写真:Kaycom D
地図を見るアルメニアのガルニ村にある「ガルニ神殿」は、1世紀のアルメニア王ミトリダテス1世の時代に創建されたウラルトゥ・ヘレニズム様式の神殿。太陽神ミトラ(ミトラス)を祀った「太陽神殿」で、ローマ皇帝のネロがスポンサーとなり建築されました。
当時のアルメニアは、ローマやギリシャの文化が大きく影響していたので、他にもたくさん神殿がありましたが、301年にキリスト教が国教となるとすべて壊されてしまいました。
その代わりに教会が建てられていったのですが、ここだけは、周りの環境がいいことから王の夏の離宮として存続。現在では、アルメニアで唯一見られるヘレニズム様式の建築となっています。
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地図を見る神殿の周りは綺麗に整備され、花も植えられた公園になっています。5月から10月(月曜除く)にはライトアップがされ、3月21日には旧正月祭りが開催。
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地図を見るオリジナルの建物は大地震によって倒壊してしまい、現在の神殿は修復されたもの。全体的にはヘレニズム様式ですが、大理石ではなく玄武岩を利用していることと、柱の作りがアルメニア式となっています。
24本ある柱は上にいくほど細くなり、1本の柱につき4つの脚がついています。また、壁の石のつなぎ目には、世界遺産「ズヴァルトノツ古代遺跡」※と同じく卵白が利用され、さらに強度を増すために石の中に穴をあけ鉄の楔を使用。
※「ズヴァルトノツ古代遺跡」については、関連MEMOに記載の『天使たちの大聖堂!アルメニアの世界遺産ズヴァルトノツ古代遺跡』も参考にしてください。
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地図を見る神殿内部はガランとしていますが、ちょっとした仕掛けがあります。神殿の天井には天窓があり、床には水が流れる水道が設けられているのですが、夏至の正午になると天窓から太陽の光が差し込み、床の水に反射して太陽神を照らしていたそう。それを見た人々は、太陽神への信仰を一層強めたと言われています。
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地図を見る神殿にはライオンのレリーフがありますが、これはアルメニアの強さを示しています。実際には、アルメニアにライオンはいませんが、動物の王者であるライオンは、強さのシンボルとして使われていました。
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地図を見る神殿の横にはかつて教会がありましたが、こちらも地震で倒壊。その後、戦争などで修復できず土台部分だけが掘り起こされました。
アルメニアの教会は十字架の形をしているのですが、ここでは建物がないので十字の形がよくわかります。
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地図を見る神殿から少し離れたところに、ローマ式のお風呂が残されています。浴場には、脱衣所、冷たい部屋、温かい部屋、熱い部屋、お湯を沸かす場所があり、熱したお湯はパイプを通じて熱い部屋から冷たい部屋へと温度を下げながら供給されていました。
入り方としては、最初に温度の低いお湯に入り、だんだんと体を慣らしながら熱いお湯へと移動していったそう。
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地図を見る浴場の一部には、海の神様が描かれたモザイクの床も残っています。
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地図を見る神殿が建つ丘からは、まわりの渓谷が一望できます。その大自然の絶景を見るだけでも、ここへ来る価値があると言えるでしょう。
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地図を見るその中に、世界遺産にも登録されている「ストーン・シンフォニー」という柱状節理があります。丘からは少し遠いので小さくしか見えないのですが、興味があればそこまで行くツアーもあるので参加してみてください。
また、この「ガルニ神殿」は、同じアザート川流域の渓谷にある世界遺産「ゲガルド修道院」※の近くなので、セットで訪れるのもおすすめです。
※「ゲガルド修道院」については、関連MEMOに記載の『ロンギヌスの槍が由来!アルメニアの世界遺産ゲガルド修道院』も参考にしてください。
住所:Garni 2215
アクセス:エレヴァンからバスか、現地ツアー利用が便利
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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