池 模糊
地図を見る堺市博物館の展示は、中庭を囲む半ドーナツ状の建物を左回りに見学する形となっています。まず最初に「古墳・仁徳陵」という古代のコーナーがあり、次いで「自由都市・堺」、「堺の産業・文化」、「祈り・祭り」と続き、最後に「企画展コーナー」があります。
写真:菊池 模糊
地図を見る堺市博物館が特に力を入れて展示しているのが古墳時代の資料です。古墳分布の巨大写真パネルや仁徳天皇陵をはじめとする古墳からの出土品の数々、大塚山古墳などの発掘状況などを詳しく見ることができます。
写真:菊池 模糊
地図を見る古墳コーナーの真ん中には、長持形石棺の実物大模型があります。これは明治初期に仁徳天皇陵の前方部の竪穴式石室で確認された記録をもとに製作されたもの。その量感を目前で感じることができます。後円部にはさらに巨大な施設が存在する可能性があり、想像力をかきたてられます。
写真:菊池 模糊
地図を見る古墳関係では、展示室の中庭側にパネル解説の充実した百舌鳥古墳群展示コーナーがあります。また、博物館の入り口左には、百舌鳥古墳群シアターがあり無料で観覧できます。約200インチの大型スクリーンで「百舌鳥古墳群−時を超えて−」や「百舌鳥・古市古墳群−未来へ伝える人類の遺産−」といった作品が上映されます。
写真:菊池 模糊
地図を見る古代を体験できる小コーナーもいくつかあります。まず「甲冑を着て大王になろう!!」ということで、古代の鎧かぶと装着体験ができるのです。これは貴重な経験になりますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
写真:菊池 模糊
地図を見る「円筒埴輪を持ってみよう!」というコーナーでは、レプリカの円筒埴輪を持ち上げることができます。大きさからして意外と軽く感じますが、本物の重さの半分で作られたものですので、実際は16kg以上になります。これが、非常に多く作られ、古墳の周りにズラリと並べられたわけですから、古墳完成時の壮観がしのばれます。
写真:菊池 模糊
地図を見る「竜山石さわってみよう!」というコーナーもあります。竜山石(たつやまいし)とは、兵庫県の加古川下流に産するもので、流紋岩質溶結凝灰岩の石材。古代はこの巨石が大阪湾を船で運ばれ、長持形石棺などの材料として使われました。実物の竜山石に触って、その感触を確かめてください。
写真:菊池 模糊
地図を見る中世に、大阪湾に面した重要港となっていた堺は、環濠をめぐらした港町で、有力商人たちが自治の中心となり、自由都市・貿易都市として繁栄しました。茶の湯文化も花開き、戦国時代には鉄砲も製作し、日本の歴史展開に大きな役割を果たしたのです。堺市博物館では鉄砲の展示が充実しており、巨大な火縄銃には驚かされます。
写真:菊池 模糊
地図を見る中世の展示で注目すべきは「中世堺の生活空間」と題される町並み模型展示です。当時、環濠に囲まれた中で密集して暮らしていた堺の人々の生活の場を見事に再現した定評のあるものです。この狭い都市空間の中で、高度な茶の湯文化が発展したのです。
写真:菊池 模糊
地図を見るよみがえる中世の堺−堺環濠都市遺跡の発掘調査−という展示には驚かされます。現在でも堺市の旧市街を発掘調査すると、茶器を中心とする数多くの陶器類が出てくるのです。その実物展示では、日本全国の陶器だけでなく中国やベトナムの焼き物もあります。中世の堺が、いかに遠方と交易し、茶の湯文化のセンターとして栄えていたかが一目瞭然です。
写真:菊池 模糊
地図を見る大坂夏の陣の余波で焼け野原になった堺ですが、やがて町は復興し町域を広げて碁盤の目状に整備されます。堺鉄砲の生産技術は煙草庖丁など堺刃物へと引き継がれ、職人の町として成熟していきます。その伝統は近代にも反映し、自転車産業などが生まれます。
また、江戸時代から明治にかけて、宗教的な芸術や祭りなどの町民文化も発展します。それが「祈り・祭り」というコーナーで展示されている内容で、重要文化財の仏像など貴重な資料が展示されています。
写真:菊池 模糊
地図を見る近代の展示で興味をひくのが堺県に関するものです。天領だった堺は慶応年間に堺県となり、地域を広げて現在の奈良県を含む大きな県となりました。やがて地域が小さく財政力がなかった大阪府を補強するため、堺は県治14年で廃県となり、大阪府へ編入されてしまいます。そうした歴史を振り返ってみるのも一興です。
また、近代には伝統的な祭りも整備され市民の熱い情熱が発揮されました。博物館にはその代表として開口神社の「祭礼鉾」と百舌鳥八幡神社の「ふとん太鼓」が展示されています(写真参照)。
写真:菊池 模糊
地図を見る明治のはじめ、1877年に建造され明治の大阪湾を照らしたのが旧堺燈台。木造洋式燈台としては日本で最も古いものの一つとして、昭和になって国の史跡に指定されました。この燈台のレンズ部分が、コーナーの出口部分に展示されており、旧燈部(燈台の上の部分)が、博物館中庭に展示保存されています。忘れずに見学しましょう。
最後にグッズ販売コーナーがありますので、ミュージアムグッズや特別展図録、古墳関係書籍などを購入検討してください。おすすめは、最近新しい版が出た図録『堺の文化財 百舌鳥古墳群』です。
住所:大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内
電話番号:072-245-6201
アクセス:
JR西日本阪和線「百舌鳥」駅下車500m
南海バス「堺市博物館前」下車280m
※仁徳天皇陵古墳横に大仙公園観光案内所および有料駐車場あり
営業時間:午前9時30分〜午後5時15分(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)
2019年7月6日から9月23日には特別展「百舌鳥古墳群ー巨大墓の時代ー」を実施中
特別展観覧料:一般 500円、高校生・大学生 250円、小学生・中学生 50円
※障がいのある方、堺市在住の65歳以上の方は無料(各証明書要)
2019年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/9/15更新)
- 広告 -